春日大社は藤原氏の氏神。前出の吉田神社の勧請元でもあります。そのせいか吉田神社とよく似た造り。というか吉田神社が春日大社に似ています。鹿男あおによしですっかり奈良ブームが起きるかと思いきやそれほどでもないようですが、奈良といえば鹿というのは実は春日大社によるものです。藤原氏が守護神とする鹿島神宮の御祭神武甕槌命が鹿島から奈良へいらっしゃるとき白い鹿にのってきたそうです。そのため奈良では鹿を神聖視し大切に保護してきたのです。いまでも鹿は我が物顔で奈良公園を歩き回っています。初めて奈良へ訪れたのは実は15年ほど前。当時奈良に本社がある会社に勤めていたので何度か出張で。その時鹿が我が物顔で歩いているのをみて非常に興奮したことを覚えています。インドに行ったとき野良牛がいるのをみて衝撃を受けたのと同じ感じ。日本もアジアなんだと。初めての奈良は東大寺の大仏殿だけだったのですがあれ以来10回以上奈良を訪れました。当時は何故鹿なのかと思っていましたが物事にはきちんと理由があります。しかし何故鹿島神社からやってきたのか。こればっかりは分かりません。藤原氏の元が常陸にあるのでしょうか?色々と想像はふくらみます。さて広大な敷地は見所が満載。さすが日本を長年支配した藤原氏の総氏神様だけのことはあります。ゆっくりと見て回りたいです。
春日鳥居
春日拝殿
春日鹿
春日朱印
<春日大社>
社格:延喜式名神大社、二十二社、官幣大社、勅祭社、別表神社
御祭神:武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神
創建:神護景雲2年(768年)
例大祭:3月13日
様式:春日造り
住所:奈良県奈良市春日野町160
電話:0742-22-7788
何年か前に初めて飛鳥を訪れた際、恥ずかしながら石舞台と高松塚古墳くらいしか知りませんでした。大和八木の旅館に泊まって朝飛鳥へ向かう前に何気なく立ち寄ったのが橿原神宮との出会いでした。橿原という地名も読み方も知りませんでした。神宮だから立派なんだろうとは思ってましたが、鳥居をみてまずびっくり。でかいです。境内を歩いてしばらくして門をくぐると左手に巨大な拝殿が見えてきます。畝傍山をバックにそびえる姿は圧巻という他はありません。こちらも平安神宮と同じく明治時代の創建。初代天皇である神武天皇をお祀りしています。神武天皇をお祀りしている神社といえば宮崎神宮に狭野神社などいくつか訪れましたが、ここ橿原神宮が一番ふさわしい気がします。新しいはずなのに昔からあるような気がするのは自分だけではないと思います。平安神宮と同じ時期に創建されたのですがこの違いは何なのでしょうか。近くには橿原考古学研究所附属博物館もあります。大和の歴史に興味がある方は必見です。
橿原鳥居
橿原拝殿
橿原朱印
<橿原神宮>
社格:官幣大社、勅祭社、別表神社
御祭神:神武天皇、
創建:明治23年(1890年)
例大祭:2月11日
様式:入母屋造り
住所:奈良県橿原市久米町934番地
電話:0744-22-3271
小学校は静岡。中学校は東京と日光。高校は飛騨高山。これが自分の修学旅行の行き先です。普通は一度くらい京都奈良が入るものだと思いますが残念無念。そんなわけで初めての京都は家族旅行でした。多分中学生だったと思いますが金閣寺、清水寺、三十三間堂、平等院そして平安神宮へ行きました。それ以来、何度も京都へ訪れて何度も鳥居は見上げたのですが本当に久しぶりの平安神宮。神社っていうのは基本的に古くて由緒正しいというのが一般的な認識でしょう。そして立派な神社であればなおさらのこと。しかしそうじゃない場合が結構あります。有名なところでは明治神宮、靖国神社、橿原神宮、宮崎神宮等。そして平安神宮もまた明治の創建です。明治28年に平安遷都1100年を記念して桓武天皇を祭ったのが始まり。まだ百年あまりの若い神社です。明治政府が威信をかけて造った神宮はどれも巨大な印象がありますが中でも平安神宮は極めつけ。鳥居ももちろんですが、大極殿を模した拝殿は圧倒的な存在感。これでも八分の五のサイズだというので平安京の壮大さが忍ばれます。こちらも桜の名所。大鳥居向かいのセブンイレブンでは店の外で行楽弁当を並べていました。
平安鳥居
平安拝殿
平安朱印
<平安神宮>
社格:官幣大社、勅祭社、別表神社
御祭神:桓武天皇、孝明天皇
創建:明治28年(1895年)
例大祭:4月15日
様式:七間社流造
住所:京都府京都市左京区岡崎西天王町97
電話:075-761-0221
古来大和民族は四季を愛で歌い歴史をはぐくんできました。そんな日本の誇る京都はおそらく世界一四季の美しい場所でしょう。そして桜の咲き誇る春こそ京都が京都らしくある季節なのです。等々と前置きが長くなりましたが京都の桜はまもなく盛りを迎えます。桜の名所といえばいくらもあるでしょうが京都市民の憩いの場円山公園の桜は東京でいうところの上野公園の様な感じでしょうか。三分咲きの桜ながら週末土曜ということで大勢の人たちが花見を楽しんでいました。思えば桜の季節に京都に来るのは初めてです。基本的に混雑しているところが嫌いなのでこの時期はあえて外してきました。明らかに通常より人が多いです。しかしポイントをずらせばそれほど気にならないですし、円山公園の混雑は賑やかで意外に楽しむことができました。八坂神社の御祭神は素戔嗚尊。はじめにご紹介した津島神社と同じです。他には大宮の氷川神社や東京の一宮小野神社等でも祭られています。明治以前は祇園社と呼ばれていました。祇園精舎の守護神である牛頭天王と習合されたからですが廃仏毀釈により八坂神社となりました。いつ訪れても良いですがやはり桜の季節は格別です。たまたま花嫁行列に出くわしましたがいと雅でした。
八坂拝殿
円山公園桜
八坂朱印
<八坂神社>
社格:二十二社、官幣大社、別表神社
御祭神:素戔嗚尊、櫛稲田姫命、八柱御子神
創建:斉明天皇2年(656年)
例大祭:6月15日
様式:春日造り
住所:京都市東山区祇園町北側625番地
電話:075-561-6155
鴨川ホルモーを読んで以来憧れの神社でした。京都には何度となく訪れているのですが吉田神社というのがどこにあるのか知りませんでした。初めて訪れた吉田神社はたいそう良かったです。出町柳から百万遍、そして京都大学を抜けて吉田山へ。ホルモーの儀式の行われたという吉田神社の境内は思いの外狭いのですが、山全体が神域という感じがして清々しい気持ちになりました。藤原山蔭の創建ということで、御祭神は春日から迎えた四柱の神々。平安京における藤原氏の氏神さんです。式内社ではありませんがこれだけ立派な神社にもかかわらず観光的にはルートから外れているためかそれほど知られていないようです。万城目人気でもう少し混んでいるかと思ったのですが空いていました。ゆっくりみられたので自分的には良かったですが。場所柄、京都大学の合格祈願の絵馬が沢山飾ってありました。吉田神社に合格祈願をすると必ず落ちるという都市伝説があるようです。そんなことはないです。受験生のみなさん吉田神社にお参りしましょう。
吉田鳥居吉田拝殿
吉田朱印
<吉田神社>
社格:官弊中社、二十二社
御祭神:健御賀豆智命、伊波比主命、天之子八根命、比売神
創建:貞観元年(859年)
例大祭:4月18日
様式:春日造り
住所:京都府京都市左京区吉田神楽岡町30
電話:075-771-3788

花園神社は古来新宿の総鎮守。創建年代は不明ですが家康が江戸に入った頃には鎮座して板ということです。吉野から勧請されたと伝えられています。私にとっての花園神社は酉の市につきます。もう何年も花園神社で熊手を購入しています。酉の市の人出はすごいものがあります。毎年11月に入るとそわそわしてきます。毎年決まって高校時代の友人と一緒にやってきます。昔はよく新宿に来たものですが最近は渋谷が中心の生活。思えば花園神社へ来るのも去年の酉の市以来。めっきり暖かくなったので境内の桜はしっかりと花が開いていました。酉の市をやっているので御祭神は大鳥様、すなわち日本武尊。ところが本来は花園神社はお稲荷様。倉稲魂神(うがのみたまのかみ)が御祭神だったところに、昭和40年に末社の大鳥神社が合祀されました。尾張藩下屋敷の一部に建っているということで尾張藩の崇敬が非常に篤かったようです。本殿は東を向いており新宿駅は神社の裏に当たります。その神社裏には昭和を色濃く残したゴールデン街が広がっています。ゴールデン街はまさに花園神社と共にあるんですね。
花園拝殿花園桜
花園朱印
<花園神社>
社格:郷社
御祭神:倉稲魂命、日本武尊、受持神
創建:不明
例大祭:5月28日前後
様式:流造
住所:東京都新宿区新宿5-17-3
電話:03-3209-5265

伊豆の国というとどうしても伊豆半島の下田だとかを思い浮かべますが、一宮は三嶋にあります。三嶋といえば知る人ぞ知る鰻の町。市内で鰻を頂いた後三嶋大社へ向かいます。静岡は本当に気候が穏やかで過ごしやすそう。住んでいる人たちもそのせいか優しい気がします。御祭神は大山祇命と事代主神。もともと大山祇命が御祭神だったのですが明治の初期に事代主神に変えられました。戦後、大山祇命が再び加えられて以来二柱の神様をお祭りしています。大山祇命といえば大山祇神社。三嶋の地名ももしかしたら大三島から来ているのかも知れません。御朱印もシンプルで潔いです。東京から来るまで1時間半余り。伊豆に遊びに行く際は是非ともお参りすると良いと思います。
三嶋大社三嶋大社朱印
<三嶋大社>
社格:伊豆国一宮、延喜式名神大社、旧官弊大社
御祭神:大山祇命、積羽八重事代主神
創建:不明
例大祭:8月16日
様式:三間社流造
住所:静岡県三島市大宮町2-1-5
電話:055-975-0172
という街に初めて足を踏み入れたのは小学6年生の春休み。今は亡き祖父母と小学校の卒業旅行でした。広島~小倉~日向というルート。当時はなんだか地味だなあと思いましたが今思うと絶妙なチョイスですね。祖父のセンスを感じます。広島の原爆資料館なんかを見学した後、瀬戸内海の島に宿泊するとのこと。広島といえば宮島だと思いきや泊まったのは能美島。そのとき食べた牡蠣フライは絶品。それまで牡蠣が嫌いだったしにせ少年は目から鱗。しかし子供ながらに厳島神社に行きたいと思ったのを強烈に覚えています。あれから四半世紀。厳島神社は五回目かな。いつものように宮島口からフェリーに乗って宮島へ。JRと広電の2社が運航していますが何故かいつもJRに乗ってます。鳥居を眺めながら宮島に。駅舎(?)を出ると鹿が出迎えてくれます。鹿といえば宮島と奈良と鹿島。何かしらつながっているんでしょう。今回は満潮だったので鳥居は海の中。干潮だと歩いていけます。本殿以外にもいくつか神社があります。大國主さんや天神様
など多くの神様たちが宮島にはいらっしゃります。さすがに世界遺産。朝一番にきたのですが団体さんが大勢来てました。今回も時間の都合で弥山に登れませんでした。それは次回のお楽しみに。宮島口に戻っていつものようにうえのであなごめしを頂きました。
厳島鳥居厳島神社
厳島朱印
<厳島神社>
社格:安芸国一宮、延喜式名神大社、旧国弊中社
御祭神:市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命
創建:593年
例大祭:旧暦6月17日
様式:両流造
住所:広島県廿日市市宮島町1-1
電話:0829-44-2020
芸予諸島の中程に位置する大三島に鎮座する大山祇神社。日本総鎮守として日本民族を守り続けています。しまなみ海道が整備されてぐっと近くなりました。尾道から近いのですが行政上は愛媛県。伊予国の一宮でもあります。三島水軍や武士たちの信仰を集めただけあって見事な甲冑のコレクションも見物です。瓊瓊杵尊に嫁いだ木花開耶姫の父神にあたる大山祇神が御祭神。境内を歩いていると研ぎ澄まされた空気が肌に刺さるよう。神紋の三という文字が波打っていて海の神社だということを知らせてくれます。それにしても大山祇神社が日本の総鎮守だと知っている日本人がどれほどいるのか。日本に住むならば一度はお参りに訪れてみては。
おおやまつみおおやまつみしゅいん
<大山祇神社>
社格:伊予国一宮、延喜式名神大社、旧国弊大社
御祭神:大山積神
創建:594年
例大祭:旧暦4月22日
様式:三間社流造
住所:愛媛県越智郡大三島町宮浦3327
電話:0897-82-0032
尾張出身の自分としては三河は近くて遠い存在。子供の頃はいとこが豊橋に住んでいたので休みになると遊びに行ってましたが、ここ25年訪れることがありませんでした。四半世紀ですね。人生はあったいう間です。ところで、愛知県には豊(とよ)がつく地名がとても多いです。豊橋、豊川、豊田に豊明。豊というのは美しいという接頭語だそうですが、豊の国(大分県)との関わりも何かあるような気がしてなりません。そのあたりはいつか解明したいです。さて三河は豊川にある砥鹿神社。一宮です。勇猛果敢な三河武士が尊崇しただけあって大変な力強さを持っています。屋根が葺き替えられたばかりでとてもきれいですが、何年かしたらぐっと味が出てくるでしょう。本殿の祭神は大己貴命ですが、二宮が事代主命で三宮は建御名方命です。諏訪大社との繋がりは距離的にも近いですし興味深いです。今日は天気もよかったので沢山の人が参拝していました。地元の方々にとても親しまれているようです。久しぶりの三河は時間がなかったので駆け足でしたが今度はゆっくり飯田線の旅でもしてみたいです。
とがじんじゃとがしゅいん
<砥鹿神社>
社格:三河国一宮、延喜式小社、旧国弊小社
御祭神:大己貴命
創建:大宝年間
例大祭:5月4日
様式:流造
住所:〒441-1231 愛知県宝飯郡一宮町一宮西垣内2
電話:0533-93-2001
最寄り駅:JR三河一宮駅