心理プロセスから考える“デマ”に惑わされないための心得【プロセスラーニング】 | ウェルビーイングのおすそわけ

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心と身体と社会的な“しあわせ”に関する情報メディア
(旧タイトル「カウンセラーからのおすそわけ」)

危機や災害などにより
社会不安が高まると、
コトの真偽が分からない
不確実な情報が飛び交います。


このような不確実な情報が
人々の間に広がってくことを
心理学では「流言」と呼びます。



VitabelloによるPixabayからの画像


流言を鵜呑みにして
反応的な行動をとると、
様々な問題が生じます。


例えば、
無駄にエネルギーを消耗し、
本来すべきことが
手につかなくなったりします。


不必要な恐れを招いて
自らストレスを
高めることになります。


良かれと思って
不確かな情報を広めることで
周囲の人々を巻き込むことになり、
信用を失うことになります。


場合によっては
状況を悪化させてしまい、
大きな痛手を被りかねません。


できるなら、
こうした事態に陥るのは
避けたいものです。



Barbora FranzováによるPixabayからの画像


AWEでは、
毎月第一土曜日に
プロセスラーニング研究会という
オンライン学習会を開催しています。


プロセスラーニングとは、
体験に伴うプロセスに焦点を合わせ、
そこから気づきと学びを得る
振り返り学習のことで、
自分と自分を取り巻く状況を
客観的に捉えるメタ認知能力の
向上に役立ちます。


今月のテーマは、
現在巷で起きている
「流言」を取り上げました。





心理学では、
流言を次のように
定義しています。





オールポートらが
流言を定義した時代は、
インターネットはないため、
「口から耳へ」という
表現になっていますが、
情報ネットワークの現代は
ネット情報やSNSなどによって
「目から目への伝達」が加わり、
昔とは比べものにならない
拡散速度と規模になっています。


他にも
次のような
定義があります。







このように
流言の意味を共有した後で、
その問題点を考えていただき、
参加者がこれまでに
経験した流言について
分かち合っていただきました。


ある方は、
1973年のオイルショック時の
トイレットペーパーの
買い占め騒動を挙げてくださり、
今回の新型コロナウイルスに関連して
同じ現象が起きていると
話されていました。


他にも
「〇〇を飲むと
ウイルスが殺菌される」
とか、
「▲▲は危ない」など、
現在巷に出回っている
様々な流言を挙げてくださいました。


さて、
どうして流言は発生し、
広がっていくのでしょう?


流言が広がるには、
3つの理由があると
考えられています。





命や財産に関わるような
重要なことほど、
流言は発生しやすくなります。


はっきり分かっていることは
流言が起きにくいのですが、
良く分からないあいまいな事柄に関して、
流言が発生しやすくなります。


そして、
人々の不安が高い時ほど、
それを解消しようとして、
流言が発生し広がっていきます。


さらに流言
起こる心理としては、
次のようなものがあると
考えられています。





流言は、
伝えられる情報が
歪められて広がっていく
という特徴がありますが、
基本的な形として
次の3つが挙げられています。





水準化とは、
情報の細かい部分が脱落していき、
内容が簡略化される傾向のことです。


強調化は、
特にきわだった特徴が
おおげさに誇張されたり、
ある部分が極端に強調される傾向です。


同化は、
伝えられる内容が、
メンバー個人の関心や期待、
願望などによって
再構成される傾向を
表しています。


このようにして、
流言について理解を深めた上で
エクササイズとして、
プロセスラーニングの
フレームワークで用いている
MBCプロセスモデルで
不確実な情報を拡散する人の
行動ループを考えていただきました。





ブレイクアウトルーム
(オンライン上の小グループ)での
分かち合いのシェアから
流言を広げる行動ループの動機には、
善意で行われる場合と
悪意で行われる場合が
あることが指摘されました。


先行研究では、
流言の動機として
次のようなものが
考えられています。





最後は、
今回の研究会のメインの課題として、
流言に惑わされないための行動ループと、
流言を拡散しないための行動ループについて
考えていただきました。





それぞれを
概略した行動ループは、
次のようになります。








社会不安が高まる中で
冷静さを保つのは
簡単なことではありませんが、
流言に関わる心理と
その対処法を学ぶことで、
より賢明な対応が
とりやすくなります。


今回も参加者の皆さんが、
熱心に分かち合い学習に
取り組んで下さったことにより、
深い学びの機会となりました。


ご協力に感謝いたします。





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原則毎月第一土曜日に開催しています。


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