本日は、ヤン様の寄稿コラムです!
「なぜ財政赤字が必要なのか?」をヤン様が今回もわかりやすく論じられていらっしゃいます。一般庶民ならず、野党の議員達にも是非とも読んでいただきたい。
森友、加計で安倍を追い詰めると同時に、安倍移民党への対抗軸として、経済政策でも追い詰めるべし。
それではヤン様コラムをどうぞ!
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政府の黒字はろくな事になりゃしないっ!【ヤンの字雷】
プライマリーバランスが黒字化すると大変だ!
本日はテーマを絞っているために、短めの寄稿になるかと思います。
先日、ポルシェ万次郎さんのアイドル新党なでしこ! 完全版 第38話 首班指名の作中で語られた、政府の財政黒字=金融危機リスクの増大という話を、詳細に解説してみたいと思います。
前提条件として理解していなければならないのは、「誰かの負債=誰かの資産」という事実です。これは例えば、日本のありとあらゆる経済主体が負債を0にしたとしたら、ありとあらゆる資産も0になるという話になり、したがって貨幣も日銀にとっては負債だけれども、国民にとっては資産なのだからこれも0になる。つまり経済における取引も0になるという思考実験が可能です。つまりGDPも0になる。
これを少し仮定をかえて「経済規模(GDP)はそのまま」として考えてみますと、政府が負債を減らす、もしくは黒字化するということは、民間がその分の負債と赤字を請け負うという話になります。
しかし通常、民間はデフレや不況のときには負債を減らそうとするものです。とすると、「民間の負債が過剰に膨れ、政府の負債が縮小する」という現象はどのような時に起こるのか?いわゆるバブルと呼ばれる現象の時に起こるわけですから、「政府の黒字=民間の過剰負債=金融危機リスクの増大」という話になるわけです。
ただしですね・・・注意が必要なのですが、バブルが起こったから政府が黒字になるのであって、政府のプライマリーバランスを強制的に黒字にしたらバブルが起こるというわけではない事。
「政府を強制的に黒字にする」とすると、政府支出が減るか増税という話になり、全体の需要が縮小し、民間はさらに負債を減らそうとするのでデフレと経済縮小に一直線となるのです。
つまりバブルが起こって金融危機にいたり経済がダメージを受けるか、もしくは単に需要縮小を招いてデフレになるか。どちらにしても「政府の黒字」というのはろくなことがない。
このろくでもないことに血道を上げている現在の日本というのは、控えめにっても血迷っているとしか思えないわけですね。おそらく自殺したいんでしょう。巻き込まれる方はたまったものじゃありませんが(笑)
この問題を詳細に論じている記事がありまして、「お!この記事、すげーな。やるやん!」と思ったら、中野剛志さんの記事でした(笑)より詳しく見たい方は、下記のリンクをどうぞ。
「財政赤字の拡大」は政府が今やるべきことか 日本の20年にも及ぶ長期停滞の真因(東洋経済 中野剛志)
財政赤字は心配がないのか?
上記では「政府の黒字化はろくなことにならない!」と論じました。とするとろくなことにならないためには、政府は財政赤字を続けなければならないのか?という疑問が湧くことでしょう。基本的にはそのとおりです。
もっとも景気が良くなり、インフレが加速気味でバブルの兆候が出てきたら早めに増税や政府支出の縮小で、黒字化せざるを得ない場合もあるのですが。
ただしバブルという現象はほとんどは金融部門において起こるものです。ですので、金融規制、金融政策などで「そもそもバブルを発生させない」というような抑制政策は可能であると思われます。
さて、基本的には政府は赤字が正常であると書きました。これは「経済成長を続けたいならば」という前提条件がつきますけれども。
そして資本主義というのは「際限ない資本の投下によって、経済成長を続けるシステム」であり、その資本はどこから来るのか?というと「誰かの負債」から来るのです。
ではその負債を引き受けるのに、一番安心な経済主体はなにか?というと、当然ながら国家を差配する政府以上に大きな経済主体というのはないでしょう。
むしろ経済成長をしたいのならば、負債はどこかが引き受けなければならなくて、それを民間に押し付けるほうが「ヤバい」のは、誰しも直感的に理解できることでしょう。なにせ、通貨発行権を民間は持っていませんから。
※銀行における万年筆マネー、信用創造はややこしくなるのでちと脇において(笑)
プライマリーバランスの黒字化=民間に首をつれと言っている
ここまで論じてきたように、政府のプライマリーバランスの黒字化とは「経済縮小を目指す」or「民間に負債を押し付けて経済を不安定化させる」ことになります。つまりは「財政健全化!」「プライマリーバランス!」などと主張している有識者、政治家、政府などの本心は「民間は首をつれ!」と解釈されてもおかしくない。いや、政策的にはそれを強要しているわけですよ。
・・・・でですね。「首をつれ!」と言われてそれに賛同している人たちって、自殺願望があるんでしょうかね?経済界から国民に至るまで、日本人は自殺がしたいのだろうか?と私は疑っております。私はまっぴらごめんですけどね。いや本当・・・・勘弁してほしいですよ。レミングの死の行進じゃねーんだからと。
※“死の行進”で知られるレミング、実は自殺するほど馬鹿ではなかったという記事にある通り、これは事実ではないようです。つまり・・・レミングよりもバカがいたというわけでしょうか。どこの誰だか知りませんけれども、けれどもっ!
というわけで、国家的自殺をしたくなけりゃプライマリーバランスだの財政健全化だのの美辞麗句を騙されちゃなりません!
せめてレミングよりは賢い国家を目指したいものです(T_T)
(了)
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