Amphenol のXLRコネクタにシェルGND付きが新しく加わりました。
品名はAX3M及びAX3Fというオス・メスです。
XLRコネクタはITT-CANONから始まりCANON JAE、SwichClaft、そしてNeutrik。
その間をぬうように似たものコネクタがピンからキリまで登場しては消えていきました。
3~4年前、Amphenol 製ノイトリックタイプのXLRコネクタ(AC3MMB)を手にしたとき「エッツ」と驚きました、だってそりゃそうですよ。
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11043115600.html
(なんちゃってノイトリックはお買い得か)・・・2011年10月記事
その製品は「シェルGND」という概念が「スポッッ」と取り去られていました。
こりゃダメだと思ったのは言うまでもありません。(下写真)
(従来品はシェルGND電極が取り去られている)
予想通り、実使用でもマイク筐体構造が高周波・等価的にハイインピーダンスであったりマイクヘッド回路で微妙なハイインピーダンス部を含む場合ケースGNDは必須。
この接続部を取り去った「AC3-MMB」では案の定誘導ハムに大いに悩まされた。
インナーを他のノイトリックタイプに交換して勘合加工し、誘導ハムはやっと止まった。
誤ったEMC設計の製品はそこまで完成度が下がってしまうのです。
平衡・不平衡問わず、「機材」、「伝送」、「静電シールド」を絡めて考えればすぐに答えは出るはず、「AX3M」 「AX3F」というシェルGND付リベンジ製品の登場は最初から答えの出ている当然のなりゆき。
まさか「専業メーカー」のやることではありませんが・・・・・
(新製品ではシェルGND電極が追加されている)
形状の変更と同時にとりあえずシェルGNDが追加され、めでたしめでたし。
【実使用、ノイトリックとの比較】
写真上:Amphenol AX3M 下:Neutrik NC3-MXXB 使用
それが今回、AX3Mを使ってみて、おもわぬことに気付かされた。
Amphenol :ブッシングがメスねじ
Neutrik :ブッシングがオスねじ
Amphenol ではその結果ネジ締め込み時、ノイトリックのように金属シェルと基板との間はプラスチック・ブッシングの隔壁にならず、ムキ出しの金属が内側を向いている。
基板にφ12の熱収縮チューブをそのままかぶせ、絶縁を確保した。
一手間かかることは間違いなく、また他のナンチャッテ・ノイトリックのような各パーツの互換性は一切ない。
型番の後ろに「AU」の付いた金メッキ脚と表記のない「シルバー脚」とがあります。
【マイクロホンのEMC設計、ここがポイント】
ここを制することなしに誘導ノイズから逃れることはできない。
いずれにしても「EMC」(ElectroMagnetic Compatibility)にうといメーカーの製品は三流以下だ、というEMC技術側の常識があるが、まさか世界的に知られたコネクタ・メーカーのこういうケースは稀だと思います。
しかし同社のノイズに対する正しい見解にもとづく見直しは勇気のある行動であると共に、日本の有力音響電線メーカーで行われてしまった誤り技術への安易な偏向は想像よりも早く元に戻されることになるだろう、とShinは申し上げておきます。
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しばらくは旧製品「AC3-MMB」との併売が続くと思います。