環境破壊とウイルス【時事所感58】
この新型コロナウイルスをはじめ、
遡ればAIDSやエボラ、SARSやMARSといった近年新たなウイルス感染が数年毎に発生しています。
何故こうした現象が近年続けて起こるのか?
実は前々から新たなウイルスの出現については
警鐘が鳴らされていました。
世界各地そして地球全体規模の環境破壊が進むことによって、
新たなウイルスが次々と現れるということ。
実際に新しいウイルスが環境破壊の進む場所で
次々と発見されているのです。
そして将来、毒性が強い、感染力の高い人類にとって脅威となる
未知のウイルスが出現する可能性が指摘されています。
前回の随筆所感のなかでも紹介した
テレビ放送の番組内でもこれに関して触れられていました。
何故、環境破壊が進行すると新たなウイルスが現れるのか。
ひとつはアフリカなど世界各地の広大な山岳地帯や森林地域の開発によって、
森林や土壌深くに埋もれていた未知のウイルスが、
その地域に生息する動物や昆虫など野生生物を介して、
家畜そして人にウイルス感染が生じるため。
もうひとつは近年の地球温暖化によって、
氷河や永久凍土が溶け、
数万年も埋もれていた未知のウイルスが溶け流れ出し、
雨水や土砂で地表、海水に広がり出るためです。
実際に永久凍土が溶け、地表に現れた土壌からは、
有害無害に関係なく新しく発見されるウイルスが沢山あるそうです。
科学技術や学術研究の発展、
開拓による都市開発や
世界全体を繋ぐ交通網の発達による恩恵によって、
我々の生活が豊かで便利になる一方、
地球全体規模の環境破壊が進むにつれ、
異常気象や自然災害が頻発するなか、
更に近年立て続けて世界各地で発生するウイルス感染被害、
これらは何を物語っているのか。
問題の根本について考え、改善に取り組まなければ、
私達のそして子供達や孫の世代に暗い未来を残してしまうように思われます。
現代風にいえば、現代人の環境破壊が、災害やウイルスといったブーメランになって私達のところに戻ってきたということでしょう。
ウイルス感染と選挙【時事所感57】
今、日本をはじめ世界中で深刻な問題となっている新型コロナウイルス。
このコロナウイルスについて調べてみると、
学術研究上のウイルスの分類のコロナ亜科からきていて、
以前世界各地で猛威を振るったSARSやMARSといったウイルスもこのコロナ亜科ウイルスに分類されるそうです。
このコロナという名称、
電子顕微鏡によるウイルスの形が太陽コロナや樹冠に似ていることから、
ラテン語やギリシャ語による名称をとっているそうです。
ウイルスについて思い出されることがあります。
もう何年も前の話ですが、
テレビ番組で『MEGA CRISIS 巨大危機』という連続シリーズがあり、
巨大地震等様々なテーマを取り扱っていて、
そのなかに「大感染時代」というウイルス感染症との闘いについての放送回もありました。
この放送内容が現在のコロナ禍を実に予言しているような内容でした。
感染力も毒性も強いウイルスの感染者が首都圏で発生したと仮定し、
何が起きるのか想定される出来事を放送していました。
瞬く間に首都圏から各大都市圏、地方各地へ感染が拡大し、
流通網に影響、店頭に並ぶ商品が消え始める。
地方自治体からは緊急事態宣言が出され、
街から人々の姿が消える。
日本だけに留まらず、発達した現代交通網により、
世界各地へウイルス感染が急速に拡大、
地球全体がウイルス感染で覆われて、
甚大な被害が出てしまう。
スタジオに研究者を招き、感染拡大の抑止策や法整備がまだ不十分な点などが指摘されていました。
まるで近い将来を予見していたかのような内容で、
こうしたことが何年も前の放送で警鐘されていたにもかかわらず、
現実に起きてしまっている。
人類の歴史を振り返ってみれば、
長い歴史のなかで古来から続いている人類にとっての三大害悪といわれているのが、
戦争、
気候変動や自然災害等からの飢餓、
そして伝染病・感染症等の疫病、
これらの三つなのです。
科学技術や学術研究の発展、公衆衛生の発達により、
人類は伝染病や感染症など疫病との闘いに打ち勝ち、克服したかのように感じるものの、
実際には近年のエボラや鳥インフルエンザ、そして現在の新型コロナウイルスの感染拡大など起きてしまっている。
人類のウイルス感染症などの疫病との闘いは今もなお続いていて、
克服してはいないのです。
こうしたウイルス等感染症対策について専門家の警鐘が何年も前から出されていても、
それに対して少しでも耳を傾け取り組んでいた政治家がどれくらいいたのでしょう。
私達自身についても反省は必要かと思います。
各分野の専門家やスペシャリストを政治家に選ぶ傾向があるなか、
それが全て悪いとは申しません。
しかしながらデメリットは否めない。
例えば経済や金融のスペシャリスト、その道の専門家が選挙で選ばれてもよいが、
逆にいえば、国防や教育問題、医療問題など他の分野については専門外であって、
そうした人物が国会議員として選ばれれば、
専門外分野に関した政策決定が必要な際、
誤った政策がなされる危険性もあることは理解しておかなくてはなりません。
必要なのは、我々選挙民が政治家を選ぶときには、
広く見渡せるバランス感覚と見識を持ち合わせた、ゼネラルな人物を選ぶべきではないでしょうか。
戦争発言とイージス【時事所感56】
ニュース等メディアでよく見聞きするようになった「イージス」。
イージス艦、イージス迎撃システムなどの言葉を知っている方も随分多くなったのではないかと思います。
「イージス」、元はギリシャ神話に出てくる女神アテナが用いている盾や胸当ての名前で、防御用具としてだけでなく、邪悪な厄を祓うような役割もあるそうです。
今回お話するのはギリシャ神話ではなく、
ニュースで出てくるイージス、
イージス迎撃システムとこれに関連した話について。
このイージス迎撃システムの陸上用、イージス・アショアは現在秋田県と山口県の自衛隊敷地内配備が検討されていて、日本列島の大半をカバーするようになります。
最近ニュースになった国有地におけるイージス・アショアの配備候補地選定において、
候補地周囲の山地等システム運用上の障害の有無についてデータの計算ミスが報道で伝わっています。
このイージス・システムのミサイル迎撃について簡潔に説明すると、
我が国に向けて発射されたミサイルをレーダーで感知捕捉して追尾分析のうえ、着弾する前に迎撃ミサイルで撃墜するというものです。
例えの話でいえば、
我が国日本に向けて北朝鮮からミサイルが発射されたとして、
飛行高度が高くなると迎撃が困難であること、
それとミサイルや弾頭が分離するとレーダーで捕捉追跡する対象の物体数が多く、迎撃対象物体の分析(危険性の有無等)に時間を要するため、
より早く迎撃できるように日本海側各地にイージス迎撃ミサイルが配備されるのはこのためです。
更に例を述べると、同盟国アメリカに向けて北朝鮮や中国からミサイルが発射されたとして、
大陸間弾道ミサイルICBMが大気圏外へ出てしまう前、発射直後に迎撃したいため、
日本列島や周辺海域にイージス迎撃システムやイージス艦が配備されるのはその役割もあるのです。
因みに同じ具体例をあげれば、
東欧諸国に米国の迎撃システムが配備されているのは、欧州諸国とロシアの関係性もありますが、
核保有国として問題視され米国と対立関係にあるイランから、仮にミサイル発射があるとしたら、
米国とイランを直線でミサイル軌道を調べると東欧諸国の上空近辺を飛行するからです。
この点を理解してもらったうえで、
日本の北方領土返還問題に関連した話をすれば、
仮に北朝鮮から米国へ向けてミサイル発射が起きたとき、
北海道や北方領土、近辺海域はこのミサイル軌道に近いため、高高度を迎撃可能なSM3ミサイルなどであればイージス迎撃として好適な場所なのです。
ロシアが北方領土を日本に返還するとなれば、
北方領土や周辺海域に自衛隊だけでなく在日米軍が展開することもあるわけで、
ロシアに直接的マイナス面がなかったに
としても、
日本・米国と北朝鮮の対立、軍事的衝突があったとき、北方領土返還の米国のプラス面を考えれば、
わざわざ米国の手助けになる選択、
ロシアの北方領土返還というのは難しいわけです。
北方領土問題についてさらに補足して述べると、
ロシアにとっては、旧ソビエト連邦時代からも
不凍港や不凍海域はとても重要な問題で、
北方領土は南下政策が重要なロシアにとって
簡単には手離せない地域なのです。
日本とロシアの間で長い時間をかけて積み上げてきた北方領土交渉、
現大統領のプーチン氏が比較的親日であることは日本にとって好条件であり、交渉を前進させて返還実現を成し遂げたいことを考えれば、
戦争発言は思慮に欠け、ましてや現役国会議員の発言として失言極まりないものであります。
防御や厄祓いどころか、現役国会議員のなかに厄がいたと言ってもいいほどの話だと思います。


