認識の枠を広げる“好奇心”の強み【VIA-ISの24の強み】 | ウェルビーイングのおすそわけ

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心と身体と社会的な“しあわせ”に関する情報メディア
(旧タイトル「カウンセラーからのおすそわけ」)

人格徳性的強みの
測定ツール「VIA-IS」は、
6つの美徳とそれらに連なる
24の強みによって
構成されています。


今回は、
「知恵と知識」の美徳に属する
4つの強みの内の一つである、
「好奇心/curiosity」について
探求したいと思います。


好奇心とは、
自分が知らないことや
目新しく感じることに
興味関心を抱く
気持ちのことです。


好奇心について
ウイリアム・ジェームスは、
新奇な対象への接近と探索を
動機づける本能である共に
知識のギャップや矛盾を
解決しようとする心の働きである
と説明しました。


疑問を持つことは
好奇心を目覚めさせ、


質問することは
好奇心を満すことに
つながります。


好奇心の強みは、
人生に広がりをもたらす
強みとも言えるものです。



Photo by Clay Banks on Unsplash


例えば、
知識が上書きされて
認識の枠が広がります。


できることが増え、
活動の幅が広がります。


人とのつながりも増え、
人間関係も広がります。


これらは、
自己成長を促すだけでなく、
心と身体と社会的に
充実した人生を送る上で
重要な働きをします。



Photo by Artem Beliaikin on Unsplash


VIAの強みの研究では、
好奇心の強みの様々な効果が
明らかになってきています。


好奇心は、
人生や仕事の満足感と
強い関係があると
報告されています。


幸福感とも
関係しています。


健康や長寿と関連し、
人や社会とのつながりにも
良い影響をもたらします。


夫婦関係においては、
好奇心の強みを
働かせることで、
マンネリ化を防いで
絆を深めるために
役立ちます。


近年先行研究から、
好奇心には以下のような
5つの側面があると
論じられています。


・心躍る探求
 

 新しい知識や情報に触れることに喜びを感じる


・高揚感の追求

 刺激的な経験を得るためにリスクを厭わない


・ストレス耐性

 新奇的経験に伴う不安を受け入れ
 活かそうとする意志



・欠落感

 知識や情報不足に不安を感じて
 駆り立てられる



・社会的好奇心

 会話し観察することで
 他者の考えや動きを知ろうとする



これら好奇心の5つの側面は、
誰もが持ってているものであり、
それぞれに大切な役割があります。


適正な範囲で働かせれば、
前述したような望ましい効果を
得ることができるでしょう。



Photo by Felix Rostig on Unsplash


しかし、
過剰に働かせると
様々な問題が生じます。


具体的には、
次のようなことが
想定されます。


・「心躍る探求」の過剰

 インターネットにより触発されて、
 ネット依存になる可能性がある



・「高揚感の追求」の過剰

 ケガのリスクを高めたり、
 生命を危機に晒すことがある



・「ストレス耐性」の過剰
 
 長期に渡って持続し続けると、
 疲弊して心身の不調をもたらす



・「欠落感」の過剰

 完璧主義に陥り、
 気持ちにゆとりが持てなくなる



「社会的好奇心」の過剰

 人のことに立ち入りすぎて
 人間関係を損なうことがある



こうしたことに留意して
好奇心の強みを適切に
働かせることができれば、
好奇心の恩恵を十分に
享受できるようになるでしょう。



Photo by Piotrek Luszczak on Unsplash

 

VIAの強みについては、
過去のWellbeing Channelでも
配信しています。


VIAの強みの概要がわかりますので、
よろしければご覧ください。


 


 

また、
VIAの強みを探求する
対話会も開催しています。


ご興味がありましたら、
どうぞお気軽にご参加下さい。


 

VIA-IS 強みの対話会【強みストーリー】11月8日(月)20:00〜22:00
VIA-IS 強みの対話会【one-by-one】11月10日(水)10:00〜12:00
VIA-IS 強みの対話会【one-by-one】11月25日(木)10:00〜12:00



〈参考文献〉
VIA Institute.(2013).VIA PRO Character Strengths Profile. VIA Institute on Character.
マーティン・セリグマン:世界でひとつだけの幸せ,アスペクト.
クリストファー・ピーターソン:ボジティブ心理学入門,春秋社.
ライアン・ニーミック,ロバート・マクグラス:強みの育て方,Wave出版.
西川一二,雨宮俊彦:知的好奇心尺度の作成-拡散的好奇心と特殊的好奇心-,教育心理学研究 63(4), 412-425, 2015
Todd B.Kashdan、Melissa C.Stiksma、David、J.Disabato、Patrick、E.McKnight、John Bekier、Joel Kaj、Rachel Lazarus,:The five-dimensional curiosity scale: Capturing the bandwidth of curiosity and identifying four unique subgroups of curious people, Journal of Research in Personality,Volume 73, April 2018, Pages 130-149.

 

 

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