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2021年3月 株式会社KADOKAWA 344ページ 初出「小説野性時代」2020年1~5月号、10~12月号 を加筆修正
○知念実希人「傷痕のメッセージ」読みました
水城千早は大学附属病院の外科医です。彼女が勤めている病院では若手が1年間病理診断室で研修をしなければなりません。千早もその研修を実施中です。研修の担当医は同級生の刀弥紫織です。
千早の父親は自分の病院に末期ガン患者として入院中ですが、容態が急変して亡くなってしまいます。そのとき、弁護士が現れ、父親の遺言は、「病理解剖をして欲しい」というものでした。
紫織が執刀医、千早が助手として入り、病理解剖を進めます。そして、紫織は、胃の中にメッセージが切り込まれていました。父親はいったい何を伝えたかったのか。。。
ということで、知念実希人「傷痕のメッセージ」読みました。初めは病院での感動物語のつもりで油断してよんでいましたが、これは謎解きの長編ミステリーでした。
主人公たちが父親の残した真のメッセージを解くため、医学の知識が必要とされたり、病理解剖の内の描写がリアルだったりするのは、著者が医師だからでしょうね。ハラハラドキドキするエンターテイメントでした71621
追記 「傷痕のメッセージ」初回限定書き下ろし短編「クロスロード」も読みました。これは、千早が研修に出る前のエピソードで、「祈りのカルテ」の主人公、諏訪野良太も出てきます。10数ページの短いものでした。
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