国際政治学講義㊸:(4)20世紀の意味 ③ナショナリズム・・❺ | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 各国で地域主義や分離主義の力が増せば、それは国民国家の前提をなす国民の連帯意識を希薄化させる。イギリスを例にとっても、スコットランド国民党、ウエールズのプライド・カムリのような地域政党が勢力を伸ばしている。

 2014年9月18日にスコットランド独立を問う住民投票が行われたが、反対票が55%にのぼり否決された。

 スペイン、フランス、ベルギーなどの国々でも、分離主義的傾向は存在しているが、ベルギーに典型的に見られるように、フランス系とオランダ系の二つの集団が対立しながら国家を運営している例もある。

 つまり、複数の民族で国民国家を形成する場合、民族自決主義は意味をなさない。スイスはフランス系、ドイツ系、イタリア系の住民からなり、公用語も独仏伊の三カ国語である。複数の民族が一国家を形成してもよいし、アメリカのような人種のモザイク状態の国もある。

 これとは逆に、一つの民族が複数の国家を作るケースもある。第二次大戦後に、ドイツ、ベトナム、朝鮮が二分され、分断国家となった。ベトナムは1976年4月に南ベトナムが消滅して統一された。ドイツは、ベルリンの壁崩壊後、1990年1月に統一された。残っているのは朝鮮半島である。

 6月12日にシンガポールで行われた米朝首脳会談では、朝鮮戦争の終結は議題にならなかったが、ベトナムやドイツに比べて、朝鮮半島の統一は容易ではなかろう。それは、同一民族とはいえ、北朝鮮の独裁制と韓国の民主制ではあまりにも体制が異なるからである。

 同時に、一民族が必ず一国家を作らねばならないというのも、ナショナリズムや民族自決主義が生んだ神話である。一民族が複数の国家を形成しても、それが不都合であるとはかぎらない。多くの韓国民は、金正恩による独裁体制の下で統一国家となるよりは、分断国家であっても、自由な民であり続けることを選択するのではなかろうか。

 21世紀になっても、ナショナリズムの亡霊が国際政治で大きな影響力を持ち続けている。しかし、地球温暖化や環境問題のように国境を越えて全人類が取り組まなければならない問題も山積している。地球市民といった認識も必要な時代が来ているのに、例えば、トランプ大統領のアメリカ第一主義はそれと逆行する動きを加速化させている。

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