理解できない人は絶対に理解できないと思う ~『やりがいのある仕事』という幻想 | 日常の中の非日常

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タイトルを変えてみた。
仕事のことなんかも書いてみたり。

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)/朝日新聞出版

¥798
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某レビューを読んで購入。これもKindle版出てたんやなー。失敗したー。Kindleで買えばよかったー。

箇条書きにまとめたら、
・仕事にやりがいなんて求めてはいけない
・楽しめる仕事にめぐり逢えたらラッキーと考える。それを探すのは本末転倒
・仕事の意義や価値を決めるのは自分自身の考え方
って感じになるだろうか。

本文中に幾度と無く「身も蓋もない、と言われる」と書かれているが、まあ確かにそういう側面はある。

だけど、僕が感じたのは「森博嗣って優しいなぁ」ってことだ。こんなに丁寧に自分の考えをストレートに教えてくれる人はそうそういない。『第4章 仕事の悩みや不安に答える』では、こうしなさい、こうすべきだ、という言い方をしないところも、自分で決める余地を残しつつ、更にその人間に逃げ道を与えているところも、優しいと思う。

まあひょっとしたらそれが「冷たい」とかって思われるのかもしれないけど。

でもこれだけちゃんと向き合って答えてくれる人って、そうそういないよ。親身に、誠実に答えてる。そこが著者の優しさが出ているところだと感じた。

この辺の優しさって、ホリエモンにも相通じるところがあるように感じたんだよね。全然違う経歴の二人なんだけど、でもなんか似てるところを感じる。で、考えてみて思い当たったことがある。

多分、二人共他人にそんなに興味が無いんだ。もっと言うと、自分も含めて人間にそれほど興味を持っていないように感じる。人間が達成した物事やその結果として発生する成果や現象については大きな興味を持っていると感じるし、自分もそういうことをやりたい、と思ってるんだろうと感じるんだけど、人間そのものには興味が無いというか、関心が無いんじゃないかと思う。

だから、その人間が何をした方がいいのか、ってのを自分に置き換えて考えられるし、それを相手にも伝えられる。そうやって自分に置き換えて考えるってところが、優しさにつながってるんじゃないだろうか、なんてことを考えた。

僕の中でもまとまってないのを思いつきで書いてるだけなんで、かなり支離滅裂というか、まとまりを欠いている文章になってるな。。

僕の仕事に対するポリシーとして、『好きな事は仕事にしない』『可能な限り楽しめる仕事をやる』『面白い方を選択する』というのがあるんだが、その考えに近しいものがあり、僕自身は非常に楽しんで読めた。

ひょっとしたら、この本を読んで不愉快になる人はいるんじゃないかな、と思う。てか、ある世代以上の人は、そういう人が多いのかもしれない。

でも、多分自己犠牲を尊ぶ時代、仕事が生活の中心となった時代はもう終わりを告げている。それを明確に文章にしてくれている一冊だと思う。

まあ好き嫌いはあるだろうし、賛否両論あると思うが、僕はこの考えが好きだし、自分の考えにかなり近しいな、と思った。

好きな事を仕事にするって、ホンマに合う人と合わない人が明確に分かれると思うなぁ。


採点:4点(5点満点)
でも好きな事を仕事にしてやり続けられる人って、正直うらやましい。。