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2011年7月 427p 集英社
○京極夏彦「虚言少年」読みました。
これは、今から40年近く前の小学6年生男子たちの小学生から見た 日常≒馬鹿話 連作短編です。これが、ツボにはまりました、面白かったです。
何か小学生の頃の時間の流れをそのまま封じ込めてあるような、バカっぽい、それでいて懐かしいような、小説です。ギャングエイジ な一時期というのは、誰にでもあったのではと思います。
ベストセラーになることはないとは思うけど、すごく面白く、笑えてしまいました。小学生時代のことを思い出して、多くの人に読んでもらいたいです、でも感動ものではありません、どーしようもないくだらない、でもいたって真面目な面白話です。
以下、それぞれの章の覚え書きです。。。
ソノ1・三万メートル 「小説すばる」2009年5月号
主な登場人物は3人、もてたいがもてないちょっと天然のホマレこと矢島誉、ちょっと変わったところがあるキョーノこと京野達彦、そして語りは、ちょっとこぶとりで食べることがないように平素は装っているケンゴこと内本健吾です。
三人は学校ではそれほど仲良くは見えませんが、登下校時は一緒に帰り、どうでもいい馬鹿話を繰り広げるのが楽しい、3人です。
キョーノはケンゴがどうしようもないウソをつくのを見抜き、「お前嘘つきだろう」と言います。ケンゴはそれからキョーノと仲良くなるわけですね。タイトルは、カジサワの兄が三万メートルの崖から落ちて、ケガをしたという話ですが???
ソノ2・たった一票 「小説すばる」2009年8月号
キョーノは時代劇ファン、家に帰ってから時代劇を見るのを楽しみにしています。
しかし、今日は委員長候補を決めなければなりません、長引くとテレビが見られません。だから、キョーノは、登校中ケンゴに立候補するように言います、早く決まればすぐに家に帰れますので。ケンゴは自分に矛先がこないように、ホマレが立候補するように仕向ける、しようがないウソをつきます、ホマレもまともに聞いているとは思われません。しかし、、、
ソノ3・月にほえろ 書き下ろし
学級お楽しみ会の劇の内容を、ケンゴは考えなくてはいけませんでした。
ケンゴは二人に相談します。というのも、三人はテープに声を吹き込んで、ラジオ劇のようなことで遊んでいたからでした。いろいろのやりとりがあり、キョーノがアイデアを提案します。ケンゴはそのアイデアを持って実行委員会の前で話すのですが。。。
ソノ4・団結よせ 「小説すばる」2009年11月号
運動会の前の出来事。キョーノは大将のかぶる兜を作る羽目になりました。
キョーノと別れたな帰り道、隣のクラスの男子が、キョーノがどんな兜を作るか教えてくれと言ってきました。思わずケンゴは「ジンギスカン」とつぶやいてしまうのでした。。。
ソノ5・けんぽう 「小説すばる」2010年2月号
突然ホマレが、この三人のグループに名前を付けようと言い出します。どーでもいいと思っているケンゴとキョーノ。そのまま、うやむやに。。。で、次の日、ホマレがシンタローがこのグループに入りたいと言ってきたというのでした。。。
ソノ6・ひょっこりさん 「小説すばる」2010年5月号
学校で、「こっくりさん」が流行りだしました。学校ではやってはいけないと、禁止となりました。
しかし、なぜかケンゴが学校でこっくりさんをやらなければいけなくなりました。そのとき、悪ガキどもの見つかってしまいます。そのとき、ケンゴの口から思わず出たウソは「ひょっこりさん」・・・
ソノ7・屁の事件 「小説すばる」2010年8月号
学校でヒール的存在のハギモトは、家庭科の時間、屁をして便所に行きます。
それが話題となり、学級委員会で屁の問題が取り上げられることになりました。同時にそのとき、ある子が必至に屁を我慢していたのでした。。。
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