“恐れ”という感情は、
産まれながらにして
人間に備わっている
重要な感情の一つです。
“恐れ”の主な役割は、
危険や危機を知らせて
自らの身を守ることです。
身体的なことであれば、
ケガを負ったり
生命が脅かされる事態を
避けるために働きます。
心理的なことであれば、
自己概念を損なったり、
自尊心が傷つくのを
防ぐ働きがあります。
社会的なことであれば、
立場が危うくなったり、
手にしているものを失うのを
回避する働きがあります。
このように“恐れ”は、
自分にとって大切なものを
守るために機能しています。
しかし、
“恐れ”が強く働きすぎると、
ネガティブな情報ばかりに
目が向くようになります。
ネガティブな情報に
意識が傾いて行くと、
それに伴って
行動は抑制的になります。
行動が抑制的になると、
人生を生き抜くための
経験値が不足するように
なっていきます。
そうなると、
身体的、心理的、社会的に
成長が阻害されるため、
“恐れ”の感情が
益々強く働くようになる、
という悪循環を招きます。
こうした状態に
陥らないためには、
“恐れ”の感情を
否定せず受け止めて、
その“恐れ”を越えた先に
何が待っているのかを
よくよく考えることです。
もしも
“恐れ”を越えた先に、
願い求めるものがあるならば、
その“恐れ”の感情は、
自己拡張のための境界線を
教える意味を持つものであり、
目の前にある障害は、
自己成長の課題となります。
そうであるならば、
“恐れ”を感じつつも、
願い求めるものを
得るための手立てを考え、
その時に出来る勇気ある一歩を
踏み出すことです。
そうすることで、
経験値が増していき、
やがて“恐れ”を
超えた向こう側に
たどり着くことが
できるでしょう。
“恐れ”には、
二つの役割があります。
一つは、
危険や危機を知らせること。
もう一つは
成長課題を教えること。
“恐れ”を感じた時には、
それを反応的に捉えるのでなく、
その意味をよくよく
検討するようにしたいものです。
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