なんで分からないの?【ラーニング】 | ウェルビーイングのおすそわけ

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心と身体と社会的な“しあわせ”に関する情報メディア
(旧タイトル「カウンセラーからのおすそわけ」)

人に何かを
教えている時に、
相手が理解してくれなくて、
困った経験がありますか?


そのような時、
「なんで分からないの?」
言いたくなるかもしれません。





しかし、
教わる人にとって、
これほど聞かれて困る
質問はありません。


なぜならば教わる人は、
自分が「なんで分からないのか」
分からなくて困っているからです。


この質問をされた人は、
最も困っていることを
問われるので混乱し、
軽いパニックに陥ります。


軽いパニックに陥ると、
相手の話をしっかりと
聞くことができなくなり、
教えられた情報が
頭に入らなくなります。





教える人は、
こうした状況に対して
フラストレーションを
感じるようになり、
「なんで分からないの?」
という質問を
連発するようになります。


そうなると、
教わる人は自信を喪失し、
学ぶ意欲が減退して、
ますます分からなくなっていく、
という悪循環に陥ります。


こうなると関係が悪化し、
「教え、教わる」
といった関係では
なくなってしまいます。


上記のような
「なんで分からないの?」
という質問は、
「なんで(あなたは)分からないの?」
という意味になります。


もし有益な問いを立てるのであれば、
「なんで(あなたは)分からないの?」
と相手に対して問うのではなく、
「なんで(この人は)分からないの?」
と自分自身に問うのが有益です。





そうすれば、
状況を冷静に
分析することができ、
より効果的な教え方を
探究する方へとシフトすることが
できるのではないでしょうか。


人に何かを教えるということは、
人がいかに学ぶのかを教わることと
いえるのかもしれません。


ですから、
「なんで分からないの?」
と相手に問いたくなった時には、
その問いは自分に対して行うよう
意識したいものです。

※東日本大震災の復興を
心よりお祈りしています。

神栄カウンセリングセンター のHP