1805 :コンデンサマイク並みワイドレンジ・クリスタルマイクをめざす | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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クリスタルマイク(セラミック型ではありません)といえば「ヒャラヒャラ」した安っぽい音を想像される方が多いことでしょう、事実普通に使えばそんな音です。

 

※(クリスタルマイクエレメントの入手については条件付きでこの昨年このブログでご案内しています)

1724 :本物のクリスタルマイクが現在でも日本で生産されていた。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12320927405.html

 

 

 

電歪型(クリスタル及びセラミックマイク)、磁歪型(マグネチック=レラクタンス)マイクは方式は違うものの共通の構造をもちます(スティフネス制御)

[例]:Shure 520(マグネチックマイク=ダイナミックマイクとして売られている)   Hohner 1490(クリスタルマイク)など

発電方式の違いは有っても同一制御方式の両者に共通した音は特定ジャンル(ブルースハープなど)で不滅の人気を持ちます。

 

国内M社の35mmクリスタルマイクの周波数特性

(昨年秋まで公表されていたもの) これはC-35とほぼ同一

 

 

     ちなみにセラミックマイクとはこんなに違います

 

Shinは構造的、原理的に納得していましたが数十年ぶりに現物を、それも多数のサンプルが自由になる環境を得てあれから半年間、過去のノウハウ海外の事例を参考にクリスタルマイクエレメントと格闘の末ある答えにたどり着きましたのでここで途中下車とします。

 

そう、地鳴りのような超低域から妙なピークもない中域、素直に高域が伸びたコンデンサマイクのような、そんな欲張りな音をクリスタルマイクに求めて取り組んでいました。

 

現在までに「ある程度」その先の音とそのノウハウを手に入れました。

無茶だ、無理だ、という声を振り切って「できるはずだ」とだけ信じて臨みました。

 

 

「これがクリスタルマイクの特性だ」といっても誰が信じるだろうか。

Flat化実験後の実測データ(ホワイトノイズ使用)

 

はここから聴けます(2018.3/10まで)

http://6.gigafile.nu/0309-c5183d6794ebe098b7a26baaf6bd18ec6

ギガファイル便(ShinさんのPA工作室クリスタルマイクFLAT化.wav)

 

まだ中域に不満はありますがクリスタル型特有のキャラクタ、広範囲に音響制御できることは確認できました、これからが楽しみです。

チューリップ赤クリスタルマイクの特性として低域はどっしりと、高域も20KHZ以上楽に伸び切った想像もできないワイドレンジさに感動です。

 

友人の若い音響家と一緒におこなったヒヤリングでは「うん普通のマイクの音ですね、高域にザラつきがあるけどギターなんかにこの音、かえっていいかも」とうれしいお言葉。

 

 

じゃ、なんでクリスタルマイクって「ヒャラヒャラ」したオモチャみたいな音なんだ?

 

今回はそこのところを深めてみることにしました。

 

 

昔は「安いマイクだから」「構造上」と何の疑問も持たなかったが、どうやらそうではない、ひとひねりすれば大化けするノウハウがある。

 

Flat化の最重要条件

ハイパスフィルターfc計算サイト http://sim.okawa-denshi.jp/CRhikeisan.htm

C-25325mm)、C-3535mm)共おおむね750PFの容量(実測)でありfo(最低応答周波数)を求めると負荷RLにより大きく変化する、まず最初にこれを認識しよう。

RL=100KΩ2.1KHZ    1MΩ212HZ    5MΩ42.4HZ    10MΩ21.2HZ

 

 

 

(あの「ヒャラヒャラ」の安っぽい音はこれが原因だったのです)

上記から「地鳴り」のような低音を求めるならば負荷抵抗は少なくとも4~5MΩ以上は必要なことがわかります。

現在の機器のマイク入力インピーダンスの平均値は平衡・不平衡問わず4KΩ程度(2.5~7KΩ程度)です、それでも50Ω~600Ωのマイク使用ならば「ロー出し・ハイ受け」ではあります、しかしクリスタル型では桁がちがいますから。

 

 

チューリップ赤ちなみに ここでDI-1使用 (入力Z=4.7MΩ)使用ではしっかり低域まで伸びています。

しかしクリスタルマイク独特のキャラクタ(3KHZを中心としたピーク)はそのままです、無線用途にはこのあたりの音作りがベストといわれています。

 

音楽用途が目標ですので更に進みます。

1.徹底したハイインピーダンス受け 

2.エレメントケースの強化(高剛性化、高質量化)で振動板の運動支点の強化=理想的メカニカルアースの確立

3,マイク筐体内(エレメント背面)の密閉、吸音、(吸音材の使用)

4.ケース鳴き(レゾネーション及び個体鳴き)の排除

5.マイクフロントに適切な音響抵抗を追加

6.振動板(ダイアフラム)アーマチャを含めた機械的Qダンプによる共振点の排除

 

 

 

 

4.に関連してFFTを見ながら音孔を9個中5個ふさいで実験した(振動板Qダンプのティッシュも見える)

 

 

 

実験でおこなった振動系のQダンプによるFLAT化の案

 

双葉 かんたんに前ぶたが開く構造になっているのはおそらくこの調整を前提にしているからだと思われる。

 

 

 

チューリップ赤やはり「ファンタム式」は万能

前作からかなりシェイプアップがみられます。使用部品は2個のFETとC 1個、抵抗2個だけ、基板も省略可能。

(この回路は2010年2月10日、このサイトで原型を発表しています。https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10452555966.html 筆者に許可なく商業使用することは禁じられております)

 

DI使用時と音の違いはほぼ感じられないがこちらのほうが余分な機材が不要、かつ音作り自由度がおおきい。

 

                    次回(未定)につづく

 

 

(お知らせ)
fetⅡ、fet(Ⅱi)、fet3 など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作)  

 

モノ作り日本もっと元気出せ 

 

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