情報拡散の落とし穴【コミュニケーション】 | ウェルビーイングのおすそわけ

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心と身体と社会的な“しあわせ”に関する情報メディア
(旧タイトル「カウンセラーからのおすそわけ」)

スマホやSNSの普及に伴って、
情報の伝わる速度が上がり、
範囲も驚異的に
広がるようになりました。


このような環境変化の中で、
情報の扱いに対しては、
充分に注意する
必要があります。


なぜならば、
情報は人から人に伝わる時に、
正確さが損なわれ、
形を変えていくという
特徴があるからです。


心理学では
「流言の研究」
というものが
行われています。


流言の心理学研究で
有名なG.W.オールポートと
L.ポストマンは、
「流言」を次のように
定義しています。


「正確さを証明することのできる
 具体的なデータがないのに、
 普通、口から耳へと伝えられて、
 次々と人々の間に言いふらされて
 信じられていく出来事に関する記述」






この定義は、
1940年代のものですから、
当時は個人が手軽に扱える
PCや携帯端末はありませんでした。


ですから、
現代に合わせるならば、
「目から目への伝達」
加えることになり、
その影響はとても大きいと
考えられます。


さて、
オールポートとポストマンは、
流言の内容の変化について、
次のような傾向があると
述べました。


■水準化

 情報の細かい部分が
 脱落していき、
 内容が簡略化される傾向。



■強調化

 特にきわだった特徴が
 おおげさに誇張されたり、
 ある部分が極端に
 強調される傾向。



■同化

 伝えられる内容が、
 メンバー個人の関心や期待、
 願望などによって、
 再構成される傾向。



情報化社会になって、
便利になった反面、
その落とし穴としては、
「流言」による混乱が
数多く生じるように
なりました。


そのような状況から
身を守るためには、
情報を受け取る際には、
上記の特徴があることを
常に念頭に置いて、
よくよく確認することが
求められます。


また、
自分が受け取った情報を
第三者と分かち合う時には、
情報の信憑性を意識しながら
行うことが肝要です。





ICTが飛躍的に進歩し、
情報の受け渡しが
便利なればなるほど、
情報の扱いには
充分に注意を払うように
したいものです。


※東日本大震災の復興を
心よりお祈りしています。


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