映画『キリエのうた』を観てきました。 | 自由帳

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個人的な日記です。特に決まったテーマはありません。
気が向いたら更新します。

2023年10月22日(日) 晴れ

 

今日の大阪は良く晴れましたが、最高気温は20℃と少し肌寒く感じました。一昨日の雨のあと、すっかり秋の空気になりました。

 

10月15日(日)に映画『キリエのうた』を観てきました。少しネタバレありの感想です。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

映画『キリエのうた』公式サイト

 

監 督:岩井俊二
原 作:岩井俊二
音 楽:小林武史
出 演:アイナ・ジ・エンド、松村北斗、黒木華、広瀬すず、村上虹郎、松浦祐也、笠原秀幸、粗品、矢山花、七尾旅人、ロバート・キャンベル、大塚愛、安藤裕子、江口洋介、吉瀬美智子、樋口真嗣、奥菜恵、浅田美代子、石井竜也、豊原功補、松本まりか、北村有起哉

あらすじ

13年間の出逢いと別れ。キリエの歌がつなぐ4人の物語。
歌うことでしか“声”が出せない路上ミュージシャン・キリエ、姿を消したフィアンセを捜し続ける青年・夏彦、傷ついた人々に寄り添う教師・フミ、過去を捨て、名前を捨て、キリエのマネージャーを買って出る謎めいた女性・イッコ。石巻、大阪、帯広、東京を舞台に紡がれる、出逢いと別れを繰り返す4人の壮大な旅路。儚い命と彷徨う心、そこに寄り添う音楽。 “あなた”がここにいるから――。13年に及ぶ魂の救済を見つめたこの物語は、スクリーンを越えて“貴方”の心と共振し、かけがえのない質量を遺す。 

映画『キリエのうた』公式サイトより抜粋

 

(C) 2023 Kyrie Film Band
 

いつも利用している映画館『Movix八尾』は、8月15日に台風7号の被害を受けて、当面の間休館しています(現状で12月中までは休館の予定)。

松竹系のシネコン『Movix』の会員(SMT members)なので、ポイントやクーポンがありますから、今回は『Movix堺』で観る事にしました。

(近畿圏では、他には『Movixあまがさき』と『Movix京都』しかありません。)

Movix堺』、最寄りの駅が無くて車じゃないとかなり不便です(駐車場は無料でかなり大きいのですが)。何度か自転車で行ったことがありますが自宅から1時間かかります(Movix八尾は40分)。今回は時間が無くて自動車で行きました。

 

シアター3(150席)、公開1週目の日曜日、朝イチ10時15分からの上映でした。

観客は15人、公開3日目の日曜日にしてはかなり寂しいですね・・・。まあ、この映画館、場所が悪いのかな・・・大阪市内の映画館なら、もう少し入っていると思いたい・・。

 

お誕生日クーポン、1100円!!

 

監督は岩井俊二さん。1993年、オムニバスドラマ『ifもしも~打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』で、日本映画監督協会新人賞を受賞。95年、長編映画『Love Letter』は、アジア各国で公開され評判を得ました。
その後は「スワロウテイル」「四月物語」「リリイ・シュシュのすべて」「花とアリス」「リップヴァンウィンクルの花嫁」「ラストレター」「チィファの手紙」などの監督を務めています。

 

今回の映画『キリエの歌』は、岩井俊二監督の原作小説があります。映画の為に執筆した小説でしょうね。

 

 

 

この映画を観に行った理由はもちろん、広瀬すずちゃんが出演しているからです。

 

岩井俊二監督と広瀬すずちゃんと言えば、岩井監督の映画『ラストレター』に広瀬すずちゃんが出演していて、その感想をブログの記事にしています

 


また、岩井監督が最初に注目された『ifもしも~打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』をアニメ化した映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』で、すずちゃんがヒロインの声を担当しました。

 

 

広瀬すずちゃん、今年は主演映画が2本(『ネメシス 黄金螺旋の謎』、『水は海に向かって流れる』)公開され、本作では主演ではありませんがとても重要な役でした。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

さて、主演はアイナ・ジ・エンドさん。今年解散したアイドルグループ「BiSH」の元メンバーで、現在シンガーソングライターとしてソロ活動をされています。

もう、先日還暦をむかえたおっさんには、何のことやらサッパリ??名前からして、もうついていけません(笑)。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

BiSH」というガールズグループ、よくある「アイドルグループ」とは少し違うみたいで、
「楽器を持たないパンクバンド」との事。BiSHは、「Brand-new idol SHiT」(新生クソアイドル)の略なのだそうです。アイドルも多様化しているんですね。聖子ちゃんの時代とは違いますよね。

2022年8月にはミュージカル『ジャニス』で主演(ジャニス・ジョブリン役)の経験はあるようですが、映画は初主演だそうです。

 

この映画は、「音楽映画」と銘打っています。映画の公式ウエブサイトにも、音楽映画「キリエのうた」となっています。

岩井監督の音楽映画と位置付けられる作品は、『スワロウテイル』(96)、『リリイ・シュシュのすべて』(01)で、この作品同様音楽プロデューサーの小林武史が主題歌と劇中音楽を手掛けています。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

映画を観終わってこれは「アイナ・ジ・エンド」ありきの映画だと思いました。彼女の歌唱はとても特徴的、ハスキーボイスで独特な節回し、おそらく好き嫌いが分かれるのだと思いますが、岩井監督はこの歌声を映画で表現したかったのだと想像します。約3時間のプロモーションビデオだとも思えました。

僕が好んで聴くタイプの歌手ではないですが、とてもインパクトがありました。惹きつけられました。

 

この映画の主題歌は、小林武史作詞作曲の『キリエ・憐みの賛歌』ですが・・・

 

 

アイナ・ジ・エンド作詞作曲の『名前のない街』は、劇中でも強烈なインパクトでした。

 

 

女優としても、とても頑張っていたと思います。別の時間軸で姉と妹の二役、演じ分けるのも難しかったでしょうし、きわどいシーンも何カ所かありました。今後女優としても活動をつづけるのでしょうね。

そう言えば、岩井監督はヒロインに二役をさせるのが好きなのかな。映画『ラストレター』では、すずちゃんも二役でした。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

そして、すずちゃんです。アイナ・ジ・エンドさん演じる、路上ミュージシャン・”キリエ”のマネージャーを買って出る”イッコ”という女性の役。あらすじでは「キリエの歌がつなぐ4人の物語」となっていて、そのうちの一人です。4人の群像劇の様な紹介のされ方ですが、やはり主人公は”キリエ”で、”キリエ”を軸にその他の登場人物とのエピソードが綴られています。

その中でも、すずちゃん演じる”イッコ”のシーンはかなりのウエイトを占めており、すずちゃんファンとしては、十分堪能できました。

 

複数の場所と時間軸で物語が平行に描かれていて、高校の制服姿のすずちゃんも見れますし・・

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

かなり風変りなキャラクター、ド派手なコスプレ姿のすずちゃんも観る事が出来ました。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

とは言え、すずちゃんのド派手なコスプレ姿、僕はあんまり好みじゃないなぁ~。

シーンが変わるごとに色んな姿で登場するので、これは絶対岩井監督がすずちゃんにコスプレをさせたいだけなんじゃないかと思ってしまいました(笑)

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

まあ、久々にすずちゃんのボブヘアーを観る事が出来たのは良かったかな(笑)

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

3時間近い長尺の映画で、すずちゃん演じる”イッコ”の物語はかなりの時間配分がありましたが、それでも彼女の人物像はまだまだ謎の部分が多く、もっと深く描いてほしかったと思いました。彼女の物語だけでも映画になると思えたので、1本の映画では無理かな。

テレビドラマでワンクール作れそう・・・是非とも!

 

姿を消したフィアンセを捜し続ける青年”夏彦”を演じるのは、松村北斗さん。ジャニーズの男性アイドルグループ・SixTONESのメンバー。NHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」に出演していたんですね。僕は観ていませんでした。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

「SixTONES」と言われても、アラカンのおっさんは全くわかりませんが、ジャニーズのアイドルグループからいい役者さんになってる人はたくさんいる様ですね。彼も良い役者さんでした。ジャニーズの肩書、全く必要ありませんよ。

「キリエの歌がつなぐ4人の物語」の中で、それぞれの時間軸それぞれの場所でアイナ・ジ・エンドさん、すずちゃん、黒木華さんと絡んでいます。とても重要な役柄でした。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

傷ついた人々に寄り添う教師”フミ”役の黒木華さん。主演でも助演でも、様々な役柄をこなす素晴らしい女優さんですね。岩井監督の作品では、映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』で主演を務めています。

大阪出身で、小学生の頃『探偵ナイトスクープ』に依頼者として出演したこともあるということで、僕は親しみを感じています^^

本作では、出演時間は他の3人と比べて少なめでしたが、安定の演技力で存在感を示していました。

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

黒木さんのシーンは大阪ロケで、駅や近鉄電車が映るシーンを観て、「あ、ここは知ってる場所だ!」とロケ地が分かりました。

僕が良く走っているサイクリングロードの近所なので、先日ロケ地巡りをしてきました。またブログの記事にします(^▽^)/

 

 

ところで、黒木華さんは大阪出身なので、大阪弁はネイティブのはずですが、所々でちょっと訛っていました。大阪弁が訛るって変な表現ですが、標準語に引きずられた大阪弁と言うか・・・。長い事大阪から離れて暮らしているからですかね?

 

(C) 2023 Kyrie Film Band

 

すずちゃんが出演しているという事と、主人公がストリートミュージシャンの物語だということ以外ほとんど前情報を入れずに観に行きましたので、ミュージシャンを目指す女の子のシンデレラストーリーなのかなと想像していましたが、全く違いました。

キリエの歌唱シーンも多く、アイナ・ジ・エンドのプロモーションビデオ的な面もありましたが、キリエがミュージシャンとして成長していく物語としては少し中途半端な印象でした。

それは、東日本大震災が物語の背景にあって核となっており、重く暗いテーマの映画である事と、現在のシーンと過去のシーンの時系列がシャッフルされて映画は進んで行き、はっきりとした起承転結が無く、物語を楽しむ映画ではないからだと思いました。

 


(C) 2023 Kyrie Film Band

 

最初は登場人物の背景が全く分からず、時間も場所も場面が次々と変わるので理解できずに混乱するのですが、映画が進んで行くうちにだんだんわかってくるので、178分の上映時間、映画に引き込まれて全く長さを感じませんでした。

とても面白かったです。でも、何が言いたかったのかよくわからない映画でもありました。

震災を背景にキリスト教にまつわる描写も多く出てきて、キリエのうたでキリエにかかわった人たちが救われるということなのかな。

・・・イッコや夏彦は、救われたのか?

 

おまけ

 

映画館入り口で、「キリエのうた フォトブック “2010-2023 Memories”」をもらいました。公開初日の10/13(金)~15(日)の3日間限定で全国の上映劇場にて配布されたとの事。

ラッキー\(^o^)/

 

 

 

 

 

おわり