前編では誤設計激安マイクを正常化して超指向性マイクとして完成させました。
激安マイクとは思えない高パフォーマンスのマイクに変身、驚くしかありません。
今回(後編)ではファンタム動作を可能にし、電池とのDUAL動作化させます。
簡単な回路ですが案外手がかかりますので機器・基板製作など一定の経験・知識と自信のない方はおやめください。
ファンタム動作については「Shinさんお得意」といったところですが電池1本、1.5Vという低電圧とファンタムのDual動作となると逆流防止などとの関係で考え込んでしまいました。
(電池/ファンタム DUAL化回路)
1.回路の動作電圧は1.5Vである。
2.2番HOTの平衡回路と動作上完全互換であること。
3.Io(全電流)=2mA未満にする。
4.電池電源との音質差・レベル差がないこと。
※音楽用改造の場合
(電池/ファンタム DUAL化改造)
これは前編 を参照の上進めてください。
手順1 ファンタム電源基板の製作
回路図の赤線ブロックを基板化したものです。
薄い基板で薄~く作らないと収納できません。
(ケミコンはNichicon KT 50V10μF使用)
手順 2
・電池ケース、XLR部の配線を一旦はずす
・ファンタム電源回路基板をマイク側に配線する
手順 3
既存部のコンデンサ交換(コンデンサはNichicon KT 50V10μF使用)
ファンタム電圧が直接コンデンサにかかり、電位の傾きが変わるため極性を変えます。
(XLRコネクタ2及び3側が+となる)
手順 4 ファンタム電源基板の収納、電池ケース部の戻し。
(配線材はほぼAWG32の極細ビニール線使用)
基板裏側は半田で盛り上がってたりしないこと。
マイクケース筒とメイン基板との間に収納するので、ファンタム電源基板はできるだけ薄く作らないと入らない。
(メイン基板との間の絶縁はガラスクロステープを用いました)
テスト
ファンタム電源から電池ケース+ -に対し約1.5Vが供給されていることを確認。
これは組み込む前に作り込んでおく。
最後に音声のチェック。
電池使用時となにも変わらずに収音できるのを確認する。
注)ファンタム使用時はかならず電池をはずしておく。
以上で異常な音の激安超指向性コンデンサマイク「Neewer NW-81」はこれで正常な「電池/ファンタム」のDUAL動作のマイクに昇格しました、おつかれさまでした。
以上
おっと待った!
めんどくさいんだよ、その改造、ややこしいし。
じゃーいい方法がある。
SW切り替えはならない前提で、XLRの2.3を入れ替えるだけ。
ファンタムは使えないけど電池でいいじゃん。
もともと音はイイんだからこれでいいと思うよ。
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