かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」 -72ページ目

私的 桃太郎伝説 24

「 そうだ、オレがこの軍団の頭だ。 」



犬は堂々と答えました。



「 俺に何か用か? 」



「 まあな。聞いた話だと、あんた鬼ヶ島に行くっていうじゃねえか。 」



「 ああ、行くよ。しかし、よくわかったな。誰に聞いたんだよ。 」



「 んなこたあ、どうでもいいさ。あんたは知らねえだろうが、実はオレたちも鬼ヶ島を目指していてね。 」



「 ほ~う。 」



「 とんだライバルの出現にオレも驚いたよ。しかも見てりゃあ、あんたは弱そうな猿とキジなんか連れていやがる。 」



「 敵情を偵察させるにはちょうどいいさ。 」



「 へん、しゃらくせえ。 」



「 で?結局、なにが言いたいんだよ。 」



「 ああ…つまりな、お宝を手に入れるのは、オレたちだけでいいってことさ! 」



(お宝を手に入れる…?犬がそんなもの手に入れてどうするってんだ…?)



桃太郎が訝しく思っていると、犬たちは頭の犬が甲高く吠えると同時に素早く左右に別れて桃太郎を包囲しようとしました。



(させるか!)



桃太郎は完全に包囲される前に真後ろに跳び、左右から来た犬の前に立ちふさがりました。



犬たちはギョッとして急停止し、桃太郎に向かって吠えたてましたが、桃太郎はお構いなしに近くにいる犬からどんどん捕まえて殴り飛ばし、捕まえて殴り飛ばし、蹴り飛ばしたりもして犬たちの統制を七縦八横に破りました。



群の後ろにいた数匹の犬は恐れをなして逃げてゆきました。



頭の犬は桃太郎の鬼神のような暴れっぷりを見て、ただただ唖然として突っ立っていました。