「GIANT KILLING」60巻について書いてみた【ネタバレ注意】 | 私は今日まで生きてみました

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ジャイキリ60巻では、磐田戦の決着編、そして過去にETUとも因縁のある代理人が椿に声を掛けてくる話が描かれています。まずは、例によって、この巻のおおまかな粗筋からどうぞ。




サポーターのゴローが遅れて到着した雨の磐田戦後半、早速ETUが失点していてゴローは磐田に大敗した開幕戦の嫌な記憶を思い出すが、よくよくスコアを見てみると何とETUが3対1でリードしていた。しかも、現地組から試合経過を聞くと、そのうちの2点は前半の椿のゴールによるものなのだとか(あとの1点は後半の亀井のゴールによるもの、ただし、失点もゴール前で亀井がハンドを取られたPKによるもの)。

磐田も何とかもぎ取った1点をきっかけに反撃しようとするものの、椿がこの日3点目、ハットトリックとなるゴールを決めてダメ押し。そのままETUが4対1で勝利し、リーグ戦6連勝を飾った。一方、他会場では、首位の鹿島が神戸に2対0で勝利し、ETUに勝ち点差1を付けてリードしたままで次節の頂上決戦に臨むことになったものの、2位の大阪Gは終了間際に名古屋のペペに決められた失点で敗れ、勝ち点差レベルで優勝争いから後退することになった。


リーグの優勝争いも佳境に入ってきたシーズン終盤、各チームでは監督や選手の来季契約についての話題も出始めてくる。当然ETUも例外ではなく、注目株の椿にも海外進出を見据えて代理人が声を掛けてきたのだが、問題はその人物で、かつてETUが低迷した時期に利益最優先のクラブ経営で笠野や永田兄弟と対立していた津川会長の〝腰巾着〞香田だった。

香田が津川会長と共にクラブを崩壊させた経緯を記憶している永田兄弟は香田を椿に関わらせることに反発するが、笠野は、代理人はあくまでクラブではなく選手と契約する存在、という考えから、椿自身の意向も確かめた上で、香田と1対1で会わせることにする。

香田は、椿に対し、かつて自身がETUを崩壊に追いやった経緯を包み隠さず話し、そういう過去への罪滅ぼしも含めて代理人職に就いた自分だからこそ、決してETUを裏切るような真似はしない、と告げ、それに対し、椿は、香田自身の話に加え、笠野や、香田が代理人を務めている北野アレックからも香田についての話を聞いた上で、香田には悪印象を持っていないと返す。

次に、香田は、椿の現在の率直な気持ちについて訊ね、椿は、自らの実力についてはまだまだ自信がなく、でもだからこそ自分を使ってくれた達海監督とETUには感謝している、その一方で、代表での活動を通じて海外でサッカーが上手くなりたい気持ちも芽生えてきており、そして、結論としては、ETUで凄い選手になって、移籍するならたくさんのお金をクラブに残せるようにしたい、と語った。






最後は、いつものように感想や考察などを並べて締めにしたいと思います。


☆巻頭のオマケは磐田・倉茂監督の隠居計画。もっとも、ストーリー本編で達海が指摘していたように、恐らく、この爺さんは死ぬまで新しい戦術とかを考え続けるんでしょうね…日本のプロサッカーはまだ歴史が浅いので具体的な人物の喩えを思い付きませんが、野球で言うと野村克也さんみたいな感じでしょうか。


☆そして、その倉茂監督が監督業の先輩として達海に行った忠告「必ずタイトルを獲れ」「このチャンスを決して逃すな」。『惜しかった』で得られるものも当然あるにしても、『勝って』得られるものに比べれば微々たるものに過ぎないのだとか。現実のJリーグで頂点に立ったことのあるクラブとそうでないクラブを比較して見た時、何となく分かるような気がする話です。


☆大阪G相手に名古屋のペペが最後の最後に決めたスーパーゴール、よくよく見てみるとその直前にゼウベルトから「今日は勝ったら勝利給1.5倍だぞ!!」とハッパを掛けられています。何だかんだでやっぱりカネが一番のモチベーションになるんですね……いや、プロとして非常に正しい姿勢だとは思うのですが(笑)。


☆そういえば、サッカーは、カードの累積枚数による出場停止があるから、どうしても使いたい選手がどうしても使いたい試合にいる場合、その辺りも考慮に入れて起用法とかを考えていかなければならないんだな、と達海と村越の会話を見て思いました。


☆終盤、優勝争いをしている大阪Gを倒して一矢報いた名古屋の不破監督でしたが、シーズン通しての費用対効果を見るとクビになるのも致し方ないかなぁ、と…他にも千葉のミルコビッチ監督など作中で達海と名勝負を繰り広げてきた優秀な指揮官たちの首筋が寒いシーズン終わりになりそうです。


☆一見、明るいムードで優勝争いに向けての練習に取り組んでいるETUですが、中には来季の契約を行わないことを既に伝えられている選手もいますし、黒田は本職のCB以外でのプレーを求められていたりします。成長株の椿には代理人のオファーが掛かっていますし、何より、一番肝心の達海が去就はっきりしていないというのが最大の不安材料であることは言うまでもありません。




以上、ジャイキリ60巻について相変わらずまとまりのない感じでごちゃごちゃと書いてみました。