2216 :「MEMSマイク」 優秀な新製品発見レポート | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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  自作マイクMEMS化の流れは止められない

 このサイトでMEMSマイクを自作用に本格参入させて1年半になります。

依然一部の目的外製品を除き、単体マイクとしては「自作品」の先行した状態が続いており、全世界から現状とそのなりゆきが見守られていることをこのサイト運営のなかで直接・間接的に感じ取れるようになりました。

 

 MEMSマイクは2014年より手探りを続けるものの、誰しもが「眉つばモノ」の認識から進むことはなかった。

 

 2019年、Invensense社製品の中に数種の希望的な品種が浮かび上がり、入手・テストをおこなう中で実用開発を急ぎました

中でもICS-40730の別格な可能性に驚き、さらに試作とテストを繰り返していました。

 

 

大いなる転機

 2021年正月発表のProbeⅡ の一撃は長い停滞から脱し、一気にMEMSマイクの立ち位置を変える力になってくれました。

 

 MEMSマイク搭載メーカー製マイクが登場するためには未だ進化レベルが低いアナログ「単一指向性」MEMSマイクの性能向上を待つしかないのかもしれません。

 

 Invensense社ICS-40730の卓越した音の良さ・高性能は今後の自作マイクをECMから転換させるパワーを持っていることは間違いありません。「藁をもつかむ」中でつかんだ「藁」の存在は大きい。

 

品質面でも優れており、スペック上±2dBのレベル偏差をうたっているものの、実態は「ピタッ」と同一レベルに管理され、ペア取りに苦労することも皆無です。

ペア取りに苦労される場合は不適切な半田付作業による劣化以外考えられません。

 

海外のフォーラムでもMEMSマイクの実用性とICS-40730のそれらが大きな話題となり始めています。

 

今後MEMSマイクが自作コンデンサマイクの本流として押しとどめることのできない進化を歩むことになるでしょう。

 

 

 

 しかし、とどのつまりこの一品種頼みではECMのWM-61Aだけというのと同じであり、心もとなさを感じます。

実力のある第2走者・第3走者がいてこそホンモノになっていくと信じます。

 

 第2走者であるKnowles社SPM0687LR5H-1もたいへん貴重な存在です。

「日進月歩」では間に合わない「時進日歩」の現在、「すでに新製品が有るんじゃないか・・・」と思った。

 

そしてMEMSマイクメーカーの全製品ウォッチングで3年ぶりに各社の製品を時間かけて一巡りした。

ここでも国産品の立ち遅れは目に余り、TDK・ホシデンの2品種以外みるべきものは何もない惨状。

ここはかつての「モノ作りニッポン」なのか。

 

そんな中のことです・・・

 

 

 

 

  優秀な新製品を入手

ハートありました。YOUTUBEで同じ女性が「新製品を4年前から」いくつかの動画で特定MEMSマイク製品の説明を繰り返しているメーカー。

あのCMは目くらましだった、同社にはあの品種よりずっと優秀なアナログMEMSマイクがあり、未発売であったが、あるルートから先行入手できた。

 

いま最も新しい高品位MEMSマイクといえるでしょう。

(Infineon社 2021.7.7開発完了とのこと
 

それは Infineon社 IM73A135 です。

その総合力では現在ある2つの優秀品種を超えてトップに立つかもしれない、

そんな期待感いっぱいのMEMSマイク新品種です。

 

 

 

  特徴

Infineon IM73A135

周波数特性:20~20000Hz

感度 :-37dB±1dB

SN比 :73dB (A)

AOP :135dB SPL

Noise Floor :-111 dBV(A)

サイズ:3 x 4 x 1.28  (このクラス最小)

( ICS-40730: 3.72 × 4.76 × 3.5    SPM0687LR5H-1: 3.76 ×4.72 × 1.15 )

 

 

そしてなによりも特性データの美しさ

(それはオカルトではなく法則性があります)

そして「音質」です。

 

 

ハート 筆者は驚いてすぐ入手のアクションへ、ワクワクが止まらない。

 

 

チューリップ赤 下表 ICS-40730SPM0687LR5H-1と主スペックを比較ください。

 

(主スペック比較)

(注目点)

ICS-40730比、SN比で1dB低い73dBですがAOPは11dB大きい「135dB」、これはやはり魅力かつ実質的であり、差し引きダイナミックレンジはICS-40730より10dB程度大きいのではないだろうか。

(ここではもはや時代遅れな国内一般市販MEMSマイクとの違いも比較してほしい)

 

また感度が-37dB±1dBという見事で圧巻のスペック。ペア取りに大いに貢献してくれるでしょう。

 

 そしてサイズの小ささは応用範囲を広げることに大いに貢献する。

しかしマイクロホンで肝心なのはここまでの物理特性の優秀さで判断しては絶対にいけないというマイク、スピーカーの基本です。

これは悪名高い「BTS規格」が廃止に追い込まれたような過去のあやまち、測定結果や物理特性を最優先した日本のメーカーだけが欧米から学んできた貴重な掟です。

 

「音は耳で判断する」という基本をはずしてはならない。


 

 

 

  MEMSメーカーの常識、私たちの常識、そのズレ

一つ、この間勉強になったのはMEMSマイクのメーカー筋ではとんでもない常識がまかり通っていることです。

 

 素人でも聴き分けられるS/N60dBと70dBの違いだが・・・

 

 「SN比は60dB以上になれば、それ以上改善しても人間には聴き分けられない」と公言するMEMSメーカーの日本人専門家が存在することはこの「MEMSマイク」という業界の思い違った常識の危うさを感ずる。

 

 こうした考え方がまかり通っているかぎり残念ながら国産MEMSマイクが浮上することはあり得ない、停滞の主原因考えるべきでしょう。これには、事実・現実を以てその常識を変えさせなければなりません。

 

そして私たちは、もともと「音センサー」にすぎない「MEMSマイク」はそんな背景と認識の上に成り立っている危ういジャンルであることを今更ながら知っておく必要があります。

 

 部分的にでもその常識を破るためには「マス」(使用量)で勝たねばならないが100個200個でどうなる話ではない、したがってマイクカプセル」として使うMEMSマイク選択はいかに既存の品種からお宝を拾い出すか、いかに「有能な藁をつかみ出すか」こそが私たちにとって唯一の手段として続くだろう。

 

 

 はたしてこのMEMSマイクはどんな音?、

どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。

 

この続きをおたのしみに・・・2218に続く

 

 

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虹 おしらせ

MEMSマイク使用、話題のProbeⅡおよびFetⅡmemsおよびそのLzタイプなど、読者のみなさまからのご注文により優秀機種の手づくり製作領布を承っておりますのでお問い合わせください

fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb   は今や貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作を承ります

 

 

モノ作り日本もっと気出せ 

 

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