<なぜ一斉休校にするのか>:安倍首相のプロパガンダとは違うフランスのオリヴィエ・ヴェラン厚生大臣 | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 2月27日に、安倍首相は全国民に向かって、小中高校の一斉休校を要請した。

 2日後の、29日、この措置を正当化するために記者会見を行い、「何よりも子供たちの健康・安全を第一に」と述べている。

 この言葉を聞けば、世の親たちは、当然だと思うだろう。これこそ、国民を扇動するプロパガンダである。

 一方、フランスのオリヴィエ・ヴェラン厚生大臣は、一斉休校した理由を次のように述べている。  

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 子どもを学校に通わせても危険ではない。世界中の症例を見ても、子どもは感染しても重症化することはない。感染しても、普通の風邪やインフルエンザのような症状が出るだけだ。その意味で、子どもたちは、要注意の「弱者」ではない。

 だから、学校に通い続けても問題はない。

 ところが、学校の休校を決めると、それは子どもを守るためなのかという質問が来る。答えは否である。

 学校では、子どもたちは一緒に遊んだり、組み合ったり、叫びあったりして、濃厚接触をするので、感染しやすい。そこで、感染して家に帰り、兄弟や両親、祖父母などの家族に感染させる可能性がある。その可能性を減らすために、一斉休校なのである。

 繰り返すが、子どもを学校に通わせても危険ではない。子どもを守るための休校ではない。付け加えれば、学校では、子どもに手洗いなどの感染予防策をしっかりと教えるので、子どもがそれを家に帰ってから家族に教える。それも有益だ。

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 誰でも自分の子どもは可愛い。その感情に訴えて、一斉休校を正当化するのは頂けない。「子どもを守るためではない。学校に通わせても危険ではない」と言うヴェラン大臣のほうが科学的である。

 そして、これは国民の民度の問題でもある。日本の厚労相が「子ども守るためではない」などと言ったら、袋叩きに会おう。

 専門家会議も一斉休校は諮問されていないという、占い師のご託宣でも信じたのか。