2023年10月25日(水) 晴れ

 

今日の大阪は秋晴れで最高気温は23℃、寒暖差が一段と激しくなってきました。

 

今日は長居植物園にバラとコスモスの写真を撮りに行きましたが、撮った写真を整理中。後日ブログの記事にします。

 

さて、少し前回の続き・・

前回のブログの記事で映画『キリエのうた』を紹介しましたが、黒木華さんの登場シーンは大阪ロケで、映画を観ていて知っている場所が出てきました。

 

黒木華さん演じる小学校の先生・風美が、イワン(小学生の頃の路花)を連れて夏彦を出迎える場面、近鉄電車の駅に見覚えがあって、調べたら大阪府藤井寺市の『道明寺駅』でした。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

 

道明寺駅』は近鉄南大阪線と道明寺線の駅で、職場の最寄り駅から数駅です。僕はこの駅で乗り降りしたことはありませんが、自転車で時々サイクリングする「南河内サイクルライン」を走っていると、石川の堤防沿いに有るので立ち寄った事がありました。

 

「南河内サイクルライン」については、僕がブログを始めてすぐの頃に記事にしています。

記事に出てくる「近鉄道明寺線」の「柏原南口駅」の次の駅が「道明寺駅」です。

(近鉄道明寺線は、「道明寺駅」-「柏原南口駅」-「柏原駅」の3駅のみです。)

サイクルラインの途中、「玉手橋」というレトロな橋が見えるのですが、そのすぐ近くに「道明寺駅」があります。

 

 

また、風美がイワンに出会う場所で、風美が夏彦にイワン(路花)やキリエとのかかわりについての告白を聞く場所は、やはり大阪府藤井寺市の『津堂城山古墳』でした。風美と小学生との会話で「古墳」という言葉があったと思います。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

津堂城山古墳』は、世界文化遺産の『古市古墳群』を構成する古墳のひとつで、4世紀後半に古市古墳群の中で最初に造られた、墳丘部分の長さが210mもある巨大な前方後円墳です。

 

 

 
↑のgoogle mapで見ると、確かに前方後円墳の形をしています。
 
この場所も、「南河内サイクルライン」を走っていると近くにありますので、サイクリングがてら、映画『キリエのうた』の大阪ロケ地巡りをすることにしました。
 
(C) 2023 Kyrie Film Band
 
2023年10月18日(水) 晴れ
 
久しぶりに自転車で「南河内サイクルライン」をサイクリング。大和川の堤防を走ります。
 
 
途中から、石川の河川敷を走ります。大和川と石川は、大阪府藤井寺市で合流します。
 
 
目的地は近鉄道明寺駅。石川河川敷から玉手橋手前で堤防をまたいで道明寺駅へ。
 
↓『南河内サイクルライン』の標識。
 
前方に見える玉手橋(映画とは関係ありません)は渡らず・・
 
 
堤防を降りて行くと・・
 
 
踏切を渡って
 
 
『道明寺駅』に到着。
 
 
 
 
道明寺駅のすぐ近くにある喫茶店『チェリー』。昔ながらの純喫茶で、オリジナルビーフカレーが名物の喫茶店。
 
 
イワン(小学生の頃の路花)が保護された後、風美と夏彦が会話する喫茶店です。
 
 
次に、道明寺駅から自転車で約20分で、『津堂城山古墳』に到着。
 
津堂城山古墳』は、室町時代に古墳の地形を利用して小山城が築かれたため、「城山」と呼ばれるようになりました。城が築かれていたことで、古墳としてはずいぶん崩れた形状になってしまっており、全体が大きいために、横から見ただけでは古墳だとは気づきにくい姿です。いつしか、ここが古墳であったことさえ忘れ去られ、長年に渡って「かつて城があった山」として扱われてきたようです。
 

 
1912年(明治45年)、地元津堂村の人々がこの古墳の後円部頂から石材を掘り出したときに、その下から巨大な石棺が現れたため発掘調査したところ、竪穴式石槨内からは長持形石棺や勾玉・鏡・刀剣など多くの副葬品が出土、内濠から出土した水鳥形埴輪は国指定重要文化財となりました。
 

現存するのは、墳丘と内濠だけですが、これまでの調査や研究により、二重の濠と堤をめぐらせた総長436mにもおよぶ巨大古墳であったことが分かりました。

 

 

世界文化遺産の『百舌鳥・古市古墳群』には、数々の天皇陵が存在していますが、「津堂城山古墳」はそれらに匹敵する規模を持つ大型前方後円墳です。被葬者は不明ですが古代河内王権の初代の大王が埋葬されているとも考えられているのだそうです。

 

発掘調査前までは、陵墓治定(どの古墳がどの天皇の陵であるかの選定考証)や陵墓参考地の選定から洩れていました。

そのため、大型の前方後円墳でありながら墳墓への立ち入りが可能で、一部が神社になっていたり、公園のように整備されていて、墳丘に登ることも出来るのです。その後、後円部頂のみ宮内庁に「藤井寺陵墓参考地」として治定され、後円部頂だけが周囲に柵がめぐらされており、その内部に足を踏み入れることが出来なくなりました。

 

↓墳丘からの眺め。

 

 

↓柵がめぐらされている「後円部頂」。

 

 

前方後円墳と言えば、小学校の社会の授業で習った日本最大の前方後円墳『仁徳天皇陵』が思い浮かびます。『百舌鳥・古市古墳群』のウエブサイトには、『仁徳天皇陵古墳』と表記されていますし、宮内庁のウエブサイトにも『仁徳天皇 百舌鳥耳原中野陵』と表記されています。

でも、考古学研究者らは仁徳天皇が埋葬されているか確認されていないとして、通常の遺跡と同様、所在地名に由来する『大仙古墳』などと呼ぶようになったのだそうです。

小学校の教科書でも、『大仙古墳』と表記される様になっているみたいですが、やっぱり『仁徳天皇陵』の方が一般的に知られているとの理由で、『仁徳天皇陵』と表記している教科書もあるみたいですね。

 

2017年11月21日のブログで、『仁徳天皇陵』に行ってきた記事を書いていました。

 

 
 
話が脱線していますが、『仁徳天皇陵』の様な陵墓治定されている古墳は、天皇や皇后など皇室のお墓ですので、宮内庁が厳重に管理しています。
↓の写真は仁徳天皇陵ですが、きれいに整備されていますし、近寄りがたい雰囲気です。
 
 
宮内庁の管理するお墓なので、原則敷地内に立ち入る事はできませんし、本格的な発掘調査も行われていません。なので、被葬者がだれなのかはっきりしない古墳もあるし、文化財として学術的に得られるものが少ないのです。
百舌鳥・古市古墳群』にある『仁徳天皇陵』の様な古墳は内部がほとんど調査されていない中で、『津堂城山古墳』は何度も発掘調査が繰り返されており、古墳としての学術的研究がなされているので、貴重な学術的価値を持つ古墳なのです。その上、「後円部頂」以外は古墳内を自由に散策できるという、稀有な存在です。
 
世界遺産としてはとっても地味な印象ですが、自宅の近所にこんな興味深い場所がある事に気づけて良かったです(^▽^)/
 

 

キリエのうたロケ地めぐりのはずが、『津堂城山古墳』について調べていたら色々面白かったので、ついつい長文を書いてしまいました。

 

さて、映画に出てくる場所を探したのですが、おそらくここだと思われる場所の写真を撮ってきました。

 

黒木華さん演じる風美が道を歩いていると、森の方から歌声が聴こえてきます。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

森の方に歩いて行き、

 

 

 

木の上にいたイワン(小学生の頃の路花)を見つけるシーン、

 

 

多分この木だと思います。

 

 

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

そして、風美が夏彦に路花やキリエとのかかわりについての告白を聞いたのも、この木の下だと思います。

 

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

岩井俊二監督は、幼稚園~小学校1年生の約1年間藤井寺市に住んでいたとの事で、その縁で藤井寺市をロケ地に選んだとの事です。

他にも、『道明寺南小学校』と『アイセルシュラホール』で撮影していますが、今回は行きませんでした。

 

 

大阪ではこの他にも、大阪市内の『天王寺公園』や、『川口基督教会』でロケをしています。

天王寺公園は良く行く公園ですが、気付きませんでした。

 

最後に、『津堂城山古墳』の内濠跡に『津堂草花園』と言う花畑があって、コスモスが満開になっていましたので、写真を撮ってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり。