東京マラソン:なぜコースの変更をしたか | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 明日、2月25日、東京マラソンが開催される。昨年からコースが変更され、ゴールが東京駅前になったが、なぜ私がこの改革を断行したのかを説明する。

 2014年秋に、東京の姉妹都市ベルリンを公式訪問し、友好都市提携20周年を記念する行事などに出席した。ヴォーヴェライト市長とともに、ブランデンブルグ門を散策したとき、ベルリン市民から「ベルリンマラソンのゴールは、世界中誰もが知っているベルリンの象徴、このブランデンブルグ門だ。東京マラソンのゴールはどこなのか」と問われたのである。

 東京マラソンのゴールはビッグサイトであった。埋め立て地に無機質な建物が並んでおり、どこの都市か分からない。都知事として私は、外国人からこのような質問が出されないように、何とかしなければならないと思ったのである。官民の叡知を集めて、コース変更も含めて、この難問への答を出したいと考えた。

 誰もが、すぐに東京だと分かる場所はどこか。浅草雷門、スカイツリー、東京タワー、皇居、渋谷のスクランブル交差点などがすぐに思いつく。

 ゴールの決定には、交通の障害にならないこと、商店街の仕事の妨げとならないことなど、解決すべき問題が多々ある。この対応が大変である。

 まずは、交通を所管する警視庁との交渉である。交通規制の難しさが分かっているので、容易には首を縦に振らない。また、陸連やマラソン競技関係者も、タイムが悪くなるなどのクレームを出す。さらには、周辺の商業施設にも協力をお願いした。

 副知事以下、都の職員が手分けして、困難な説得工作を行い、遂にコース変更を実現したのである。

 私は、かねてから東京駅丸の内口と皇居を繋ぐ行幸通りをもっと賑わいのある通りにしたいと考えていた。それもあって、東京マラソンのゴールをここに持ってこようと考えたのである。ランナーの前には東京駅が、そして後ろには皇居(江戸城)がという絶好の景色であり、誰が見ても東京ということがすぐに分かる。東京駅前丸の内広場の整備も終わり、今年の大会はさらに盛り上がると期待している。

 私は都知事を途中で辞任したので、新コースでの東京マラソンのスタートに立ち会えなくなり残念である。しかし、最も番腹立たしいのは、私が都庁を去ったことをよいことに、それまでコース変更にさんざん反対していた連中が、今になって「自分がその改革をした」と得意げに吹聴していることである。