コロナに負けるな 「Stay Home」で安全に
6月11日でこのブログ開設から11年になりました。
開設当初の冗談のような「ぶっ飛びアイデア」で企画、実験、試作したグッズでした。
それもそのはず、ダイナミックマイク+UTPケーブル(普通のLAN
ケーブル)ではシールドさえ必要なく、それでいてハムが発生することもない、という「常識をひっくりかえしたような」マイクケーブル。
こんな「トンデモ機材」をでっちあげた筆者自身、手放せない便利ケーブルとなって現場で活躍してきたのがコレです。
(0907掲載 2009年7月11日)
https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10297857139.html
あるPA技術セミナーで実験紹介したところ、皆信じがたい様子、
(筆者がステージ上で)
「今わたしが持っている小さい箱がマイク側ボックス、4ch入ります。今喋っているこの58はここから上手ステージBOXまで普通のLANケーブルを使っていて伸びています。シールドもアースもないCat-5eのケーブルですけど、ハムも何もないでしょう?、15mの4chマルチケーブルが両端のBOX一式で1kgもありません・・・30mモノで1.7kgでした、今日ここには両端BOXといっしょにこのA3の書類袋に入れて来ました」と実演説明。
皆さん目を皿に、耳を澄ませてこれに釘付けでした。
休憩時間には多数のかたが実機を眺めに来て質問攻め。「たった4ch」のこんな機材でも需要のある事を認識した。
製作依頼も結構ありましたが、お断りして自作を薦めました。
必要に迫られて、その後同様のモノを地味に自作するエンジニアが続出しました。(この時点で市販品が要望されていたんですね)
LANケーブルで簡単に済んでしまう手軽さと圧倒的なコンパクトさ、軽さがミソですね。
最初は、Cat-5eのSTPケーブルを探して恐る恐る実験を始めたのがこの非常識なマルチケーブルでした。
「LANケーブルって、ひょっとして4cHマルチケーブルにならないか?。しかし、シールドはどうしよう」・・・などと試作品をでっち上げた。
誘導ハムもクロストークも測定確認するにつれ何の問題もないかもしれない、と解析を進めるうちに実態が分かってきた。
その後なにくわぬ顔をした機材となってすでに馴染んでしまっていることに妙な感覚を覚えました。
1号機では
GNDのロックのない不完全さが心配でした。
ファンタムを加えてコンデンサマイクを生かした場合、なにかのはずみでジャンクションBOXに振動が伝わると、一瞬ファンタム供給が絶たれ、「バリッ」となり、事故につながるヤバさがあったため、ファンタム厳禁のマルチケーブルとして重宝してきました。
2009年7月の1号機
当時「冗談」のような、それでいて羨望された「LANケーブル使用4chマルチケーブル」一式
最近、成田の「音の家」からC/Pの製品として第2号機そっくりで製品化されて出ていますね。
2012年ころ登場したイーサコンがキーポイントでしょう。
(記事:1704)で「イーサコン」を採用し、完成度の向上したシステムに変貌できました。
1号機では不安定だったGNDも安定し、ファンタム動作のコンデンサマイクでも何の心配もなく運用できるようになりました。
https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12240590476.html
2号機:現場での実使用状態
イーサコン使用で安定化が図られた2号機
ここまでくると「ぜひ作ってほしい」という依頼もずいぶんありました。
それもそのはず、両端のジャンクションBOXと30mのケーブル一式が、なんと1.7kgという軽さ、A3の書類袋にスッポリ収まる。
工夫しだいで使いみちいろいろ、生唾モノであったのでしょう。
が、仮に作っても面白味は何もない為、すべてお断りして心苦しい経験をしてきました。
どこかで製品化しないかな・・・・・と。
17kgではありません、たった1.7kgです。
そんなこんなで時が流れ・・・
昨年あたりから成田のC/PブランドでShinさん的製品が現れました。
さんざん苦心してでっちあげたものが「製品」として現れてくれた。
これは誰もが歓迎でしょう。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/275503/
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/244368/
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/244359/
「パクられた」というよりも、良くぞ商品化してくれた、製品さえ提供してくれたら価格面でも適正ですので、皆様にも面倒な工作から開放され、ほっとした次第です。
めずらしい例ですが発案者としてはまことにありがたい実例です。
このシステムのキモはコンデンサマイクさえ使用しなければUTPケーブルが使え、静電シールドに頼らないでもマイクレベルのアナログ伝送ができ、STPケーブルを使えばファンタム供給も問題なし。
機材は量的にも重量的にも圧倒的な有利さを獲得した、ということでしょう。
アナログ電話では150年前から実運用してきたことをLANケーブルに置き換えただけですので、いまさらどうって事ないアナログ技術です。
かつての経験からShinは特許のたぐいを好みません、最強の知財保護ツールとして、逆発想である「全公開」を旨としてうまくいっています。
商業的窃用は気になるものの自力では不可能な商品化がこういう形で実現し、必要な人に行き渡るHAPPYを歓迎します。
以上
おしらせ
fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作)
モノ作り日本もっと元気出せ!
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ShinさんのPA工作室 管理人
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