多事争論(時事所感) -36ページ目

米国は保守か、革新か?【時事所感67】


メディアや言論界の発言を目にして、

疑問に感じる点について。


「親米保守」

「親米保守派」

 

この言葉に違和感を抱きます。






一見何でも無いように思うけれども、

厳密に正確に理解しようとすると、

誤りであることに気付きます。





保守主義や保守的思想において、親米保守はありえるのか?



そもそもアメリカ合衆国(米国)は保守国家なのか、

それとも革新国家か?





結論から先に述べますと、


答えは革新です。

米国は保守の国家ではありません。



米国と旧ソビエト連邦(現在のロシア連邦)の東西冷戦時代を御存知の世代の方々には疑問符が付くでしょう。


当時、テレビや新聞、言論界などは、

東側と呼ばれたソビエト連邦等の社会主義体制は革新思想、

西側の米国や欧州等資本主義体制は保守思想として扱っていました。


現在もその見識が継続して、

米国は保守側国家として見なされていますが、

これははっきり申し上げて間違いです。


理由を述べますと、

米国建国の背景、そして米国の歴史をみれば判ります。


イギリス(英国)の伝統的慣習や価値観、宗教を含めた伝統や既存のやり方等保守的思想に抵抗反対した英国内の左派(反体制・革新派)のなかでも、特に過激的だった急進左派の一部が、

現在のアメリカ新大陸へ渡っていきました。


新大陸に入植すると、

古からの原住民インディアン達を次々と殺戮・奴隷にして、

New England colony 植民地を各地へ拡大して増やしていきます。



これがアメリカ建国のきっかけです。


後に本国英国との対立から独立運動が起こり、

反体制、革新思想の強い大陸入植者達であるが故に、

独立戦争へと進んでいくのも必然だったのです。








話が長くなるので割愛しますが、

興味のある方々は、米国が保守思想ではないという視点で米国建国の道程を辿り、

調べていくと米国の検証ができるでしょう。


米国は歴史が短く、無歴史に等しいほどで、

更に英国の保守思想に異議を唱え、反体制・革新思想を持った人々が新大陸へ渡り、

建国した米国なので、

保守思想は色薄く持ち合わせていないに等しいのです。



セクト主義とは言わないまでも、

左翼的反体制思想をベースに、

他党派や他宗派などを排除する傾向が強く、

自らの絶対的正当性を強く主張する特徴も米国には色濃い。

故に寛容さが薄い分、自らが正義であり、

対立相手は悪という構図、傾向が屢々みられるのはこのためです。





補足すれば、欧州の国々は長い歴史のなかで、

民族対立や領土紛争、宗教戦争や2度に渡る大戦等の苦い経験から、

領土や国家間の諸問題等の過度な主張は良くない、

紛争や対立を回避するための努力を積み重ねてきたゆえに、

現在は好戦的な国家は見当たりません。


一方の米国は、世界各地に米軍基地を持ち、空母等艦船を派遣・展開させることで世界全域に軍事力を誇示し、

朝鮮戦争、ベトナム戦争をはじめ、

アフリカ大陸や中東地域にも米軍を派遣・参戦。

そして現在は中国との覇権争いで大規模な軍事演習を行う程、

現代の歴史だけを顧みても米国は群を抜いて、

これほど好戦的な国家はありません。



話せば長くなるので、

米国については何回かに分けて解説しましょう。














hegemony battle in space【時事所感66】





国際宇宙ステーション(I.S.S.)の動画を我が子に見せていた際、気に掛かったことがあります。

I.S.S.内の動画で、各モジュールの連結出入口に滞在した宇宙飛行士の国旗のワッペンかステッカーが貼られているのですが、
ある宇宙開発大国の国旗がないことを思い出しました。


そう、中国です。



宇宙開発競争では、かつて米国とソビエト連邦がロケット(ミサイル技術)や衛星打ち上げ(軍事GPS、探査衛星、通信等)を推し進めていたことが、
現在は米国と中国にとって変わり、宇宙空間により拡がりをもって更なる覇権争いがこれから様々な形で起こり続けるだろう、
という懸念です。




先日、新聞朝刊一面に載った記事

「月探査に国際ルール」
 
(記事内容概要)
米国が主導して推し進めている有人月探査計画「アルテミス計画」において、月探査で得た資源利用などについて、
米国が国際ルールを提案。
この国際ルールでは
「宇宙活動の平和利用」
「他国活動への不干渉」
「自国の宇宙政策や科学情報の共有」
「宇宙滞在者の緊急時の相互援助」
等を規定している。

これに米国はじめ日本、カナダ、英国、イタリア、ルクセンブルク、オーストラリア、アラブ首長国連邦(U.A.E.)が賛同署名。
この「アルテミス合意」に法的拘束力はない。

宇宙条約においては、宇宙資源の探査や取り扱い、所有権などは定められていなかった。

米国は各国と協調して国際ルールを定めることで中国の宇宙開発を牽制する狙いがあるとみられる。

「アルテミス計画」では2024年には
月上空を周回する宇宙基地を国際協力を得て新たに建設。




この新聞記事に関連の話を補足すると、

中国は2003年、有人宇宙飛行の成功、
昨年2019年1月には難易度が高いといわれる月の裏側への月探査機着陸の成功を収めてはいるものの、最近はロケット打ち上げの失敗が続いているが、今年20年6月中国独自のGPS衛星「北斗」の打ち上げ、7月には火星探査機打ち上げに成功、米国に次ぐ火星への探査機の軟着陸を予定している。
宇宙開発においても中国はプレゼンスを高めています。

中国の習近平指導部は2030年には米国やロシアに次ぐ宇宙強国になる目標を掲げていて、
米国を牽制するかのように、2019年月探査について協力する協定をロシアと締結。

2022年を目処に中国独自の宇宙ステーションを
完成させて宇宙長期滞在を可能にし、2030年以降には有人月探査の宇宙船打ち上げ、2045年には火星を有人探査する構想等を中国メディアが伝えています。



(写真)中国海南島から火星探査機「天問1号」を搭載したロケット「長征5号」の打ち上げに成功






こうした一連の流れをみていると、
かつての米ソ冷戦期の核開発、
ミサイル技術の進歩、
大陸間弾道ミサイル破壊のための米国レーガン政権下の「スターウォーズ計画」、
これに対抗するソ連の宇宙衛星破壊構想等、
無限にエスカレートするイタチごっこの様を思い起こします。

米ソ冷戦期の核の恐怖に怯えるような事態にはならないことを願うばかりです。




STARWARS(スターウォーズ)ではなく、

hegemony battle in space


映画ではなく現実に始まっている宇宙覇権争いです。








大統領が替わろうとも【時事所感65】

現職大統領の共和党ドナルド・トランプ氏とオバマ政権下で副大統領の民主党ジョー・バイデン氏の争いになった米国大統領選挙。

トランプ陣営から不正投票疑惑の申し立てで、
法廷闘争に持ち込む動きがみられるなか、
現在の開票結果から、バイデン氏が新大統領就任というような動きになっています。






米国大統領選挙については世界各国そして日本でも連日各種メディアが取り上げています。

私達日本側にとっての関心も、
トランプの米国からバイデン米国へ変わると、
自国にどういう影響があるのか、
何が変わり、変わらないのか、ということです。

私達の暮らしに直接影響するような経済や金融等の話は各分野の専門家に任せるとして、
かなり荒削りに簡単に話をしますが、
結論から先に申し上げれば、
日米関係の根本はあまり変わらない、ということです。


先ずはアメリカ合衆国という国がどういう国なのか、ということを知ることが重要になります。

キーワードのようなものを思いつくだけでも、

・アヒストリカル(ahistrical)無歴史
・歴代大統領
・米国の覇権主義と手法(軍事依存、米ドル基軸通貨、国連主導、)
・対日政策

次から時折お話ししていこうと考えています。