注意:Memsマイク使用最大の課題は手半田の熱にたいへん弱いことですが
この方法で解決させました。 https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12574034452.html
memsマイク使用の高品位マイクシステム
ベータ版が完成しました。
名付けて 微小コンデンサマイク Micro Leaf です。
試作完成したMicro Leaf (V2):6Φ緩指向性 です
この完成にはmemsマイク独特のハードルを全部制覇してモノにしなければならないことは前編の通り、難易度はかなり高く、甘く見ては失敗あるのみでした。
中編ではそのマウンティングの実際を見ていただきます。
中編は最低2回に分けて、今回は高品位6Φの太径です。
この音は一聴の価値あり
次回は3.5Φ極小高SNマイクのマウンティングとします。
Micro Leaf シリーズ ベータ版
1.Micro Leaf (V2):6Φ緩指向性
低域特性の優れたICS-40730を使った太径(6mm)のマイクロホン。
このmemsマイクは3dB減衰点15HZ、SN比74dBを誇ります。
2.Micro Leaf (V2):3.5Φ緩指向性
ICS-40720使用の細径(3.5mm)
3dB減衰点75HZ、SN比70dBのmamsマイク使用超小型マイクロホン実
例をご案内します。
Micro‐Leaf はセパレーツシステムですので、後編でAMP部のご案内をおこなって試作完成とします。
【Micro Leaf (V2): 6Φ緩指向性】
※ (6mm径)ICS-40730使用の今回のマイクロホンは
オールラウンドで使えるワイドレンジな高品位サウンドが特徴です。
外筐は黒染めした6Φステンレスパイプを使います。
「パイプカッター」を使って10mmに短く切断して使います。
※市販では0.5mm厚ですので内径は5Φ、これでも入りますが、安全を見て工場注文した0.2mm厚を入手(内径5.6mm)かなり余裕で実装できるようになりました。
(手順) 一連の手順を図解しました。
5Φの熱収縮チューブは熱を与える前なら6Φのステンレスパイプにギリギリで入ります。
・memsマイクの外装金属をステンメッシュに強く押し当てた状態で静電シールドを完全にします。
・音孔にはかからないよう、マイクケース下側に脱脂綿を適量詰めて音響調整おこないます。
・GNDには0.1~0.2mmのホルマル線)を使用します。
メーカー発表データーシートのOUT+・-と接続が逆ですがこれはデーターシートの誤り、このブログ記事の接続が正しいです、ご注意ください。
(本件、メーカー invensense社に連絡済み、この誤りは2019年12月16日、メーカーであるinvensense社も確認済みです)
(ICS-40730データーシート)
https://www.mouser.jp/datasheet/2/400/DS-000139-ICS-40730-v1.0-1539053.pdf
※2020.10月追記
(訂正されたデータシート)
http://invensense.tdk.com/wp-content/uploads/2020/07/DS-000139-ICS-40730-v1.1.pdf
管内吸音処理(memsマイクはメッシュ先端まで出す)
(コネクタ加工~完成まで)
ファンタム式memsマイクMicro Leaf (6Φ)ICS-40730使用の試作完成
この ミニXLRのピンアサインは3P型では各社共通です。
VDD電圧は各社マチマチですので他社のXLR-AMPの流用、共用を考える場合はご注意ください、ECMとは異なりmemsマイクはわずかな過大電圧にも敏感で動作停止、ランダムノイズ発生などもあります。モノによってはmemsマイクをダメにします。
また、「カンカン」鳴くもの、ツェナーノイズのひどいものもあり、ブランドにかかわらず想像以上に低次元なものも存在することを4社6製品の実機で確認済み、これはきちんと作るに限りますね。
このAMP部は次々回発表します。
(ケーブル)
mogami 3011を使用しています。
外径 1.35Φという恐ろしく細く、逆撚り二重のきわめてしなやかなケーブルです。(オヤイデ電気にて調達しました)
http://www.mogami-wire.co.jp/sales/products/flexible2.html
芯線はAWG-36と、これがあるからこそ0.2秒の早ワザ半田付けを可能にしています。
かくして直径たった6mmの高品位マイクが完成した。
カプセル?は低域3dB減衰点が驚異の15HZ、SN比74dBと優秀です。
指向性は耳に似た「緩指向性」として使用範囲を広く考えた。
音質的にはベストヒットのFetⅡとよく似ており、それにハギレの良さが加わった感じです。
次編ではなんと米粒サイズ 3.5mm版の記事を予定します。
(製作考察)
1.最も時間をかけて吟味したのは何と言っても「memsマイク」選びにありました。(特性表と実ヒヤリング及びサイズで選んだ中からSN比の優秀なもので決めました)
USAからの直送を5~6回繰り返して、納得できるまで品種選びをおこない2機種の完成に至りました。
2.製作手順があと先逆に見えるのは、memsマイクに対しての熱ストレスを最小限にするためにはこれしかない、とたどりついた方法です。
3.memsマイクへの半田付けは1か所0.2秒という離れワザだけが頼り、
この工程は改善検討中です。
4.memsマイウ単体の指向性は意外、そのために「Micro-Leaf構造」は音イイです。これより小口径になるとLeafの搭載ナシでほぼ同一結果が得られることも判明しております、しかし太径でも音響調整の中で、そのLeafを外して等価とできることが判明。
脱脂綿の量で音響調整をおこないます。(管鳴きとピーク制御)、
やや多めにしてちょうどイイ感じです。
5.memsマイクメーカー、10社ほど製品調査しました。
結果、業務用マイクロホンカプセルとしては「Invensense」社製品に絞られました。
その中でもSN比70dB以上のモノは2品種、今回はその最高2品種を採用しました。
現段階でこれを超えるアナログmemsマイクはちょっと見当たりません。
(SN比50dB台~60dBで満足できるならこの限りにあらず)。
6.AD(ANALOG DEVISES)社時代の古い設計である「INMP-411」(旧ADMP-411)が意外にも好結果を出します、これにはいささか驚きです。
7.VDD~GND間にパスコンを入れたいが不可能、(確実にパスコンのほうが大きくなってしまう)
秋葉原の代表的なmemsマイクも試しました。
memsマイクは同一メーカーでもすごい勢いで進化しています。
下の例などデータもメーカーサイトから消え、製造中止の旧型ですが、マイクですので音は聴こえます、ただそれだけです。大きめの「サー・ノイズ」はちょっと音楽収音に耐えられる内容ではありません。
SN比10dB以上の差とこの音、10年前ならアリでしょうがすでにムリです。
「そんなことない、ちゃんと使えるよ」というならそれはそれでいいんじゃないですか、しかし・・・・・
「雲泥」とはまさにこのことでしょう。
アキバをはじめとするパーツショップの現状の品揃えは「10年前の残材」状態です。
これをもって「現在の最新デバイス」と認識しないでください、時代錯誤です。
簡単に入手できるから、といって10年前のデバイスにしがみついても絶対に「未来」など見えてきません。
というわけで 繰り返しますが、使用memsマイクはこのように、なんでも良いわけではなく、その選択の中で特定品種にスポットを当てて入手、安易な品種選択など絶対におこないません。
「Invensense社」のICS-40730と同 ICS-40720の2品種を厳選、ヒヤリングを重ねて指定、その上での試作から実例記事を書いておりますので、ここまで2ヶ月かけています、決して「パーツを集めて、翌日こしらえた」ようなレポートではありません。
参考 memsマイクメーカー各社HP該当ページ
≪Knowles≫ ≪Invensense (TDK)≫ ≪Infineon≫
≪CUI Devices≫ ≪STMicroelectronics≫ ≪ホシデン≫
≪JRC≫ ≪gettopacoustic≫ ≪DB Productshttps:≫
2020年、業界の「今」が見えます。
このように激戦状態、ものすごい勢いで勝つものが勝ち、負けるものは負けていく。
そのなかでスマホ用でもロボット用でもない、音響用単体マイクとして適するのはどれか。
この事実に驚いたり、感動することで「今」を感ずることがどれだけ大切なことでしょうか。
次編に続く
(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3、fetⅡ‐bright など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作)
モノ作り日本もっと元気出せ!
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