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ProbeⅡは最高品位MEMSマイクである Invensense「ICS-40730」の使用により、形状からは想像もできない高音質な音場型無指向性マイクとしてご好評をいただいております。
このたびホールで活躍できる低インピーダンス長距離版として
「ProbeⅡLz 」を発表します。音質はProbeⅡと同一です。
めざすのはDPA 4006など垂涎の「最高峰」マイクと並び、それを超えることです。
「無指向性マイクの最高位」それをめざし、かならず実現させます。
自作マイクロホンの可能性と進化をとめてはならないのです。
ProbeⅡLzはそのような目標を持って完成させました。
プローブ形状は理想的な音響条件であり、流線形ボディからさらに45mm伸ばした空間に最高品位MEMSマイクであるInvensenseのICS-40730を実装し、PlobeⅡと同一の構造です。
記事番号:2103のProbeⅡに関する記事も併せてご参考ください
※ProbeⅡLz もProbeⅡも低域は可聴域以下である20Hz未満のサブソニック領域までどこまでも伸びており、スモールダイアフラムのマイクではありえない驚くべき特性のため、目的によって適度にLo-Cutをおこなう必要があるでしょう。(表現上および再生装置保護のため)
すなわち使用にあたってはそれに対応する環境が求められます。
(筐体1)
筐体に使用したPhone/XLR変換コネクタはCLASSIC PRO AXP221から今回、秋葉原 小沼の「91M-602」に変えました、これは「Fet3」の外筐と同一です。
(秋葉原 ラジオセンター1F 小沼電気にて)
・・・・・ココしか入手不能、部品価格は2倍以上になります。作りやすさではAXP221が抜群ですが、ルックスと強度が数段改善出来ました。
先端部の地厚は従来の0.5mmから一挙に1.5mm厚になり先端部のデザインとメッキなどの仕上げにも一層の高級感を見せます。
ただし入荷は不安定につきいつ販売終了になっても不思議でない状況です。その場合はCLASSIC PRO AXP221に戻ります。
左:小沼電機 91M-604 右:Clasic Pro AXP221
(筐体2)
ステンレスパイプ(外径6.0Φ、内径5.6Φ)・・・ t=0.2
この厚さは一般入手困難な特別ルートの為かなり高価になりました。
一般市販のt=0.5のパイプではICS-40730でこの形状は不可能です。
(回路構成)
ファンタム式パナ改マイク「FetⅡ」(出力インピーダンス1kΩ 平衡型)、
その長距離版である「LzⅡ」ならびに「LzⅡb」でおなじみのTR出力回路、そのMEMSマイク版を安定的な低インピーダンス出力(91Ω)にし300mの延長を余裕で実現しました。
(回路図)
長距離型(300m)ですので、ホールでの吊り運用に対応します。
※この回路動作に疑問を持ち理解に苦しまれるかたが多いことを承知しております。
この件に関しご質問やご意見もずいぶんいただき、議論もありました。
回路表記のしかたに始まるご指摘は世界の業務用コンデンサーマイクの回路、回路図を学んでからにしてほしいと思います。
このマイクに限らずコンデンサマイク回路は出力コネクタ迄で完結しません。その先、線路を含め受け側マイクアンプ・HA回路やファンタム供給回路まで含んだ大きなバランス伝送閉回路すべてが「マイク回路」であります。
「PNP-TRのコレクタ接地、ファンタム動作」がキーワードです。
したがっていかなる優秀だと自負するオーディオAMPの回路であっても、その延長線で捉えるとまず理解できないでしょう、「神的」な方式であってもこの仕組みを心得ず妙なこだわりで回路を複雑にすればするほど長距離伝送能力と音の鮮度は確実に失われ本末転倒となります。
とりわけ譲ることのできないのは他の業務用マイクと自由に差し替え使用できる「業界統一の互換性」です。
ちなみにこの回路はトランス不使用業務用コンデンサマイク回路の世界標準である「Schoeps Balance Circuit」の変形であることを付け加えておきます。
(実装)
(基板部)
あらゆる部分がこれ以上のサイズになるとこの筐体には収納不可能です。
(配置・サイズは「ドンピシャ」設計です)
※おすすめしませんが、そっくり同じものを作ればまちがいなく動作します。
勝手な配置替え、代用部品での動作は約束しかねます。それ以前にこの筐体には入らないで
しょう。
(先端部構造)
(ICS-40739を内径5.6Φに収納する)
AWG-32のリード線を付けたMEMSマイクとステンレスメッシュを絞り加工したフロントメッシュとを一体化して5.6Φ内径パイプに挿入する準備。
電極部はエポキシ絶縁してある。
ICS-40730の外ケースはGNDに落ちているため、黒のGND線を省略実装することも可、ここでは安全な3線出しとした。
撮影時はこんな様子だが、GNDの黒線は0.1mmx2本撚りエナメル線にしてトータルの線径を縮めた。
AWG32は十分極細だがさらに細いAWG36が良いかもしれない要チェック。
※ 配線したICS-40730と成型したステンレスメッシュと一体化して内径5.6Φのパイプに入れるのは相当難儀します。
竹串などで軽く、抵抗なくスーッと入っていくようなMEMS側の作りこみが必要です。
無理に押し込むような入れ方ではICS-40730は確実に変形して壊れます。
まして内径5Φでは絶対不可能です。
(管内共鳴対策)
6Φパイプ内に脱脂綿をビッシリと詰める
(小さな玉にして少しづつ何回にも分けてギュウギュウに入れます、相当の量が入ります)
アクリル綿など化学繊維の綿は厳禁です。
※ 無指向性ユニット(カプセルなど)の裏側の音響処理について
無指向性ユニット(カプセルなど)であっても背面からの音的偏移を受けます、特に「管共鳴」によるものは有害です、これをキャンセルすることによって純粋に正面からのみの音圧型マイクロホンとして理想的な「無指向性」を得ています。
これら気の遠くなりそうで面倒な原理原則がきっと世界的高級マイクと並ぶための「賽の河原の石積み」となることでしょう。
もっとも必要なのは「目標」と「意志」です。
完成
Memsマイクは一般的手順の手半田付けでは必ず破壊します。
「プレヒート」=一定の予熱処理により安定した手半田が可能になります。 https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12574034452.html?frm=theme
以上
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おしらせ
fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb など、読者のかたからのご注文により人気機種の製作領布を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作します)
FetⅡmems、およびProbeⅡ(Mems)マイク使用も同様にリリースしています。
モノ作り日本もっと元気出せ!
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