ご存知の通り、私はSFCで経営学の研究をしていました。
生物学における生物の生き残り戦略や共生ネットワークの構築モデルが、経営学における企業の生き残り戦略、経営の安定化に新しい示唆を与えるのではないかという論文を書きました。よって、生物学ならではの「共生」「寿命」「生態系」「ネットワーク」をキーワードにして研究していました。(同時並行で、人材育成・キャリアの研究もして、教材も作っていました。今思えば、論文にすればよかった・・・。)

生物学のロジックを用いて経営学を体系的に説明する論文は当時は珍しかったらしく、色々な議論ができたのが楽しかったです。

人材育成、教育.経営・・・これらを学んだのでもちろん、実践してみたいという気持ちもあり実際に起業しましたが、そこで学んだことは「言うは易し、行うは難し」ということです。

文句を言うのは簡単。言えばいいのですから。そして、今まで考えられなかった視点から文句を言うことは、一見、優秀そうに見えます。ちょこっと勉強すれば、勉強した理論からの剥離についてアカデミカルな視点から、いくらでも言えるものです。言っている自分が気持よくなり、俗に言う「評論家」になる人が多いのですが人事コンサルの方に言わせると「評論家」が最も生産性が低く、求められない人材だとか。

実際の会社の運営は、理論通りに行くはずがありません。理論通りに行ったら、経営学者は皆、金持ちです。

行うって、行動に移し、しかも成功させるってとても難しいことなんですね。じゃぁ、何で学ぶのか?そもそも経営学という考え方があるのか?ということになります。

実際に起業しても役に立たないと、言うわけではありません。「役に立たない」と気づくことが重要なのだと思います。

ただ、暗中模索をしながら、全く0から考えるよりも今までの先人の肩の上で議論する方が、もちろん良いわけです。時間も労力も削減できますし。

学問の意味というものは、そう言うものではないでしょうか。

僕は、今、一緒に働いてくれている人たちに、せめて自分が実感したことを伝えたいし、
GGCという場を使って感じとってくれればと思う。学問と実践の狭間で悩んでもらえればと思う。

悩め、少年少女!