2006年9月 新潮社 508p
☆☆☆☆+
三浦しをん「風が強く吹いている」読みました。
走(かける)は、走ることが好きで才能のある長距離選手でした。しかし高校時代、走と監督とのいざこざで、チームが大会に出られなくなりました。
それを引きずり、大学は陸上では無名の寛政大に入学します。しかし、4年生の陸上部清瀬が走の走りをみて、の瀬は走を自分が住むオンボロ長屋に入居させます。そこには、走ることとは無縁の個性的な人たちが住んでいました。でも、そのオンボロ長屋、実は大学の陸上部の寮?でした。そのことは住んでいる住民も知りませんでした。
そして清瀬は、そこに住むオンボロ長屋のメンバー十人と箱根駅伝に挑戦すると宣言するのでした。。。
ということで、三浦しをん「風が強く吹いている」読みました。そんな無茶な、と思いながらも、だんだんとキャラがたってきます。
メンバー十人、それぞれの事情を持ちながらも箱根駅伝に目指すことになります。物語の中で、なぜ走るのか、それぞれの登場人物が繰り返し自問します。それがなかなかジーンときます。個人競技なのにチームワークも必要という、駅伝の独特の世界が描かれています。
彼らが箱根に出られたか、結果はどうなったかは、読んでからのお楽しみです。ちょっと甘っちょろい気もしますが、そこは青春駅伝小説、良い感じです。表紙、挿絵は、山口晃 氏が担当しています。それもなかなか良い味です。駅伝の季節、お薦めの一冊です。
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