池井戸潤「七つの会議」読みました 小さな背信が大きなゆがみに… | 親愛なる人に-読書の薦め

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七つの会議

☆☆☆☆

2012年11月 403p 日本経済新聞出版社 日本経済新聞電子版 2011年5月2日~2012年5月21日 加筆修正


○池井戸潤「七つの会議」読みました


原島は中堅電機会社東京建電の営業第二課長。営業第二はなかなか売り上げが伸びず、社内会議でいつも原島は営業部長の北川からこっぴどく叱責されています。


それとは対照的なのが、営業第一課長の坂戸です。彼は涼しい顔をして営業目標をクリアし、また人当たりもよく、上司受けもよいわけです。


一方、営業第一係長には、八角という係長がいます。彼は、グータラを絵に描いたよう社員です。彼は、坂戸から最近特にいろいろ文句を受けているようです。


そんななか、八角が坂戸をパワハラで訴えました。八角にも問題がありそうでしたが、結果は坂戸が降格人事となりました。後任の営業第一課長は原島です。しっくりこない原島。八角にいったい何があったのか問いただすのですが。。。


ということで、池井戸潤「七つの会議」読みました。池井戸潤原作のドラマ「半沢直樹 」はメチャ話題になっていますが、今回は話題になっていない方のドラマ 原作でもあります。


ドラマは見ませんでしたが、この原作本は面白かったです。連作短編的な章立てで、7話+1話で構成されています。一話を一つの会議と見立てて、題名を決めたのだと思われます。また、誰かが何かを隠している、謎が謎を呼び、企業小説ながらミステリー仕立てな気分で読める一冊です。


企業における強いコスト削減のノルマ、それを下請けに押しつけ、下請けは下請けでギリギリの商売をしています。現在の製造業や、その下請けの厳しさが感じられました。


ドラマの核となるのは、小さなネジ。そんな小さなネジなのに、それは人の生命の重さまでつながっていき、一歩誤れば企業さえもつぶしてしまう。仕事においては、商いの大きさではない、個人個人のモラルがいかに大切さか、そんなことが描かれている小説です。8063



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