村上春樹の短編集「東京奇譚集」最初の3話について | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

村上 春樹
東京奇譚集

村上春樹の短編集を読みました。初版が2005年の9月ですので、彼の中では一番新しい短編集です。5つの話が納められています。今回は、初めの三話を紹介します。


☆☆☆☆
「偶然の旅人」
作者(村上春樹?)の周りで起きたとるにたらない偶然の話(本人にとっては驚き)が出だしです。その後、ある男が出くわした偶然の話がメインの話となります。村上春樹ならではの筆運びで、気品のある小品となっています。


☆☆
「ハナレイ・ベイ」
ハナレイ・ベイは、ハワイのカウワイ島にある湾のことです。主人公の女性サチはここで、サーファーの息子を失いました。サチは息子のことを思い、年に一度ハナレイ・ベイにやってきます。そこでのエピソードが淡々と綴られていますが、そこは奇譚集、最後になにかあります。


☆☆☆
「どこであれそれが見つかりそうな場所で」
ある男がマンションから突然、蒸発します。それを40代半ばの作家と思われる私が、その謎を無報酬で、考察するという話です。5つの話の中で、一番純文学っぽいです。


残りの2編は、今度紹介します。


東京奇譚集