木村花さん、悔しかっただろうね・・いじめ社会からの脱却と法整備 | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 木村花さんの死、心から御冥福をお祈りする。あまりにも酷いSNS上での誹謗中傷が彼女を死に追いやった。

 悔しさとともに、どうすべきか考えてきた。

 とにかく、匿名での誹謗中傷、これは卑怯者の仕業だ。氏、素性をまず名乗れと言いたい。自らは匿名の安全地帯に身を置いて、汚い言葉で罵る。陰湿な「いじめ」以外の何物でもない。

 海外のメデイアが大きく報じているのは、この「いじめ」が日本特有なものだからである。この陰湿ないじめ社会は、集団リンチで対象とされた者を死に追いやる。私は、海外での生活が長いし、数カ国語を使うが、「いじめ」にぴったり当たる言葉は、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語などにはない。

 戦後日本の病理が「いじめ」である。そして、これが日本的ポピュリズムの源となっている。今回のコロナ騒動でも、陽性になった者や医療関係者をいじめる者がいる。海外では、そんなことがないどころか、医療関係者に拍手している。

 いつまで、「いじめ」というリンチを加え続けるのか。

 私も、いつも同じような罵詈雑言を受けている。政治思想は自由で、私が極右でないからといって、極右から中傷されるのは、言論の自由への挑戦だ。文句があるなら、言論で反論せよ。

 酷いのになると、「なぜまだ自殺しないのか」などというのがある。「殺すぞ」は刑法222条の脅迫罪に当たる。かつて、私に「殺すぞ」と殺害予告した者は、警察が捜査し、犯人の身柄を確保した。

 しかし、木村さんや私に「死ね」と言っても、脅迫罪に当たらない。つまり、今の刑法では取り締まれないのだ。

「プロバイダ責任制限法」というのがあるが、これは、裁判が必要で罰則もない。時間もかかるし、相手の情報開示を求めるだけだ。

 直接悪質な中傷者を処罰する法整備が必要だ。国会議員の仕事は法律を作ることであり、衆参両院に法制局があって法律の専門家がサポートしてくれる。

 私は国会議員のとき、法制局と相談して議員立法などを考えた。政府のみならず、法律やSNSに詳しい議員がチームを作って、早急に法律案を作ってほしい。

 そして、多くの国民が、その法律に魂を入れてほしい。そうしなければ、木村花さんの悔しさを癒やしてあげられない。