「おおきく振りかぶって」24巻について書いてみた【ネタバレ注意】 | 私は今日まで生きてみました

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【「おおきく振りかぶって」の本ブログ内感想記事(14巻以降)へのリンクはこちらを御参照下さい。】





「おおきく振りかぶって」最新24巻では、西浦の秋季県大会初戦となる県No.2の強豪・千朶との試合の序盤部分が描かれています。まずは例によって全体の粗筋からどうぞ。





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秋季県大会を前にして自宅で父とチーム打順についての意見交換を行ったモモカンは、初戦の横綱・千朶戦を迎えるにあたり、来たチャンスを逃さず、勝ちに行くために打線の大幅な組み替えを決行する。


ジャンケンで勝った千朶が先攻を取って始まった試合の1回表。三橋は1番に右直、2番に中越二塁打と立ち上がりから続けて外野にいい当たりを打たれるが、千朶の最強打者である3番を空振三振、4番も一邪飛に打ち取って無失点で切り抜ける。

先制パンチを食らわせる予定だった相手の目論見を崩したその裏、西浦は千朶の1年生先発から先頭の泉が二塁打で出ると、4番の花井にスクイズをさせる奇襲でまずは1点。5番の田島もタイムリーで続いてこの回2点を先制する。



2回表、阿部の冴えたリードもあって三橋は千朶の5番から7番を三者三振に打ち取る。その裏、阿部のタイムリーで1点を追加した西浦は千朶の1年生先発をKO。2年生の2番手投手を引きずり出す。


3回表、8番・9番は調子良く打ち取った三橋だったが、2巡目となる千朶の上位打線に捉えられ始め、3連続長打で1点差に迫られると、仮の4番を下げて出てきた千朶の代打の切り札にもタイムリーを打たれ、同点に追い付かれる。

その裏、西浦は2番の沖、3番の巣山と続けて打ち取られるが、4番の花井がモモカンの指示に従って外の球を狙い打ち、二塁打で出塁する。






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以下、感想や考察などをまとめて書いていきます。


☆百枝父曰く「特性が生きるのは本来1番」の田島を4番で使うのは、要は仰木監督がイチローを4番で使った時のようなもので、チームとしてはどうしても限界が出てくるので、モモカンは花井を4番に据えたチームを作ろうとしているものと思われます。

☆とはいえ、花井はまだ安心して4番を任せられるほどの器でもないので、そのフォローと「第2の1番打者」を兼ねて田島を5番に置き、そこから6番の栄口や8番の阿部と絡めて下位でも点を取れるようにする、と。モモカン、色々と考えてます。

☆前巻の粗筋のラストに書いた三橋の(良く言えば自主的な、悪く言えば独り善がりな)ステップ幅修正特訓ですが、この試合の投球練習で投げる球に早速成果が現れたようで、その球を受けた阿部は三橋の潜在能力を見直します。

☆構成の都合で粗筋の文章には組み込めなかったのですが、捕手が田島の盗塁を刺したり、チーム全体が走塁に対する高い意識を持っていたり、千朶は西浦とは根本的に違う横綱の実力を随所に見せ付けてきます。

☆阿部が先の大会のことまで考えて三橋の決め球である「まっすぐ」を出し惜しみしたのを薄々察した三橋が、自分達はこれからまだまだ成長するのだからまずは全力を尽くして目の前の試合に勝つことを考えよう、と阿部を窘めたのには随分な進歩を感じました。

☆巻末及びカバー下のオマケ漫画は三橋の家が祖父母の家と和解するまでの経緯を三橋母の視点から綴った話。一言でまとめると「祖父母は孫に弱い」ということなのですが、これはどこの家でも同じですね(笑)。





以上、まとまりのない形ではありましたが、「おお振り」最新24巻についてザッと書いてみました。