中学教科書に次のような絵がある。

 

 これらの対比を中学生に示してどう理解させるのだろう?

 

 「バイオリンを練習する」は下のNgramが示すようにpractice the violinとpractice violinのどちらも使う。

 

 「バイオリンの練習をする」に不特定の楽器名にtheを冠するのは19世紀頃の慣習に過ぎない。20世紀以降は無冠詞が普及してきている。

 

 

 19世紀practice the violinは、(piano/violin/guitar/…)から選んだthe viloin(不特定用法)と考えられる。不特定用法のtheは有無で意味が変わらないから省略が起こる。無冠詞化が進むと、the violinは(violins)から選んだ「特定の1つのバイオリン」を意味する特定用法という新たな解釈が広まると予想される。

 これは抽象的な楽器名(バイオリンという楽器)から、具体的な個物としての個物に楽器という変化ともいえる。the+楽器の用法変化は、聴取者から演奏者へと身近になることを反映しているのかもしれない。the+楽器は、旧表現の不特定用法(バイオリンを練習する)から新表現の特定用法(そのバイオリンを練習するへの変化ととらえられる。

 

 学校英文法はthe+楽器を「楽器の種類」(不特定用法)とする旧表現を正用と教えてきた。一方で、the+楽器を「特定の1つの楽器」(特定用法)と解し、無冠詞を「楽器の種類」と解する新用法が広がっている

 新用法はカジュアルな場面、身近に感じるものに普及しやすい。クラッシック音楽でよく使う楽器と比べて、軽音楽でよく使う楽器の方がくだけた新表現に馴染む傾向があるはず。

 そこでpractice (the)楽器の使用についてviolinの他piano、drums、guitarの使用率を調べてみた。

 

 theを冠する旧用法はかたい表現、新用法の無冠詞はくだけた表現と言っていいと思う。どちらか一方だけが正しいのではなく、文体のちがいということ。

 

 

 

 詳しくは[play the 楽器]について考察した下記過去の記事参照。