トランプのアメリカ(12):11月20日〜12月02日 | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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11月20日:20日、アメリカは北朝鮮をテロ支援国家に再指定した。さらなる圧力である。しかし、これで米中間の緊張が高まり、軍事衝突の可能性も高まる。戦争は偶発的要因が引き金となることがある。要注意!

 

11月28日:北朝鮮は29日午前3:18頃ごろ、日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射。53分飛翔し、4:17頃、青森沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に着水。ICBM級である。米朝のチキンゲームは続く。12月軍事衝突のシナリオが現実性を帯びてきた。

11月28日:危機のシナリオ:北朝鮮は、金正日命日の12月17日にさらに弾道ミサイル発射。その前にも、あるいは、それを見極めてから、アメリカは軍事行動を起こす可能性がある。

 

11月29日:大陸間弾道ミサイル(ICBM)は「火星(ファソン)15」と、北朝鮮が発表。金正恩は「核武力完成の歴史的大業を果たした」と言明した。「核兵器+ICBM」はアメリカの容認しないところ。F35はじめ最新鋭兵器での軍事攻撃シナリオを準備していると思われる。

 

11月30日:金正恩の論理:核搭載・米本土に届くICBMの開発が唯一の生き残り策。トランプの主張:米本土を標的とするICBMや核開発は許さない。この双方には妥協の余地はない。軍事的衝突は、あと数ヶ月以内か。

 

12月1日:来年度防衛予算、過去最大の5兆2千億円に。軍事的緊張が高まるとこうなる。かつては「軍事で依存しているから経済で譲歩を」という対米外交であったが、今は軍事でも経済でもアメリカに反論できない。非核国で軍事は論外、経済も日本企業の体たらく、せめて情報大国にならないと、外交で負ける。

 

122日:トランプ大統領は、「ティラーソン国務長官の更迭を検討」との報道は「フェイク・ニュース」だとツイート。後任者にはポンペオCIA長官の名前が挙がっている。北朝鮮への対応が切迫しているだけに、大統領を”moron"と言った国務長官の去就が注目される。

12月2日:モラー特別検察官は1日、フリン前大統領補佐官をFBIに虚偽供述をした罪で訴追した。フリン氏は有罪を認め司法取引に応じる方針。トランプ大統領周辺のロシア疑惑の捜査がどこまで進むか注目。大統領娘婿のクシュナー氏が深く関わっているという。大統領弾劾にも繋がる可能性がある。

12月2日:国際関係史を専攻してきた立場から言うと、一つの同盟関係は永遠ではない。今日の友は明日の敵となるかもしれない。日米同盟とて永遠に続くと思ってはならない。1902年締結の日英同盟は第一次大戦後のワシントン会議のあと、1923年に失効。それが太平洋戦争につながった。醒めた目が必要である。