鬼のような造形。
S.H.Figuarts 仮面ライダー響鬼 レビュー
「S.H.フィギュアーツ 仮面ライダー響鬼 」
「仮面ライダー響鬼」より、おっさんライダーこと細川茂樹氏の演じる主人公・ヒビキさんが変身する仮面ライダー響鬼(ひびき)です。
それまでの平成ライダーとは一味違った作風を放つこの作品は「鬼」や「妖怪」など、日本伝奇を取り入れた世界観となっており、登場する音撃戦士(ライダー)たちも”和”をモチーフとしたデザインになっているのが特徴。
「ライダー」ではなく「音撃戦士」と呼ばれる鬼の戦士たちが「魔化魍(まかもう)」と呼ばれる妖怪の類である怪人たちと戦う。
待望のSHF化となったこの響鬼ですが、リニューアルカブトと同様の「真骨彫製法」にて商品化。カブト同様アナログ・デジタルの手法によりアクターの骨格により近づけたプロポーション・スーツ造形という洗練された作りに。
本体は全塗装により再現。さすがに番組中のようなマジョーラ塗装とまではいかないものの、重厚な塗装により、雰囲気も抜群に良くなっています。
もしマジョーラなら一体おいくらになっていたやら・・・ そのうちイベント限定か何かで出そうですが。
響鬼の設定として変身時は「肉体が変化する」解釈となっているため着ぐるみ感が出ないよう、スーツには筋肉のディテール、手首もグローブらしく見えないよう爪やしわの造形をつけられていました。
今回のSHF化にあたってはそのスーツの雰囲気を崩すことなく、演じたスーツアクターの伊藤慎氏の骨格を元に、かつフィギュアらしく肉体造形にこだわり自然なラインを実現。
”和”をモチーフにしたとありボディには「タスキ」や「フンドシ」のディテールが組み込まれています。 鬼モチーフとなった顔もこれまでの「仮面ライダー」像を破るような異形のデザインに。仮面ライダーアマゾンのような異質な存在感を放ちます。
頭部はクリアー素材などは使用されていないものの、グラデーション塗装によりスーツの質感を再現されています。
注目ポイントは腹部から太腿のライン、そしてこの男らしい引き締まった尻。 股関節の処理などは「どうやって動くんだ?」と発売前からずっと気になっておりました。
ボディカラーの紫は色を重ね濃淡がつき、まるで鏡面塗装のようなきれいなツヤを放つ豪華な仕上がりに。
可動。
肩は引き出すと連動して肩甲骨が可動。ほんのわずかなため少々わかり辛いですが、これが肩の可動や自然な流れを生むのに大きく効果を出しています。
手首ジョイントは従来のような球型関節を使用(ただしジョイントの先はボール状でなく軸状)。カブトとは異なり自由に手首の向きを変えられます。カブトもこれでよかったのにw
気になっていた股関節の可動ですが、太腿上部がカバー状の別パーツになっており、これが動きに干渉させず、かつ綺麗なラインを生む秘密になっていました。(リボルテックのアイアンマンと近い構造でしょうか。) カブトなどと同じ軸関節なのですが、まるで引き出し式関節かと思うほどの可動域。開脚しても隙間が出ない作り。
付属品。
仕組みが異なるためカブトに付属していた手首ホルダーはありません。また、今回も小冊子が付いていました。
ベルト各部のパーツを差し替えることで音叉・ディスクホルダー・音撃棒を取り付け可能。使用時・収納時に合わせた組み合わせができます。
和というだけあってスタイリッシュな機械的なアタッチメントではなく皮製のホルダーなのが渋いw
各アタッチメント取り付け状態。
「変身音叉 音角(へんしんおんさ おんかく)」及び「ディスクアニマル(3種)」は取り出した状態の者も付属し、手に持たせることができます。
ベルトのバックル部にあたる「音撃鼓 火炎鼓(おんげきこ かえんつづみ)」も取り外して持たせることができます。
取り付けにあたっては側面のジョイントで固定するため、取り外してもあからさまなダボ穴などがない自然な仕上がりに。もちろん裏面のディテールも再現。
「音撃棒 烈火(おんげきぼう れっか)」ももちろん付属。先端の「阿」「吽」の造形もしっかり再現。
さらに戦端を差し替えて炎エフェクトを取り付け可能。
いろいろと常識破りなこの響鬼ですが、変身もまた異質。「変身!」などの掛け声がないだけでなく、「音叉」を使って変身するため、響鬼をはじめとする音撃戦士たちは「ベルト」での変身ではありません。ベルトはあくまで「音撃打」発動時のアタッチメントとして機能。
せめて青い炎エフェクトの方がよかったかもしれませんが残念ながら非所持・・・^^;
改めてこのスタイルの良さに唸ってしまいます。
RAHやPBM!と見まごうような出来。このサイズにしてここまでできたことが驚きです。そしてこの響く尻。
「音撃棒・烈火!」
ちなみに響鬼撮影の逸話(?)として、劇場版の撮影中に火薬の位置調整を誤ったため、スーツアクター伊藤慎氏のお尻全体が火傷してしまったという裏話があったりします。(特殊素材のスーツなため伝熱が早かった)
「鍛えてますから!」
ヒビキさんの数々の言葉に救われる。
「音撃棒・爆裂強打っ!!」
持っててよかったみんなのアドベント。・・・ちょいと小さいですがw
こちらもみんなのアドベントにあったディスクアニマル・アカネタカ。
真骨彫製法のカブトとご一緒に。
同じ製法だから素体も流用で・・・ではなくまったくの新規造形。ボディラインがそれぞれ異なるのが確認できます。
さぁ、響鬼発売により平成10人ライダーも残すところあと一人!
もうさっさと出しちゃえよ!と言いたいですがあと何年引っ張るやら・・・(笑) でもあいつの装着変身は持ってるんですけどね。
ここまでくると製法が違うとはいえシリーズ初期のものと並べるのはいよいよキツいレベルに(笑)
ディケイドやディエンドってこんなしっちゃかめっちゃかなプロポーションだった!?w
「行くよ、少年君。」
「はい!!」
変身すると背まで伸びるディケイド版のアスム君。肉体変化だからまぁアリなのか。 ・・・あの子も大きくなったろうなぁ(しみじみ
劇中により近いプロポーションと動かしても崩れないシルエットを両立させた真骨彫版SHF。第2弾にしてここまでの完成度を持ってきました。
「鍛えてますから!」の言葉を裏切らない肉体造形の美しさ・濃淡をつけ極力劇中イメ-ジに近づくよう工夫された塗装による質感など、約1/12スケールほどのアクションフィギュアにここまでのホンモノ感を与えるとは驚くばかりです。
中でもやはり肩甲骨の可動ギミックや美尻造形(笑)、股関節の処理が素晴らしい。いまだにあんなに動かせたのが不思議なくらいです。
付属品も充実。小物類の造形はもちろん差し替えによる各状態の再現、取り外したバックルの自然さやエフェクトによるプレイバリューも豊富。これはカブト以上かもしれません。
ここまでされると値段にも納得してしまいます(笑)
これで鬼火や他武装もあれば・・・と思うところですが、果たして。響鬼紅はともかく装甲響鬼が商品化する際もぜひ真骨彫でお願いしたいものです。