上に立つ者の資質 | 進撃の庶民 ~反新自由主義・反グローバリズム

今日は、secretary-of-japan氏のコラムです。本日は「上に立つ者の資質」という稿をいただいております!!!

 

なお、前川氏が存在を明言した前川文書の一連のことを纏めて、一目で問題の概要をお知らせできるようにした前川文書(加計学園関係)のまとめーシンも、ぜひご覧ください。


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寛厚深沈、 遠識兼照、福を無形に造し、禍を未然に消し、智名勇功無くして、 天下陰に其の賜を受く。

 

これは、呻吟語という書にある最も理想的な大臣の持つべき資質です。

私心がなく、自然に存在する。この大臣がいることがに皆が、さして注目するわけでもないのですが、この大臣は、いつの間にか周りに福を配し、災いをいつの間にか消し去ってしまう。それが知られる訳でもなく、皆がその恩恵を受けている。

 

いわゆる劇場型の政治家からは一番遠い存在です。

人間は空気があることをありがたいと思いませんが、いざ、水の中に入ると、空気がなくて大慌てします。普段、心臓が動いていることなど気にすることはありませんが、いざ、体調が悪くなると、途端に気になりだします。本来、大臣とはそういうもので、「目立って○○改革だ!」とやっているような大臣は、本当にいざという時に役に立つのか分からないものです。

 

昨年、「君の名は」の少し前に上映されたシン・ゴジラですが、最初に出てくる総理大臣(大河内総理)は、国民受けすることは何かということに心を配ることはできても、逆に言えば、それ以外は何もできませんでした。この映画では内閣官房副長官が主役ですし、色々と人を使うことに成功して映画の中で活躍しているのですが、この活躍を支えたのは、大河内総理の後を継いだ昼行燈とでも表現するべき里見祐介総理でした。(ここら辺は映画の絵的に面白くないので、文字や主人公たちの会話でのみ表現されることが多かったのですが。)

 

世界ではどうか知りませんが、現在でも、我が国での政治家の理想は、周りを存分に働かせてくれる、それを気付かないうちに支えてくれるという人物であり、そういう人物の下で、チームワークで事に当たるのが、もっともうまく動いていくと無意識のうちに考えられているのでしょう。

 

逆に宜しくない大臣はと言いますと、

 

功を貪り、衅を啓き、寵を怙み、威を張り、是に愎り、情に任せ、国政を撓乱す。 

 

私欲を追い求め、自分に都合のいい言動の人間を用いて、そうではない人間は排斥する。威張り、懲りることもなく、自分の感情のままに国政を乱すのが良くない大臣の例とされています。

 

安倍総理大臣がどっちの型かなどと問いかけるだけ野暮というものです。

 

日本国の元首は、天皇陛下であられますが、総理大臣は国家の柱石にして、過去の先人から日本国家を預かり、未来の日本人に対してまでの責任を負うべき立場です。無論、政治的な能力というのも高いレベルで求められるわけですが、それ以上に高いレベルであってほしいのが、人格です。

 

為政者は、その一挙手一投足が、国内1億2000万人の人々の模範足らねばいけません。

 

平気で噓をつく、間違ったことをしても恥じることもない。というのが、為政者としていたなら、日本中で嘘をついても、間違ったことをしても恥じることがなくなってしまうのです。以前から解散にだけは総理は嘘をついても良いんだなんていう不思議な報じ方をされていましたが、そんなことはありません。

 

どんな場合でも、嘘をついてはいけない。

公のために忠実でなければならない。

これが、国家の宰相たるものの最低限揃えておくべき人間の格です。

 

外国との交渉ができないではないかと指摘する向きもあるかもしれませんが、そんなことはありません。

常に正直にすべてのことを明らかにするべきだと述べているのではなく、話ができないことは話せないと堂々と言えばいいというだけの話です。

 

どこからが嘘か難しい部分もありますが、私は柳瀬唯夫経済産業審議官の先日の質疑は、比較的誠実な方だったと思います。無論、証拠があるのが分かっているためというのはあるでしょうが、 「跖の狗、堯に吠ゆ」で、安倍総理に対しての義理と公への誠実さを彼の中で調整した結果が、あの答弁であるなら、私は許せると思います。

 

少なくとも、当然に知っていたであろことを今年になるまで知らなかったなどと、誰も信じることのできないことを、平気な顔をして述べることのできる人よりもはるかに誠実で、国家を担う資質も持っていると言えます。

 

少なくとも、理性のある99%の人が当時首相補佐官だった柳瀬氏が今治市の職員と会ったと理解し、しかも、そのことを説明することは安倍内閣に気兼ねしてできないでいるということが分かったのですから、彼の答弁は、極めて大きな意味があったでしょう。

 

証人喚問で呼び出し、真実を明らかにすることを柳瀬氏に国民が要請したなら、より誠実な対応をしてくれることでしょう。

 

安倍内閣の支持率が4月以降急速に落ち込んだのは、安倍総理が、民進党党首以上に嘘つきで人間の品格もできていない人物だと思う人が急激に増えたことが原因です。このような総理を未来の日本を背負う子供たちにも、脈々と日本を作り上げてきた先人、日本を守り、現在の日本をつくるために犠牲となった人々に対して、現総理を自信を持って紹介できないと思った人が増えたためです。

 

経済さえしっかりしていれば大丈夫と安倍総理は高を括ったのでしょうが、一時的な経済不況も無論、国民生活に大きな影響を与える極めて重大な問題ですが、それ以上に、「平気で噓をつく、間違ったことをしても恥じることもない。」という総理を抱えていることで、国民の精神へ与える影響の方が、より重大で深刻な問題なのです。

 

 

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