かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」 -69ページ目

官能小説「放課後の夜~土曜日~」九十

土曜日…。


良雄が苦しそうだ。


まるで着地する場所を見失った飛行機のようだ。


それでも必死で腰を動かしている。


(イけなくて困ってるんだね…。)


自分の体に覆い被さって頑張っている良雄の顔を、奈津子はうっすら目を開けて冷静に見つめた。


いつもなら、もうとっくに絶頂に達して奈津子の唇に甘えるように何度もキスをしているだろうに。


「 ああ!ダメだあ~。 」


良雄はとうとうイくのを諦めて奈津子から離れ、隣に仰向けに寝転んだ。


息を整え、やがて静かになった。


気まずい沈黙が流れる。


しばらくして良雄が重い口を開いた。


「 俺…先生が何を考えてるのかよくわからない。 」


「 どうして…? 」


「 ……。 」


話の接ぎ穂が見つからず、良雄は困った顔をして黙り込む。


「 波川くん… 」


奈津子が話をきりだすと、良雄は(助け舟か?)とすがるような目で奈津子を見る。


「 波川くんは、これからのことをどう思ってるの? 」


「 これからのこと…? 」


「 そう。波川くんは、これから大変な時期じゃない?受験も近いし…。 」


「 ……。 」


「 どう…思ってる? 」


「 ……何が言いたいの?先生…。 」


「 ……。 」


また気まずい沈黙が流れた。


(つらい。幼気(いたいけ)な男の子を、私は今から追い詰めようとしている…。)


けれども、全ては自分が蒔いた種だ。奈津子は波立つ心の動揺を懸命に押さえつける。


と、そこで良雄は意外な話をきりだした。


「 俺…達也に先生とのことを話しちゃったんだよね…。 」


「 えっ!? 」


奈津子は瞬時に色を失い、絶句した。