神丹気功かとりだい、

第一回は「桃の気功」です。

 

動きは至ってシンプル。

 

足を腰幅に開いて立った姿勢から

両腕を横に広げ上げ

おでこの前で両手の指先をくっつけ

桃の形を作ります。

 

その桃を胸前に下ろしたら

一旦前に差し出して戻す。

中指を下向きにして

桃を腹前に下ろす。

 

肘を伸ばしたまま

桃を胸前まで戻す。

そこから桃を左真横まで

動かしながら体幹ねじり。

 

同様に右に移動した後、

最後は真ん中に戻し

桃が大きくなるイメージで

お腹に収めて準備姿勢に戻ります。

 

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桃の気功が一番最初に配置されているには

理由があります。

それはエネルギー点火の気功だから。

 

桃の形が心臓に似ていることから

中医学五行論では「心」は「火」、

動きの初めに陽の気が全身に

巡るようにという意味が込められています。

 

桃は長寿のシンボル。気功体操は

「健康長寿の身体づくり」なので

まさにピッタリだなぁと思っています。

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肩の具合を確認は

桃を前に差し出す時に

中指が天を向いたまま

動かすことができるかどうか。

 

中指が前に倒れるようなら

肩周りが緊張しています。

 

そんな時のお手当は

NCAコンディショニングの肩ブラ、

肩をぎゅーっと挙げてストンと落とす、

スワイショウ(中国語で「甩手」)など。

 

スワイショウはでんでん太鼓のように

体幹を捻りながら腕を放る動きです。

この家に引っ越して14年が経ちました。

インストラクターを始めてからは

早いもので10年になります。

 

10年前に思い描いたことがあります。

それはご近所さんと一緒に

気功体操をやること。

 

だからインストをやると決意して

一番初めにやったことが

手作りチラシのポスティングでした。

その時は全く反応なし。当然ですね。

 

隣の駅前にカルチャーセンターがあり

そこで募集をしてもらったところ

幸いにも生徒さんが集まりました。

 

それは気功体操ではなく

健康体操のレッスンだったのですが

参加してくださった方々が

気功体操の誘いにのってくださり

めでたくレッスンを開始できました。

 

その後、カルチャーセンター閉鎖とともに

自前でクラスを運営。

コロナ禍はオンラインでレッスンしながら

どうにか続けてきました。

 

この春、自宅近くに公共の集会所ができ

それを機会に気功体操クラスを開始。

ご近所さんもご参加くださっています。

 

 

10年がかりでようやく一つの夢が

形になりました。本当に嬉しい限りです。

 

 

東洋医学において

身体の仕組みや病気の成り立ちを

理解するために考え出されたのが

気・血・津液という三要素です。

 

大雑把にいうと

気は生命エネルギー、

血は血液およびその働き、

津液は血液以外の水分を指します。

 

それぞれ体内で作られ

それを担うのが腎・脾・肺です。

 

西洋医学では腎臓・脾臓・肺が

その臓器を指すのに対して

東洋医学ではそれが持つ

働きまで含めて捉えます。

 

三つの違いをみると

腎;生まれながらに持っている

脾;飲み物や食べ物を材料にする

肺;外界との往来に関わるバリアやフィルター

と言えます。

 

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気・血・津液は互いに深い関わりがあり

生成プロセスや運搬プロセス、

調整プロセスにおいて支え合っています。

お互いが無くてはならない関係なのです。

 

東洋医学の根本である整体観では

人間は自然の一部であり

体内にも自然界と同じ構造がある

と考えています。

 

なので身体の中をイメージするのには

自然界で起こる様々な事象を眺めるのが

良いかもしれません。

 

太陽エネルギーが海を温め

雲を作り雨を降らせる。

気温差で風が吹き、種が飛ばされる。

大地の養分が芽吹きを助け

育った植物が動物を養う。

 

時がくれば命は尽きて

やがて土に還り、土を肥やす。

互いに関わり合って

巡っていることが分かりますね。

 

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自然界も人間の身体も

個々の要素の量と動きがちょうど良く

しかもお互いが時々に合わせて

調和していることが大事。

 

変化に応じてそれぞれが

ちょうど良く変化することで

全てが良好に向かっていきます。

これが自然治癒力ですね。

 

反対にどこか一部分に不具合が生じれば

その影響は全体に及びます。

地球温暖化も人体の病気も

何かのどこかの変化が

全体に影響した結果なのでしょう。

 

気を巡らす気功体操はもちろん

血や津液の巡りも促します。

無理なく動きながら

その時々のちょうど良いを実感しつつ

全体として調和した状態を目指します。

 

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参考文献;『東洋医学 基本としくみ』(仙頭正四郎 監修/西東社)