「天と地を団子に丸めて手に乗せて ぐっと呑めども咽にさはらず」 曽呂利新左衛門が豊臣秀吉の酒席で大きい物を詠んだものだ。
こんどは「小さい物を詠め」と・・・・・これも新左衛門が勝ってほうびを戴いた。
「蟻の子の流す涙の中島で 砂子を取りて千々に砕かん」
1991年 NHK技研と共同開発のたった4mm径「サンケン COS-11」がその構造と共に発表されました。
TV、アナウンス・スピーチ用のマイクとしてあの武器のような無骨なRCAのBK5(リボン型)の代替として優秀なピンマイクが必要に迫られていました。
長手方向に長方形のダイヤフラムは独創的であった。
本来トーク用ですが自分でも初めて使用したときは、このサイズからは想像もつかないワイドレンジな高音質にド肝を抜きました。
素直な音質は音楽録音家にもウケましたが値段がかなり高いのでパナ改やDPA 406×シリーズの方が支持されました。
最近、その4φで音の良いカプセルが入手できたので早速こしらえたのがこのマイクロホンです。
上のデータ通りカプセルはPrimo製、4φの「EM-154T」 です。
発表データを見ると「携帯電話、ビデオカメラ・・・」などの用途が書かれているが、試聴してみて驚いた、WM-61Aと非常に似た印象の音だ。
ただあまりにも小さいのでGNDパターンをえぐって行うソースフォロワ3線式改造はまるで「米粒に仏様を彫るような」・・・しかしここには確かな小宇宙が感じられた。
やるしかないでしょう、目が点になるような年齢不相応な作業、こういうのは勢いさえあれば何とかなるものだ。
(しかし半田ゴテも800円の白光30W 「RED」の限界を感ずる、さりとて15Wクラスじゃ他に使い道がない)
音は出たものの極端に感度が低くS/Nの低さはどうも不自然だ、ルーペで熟視するも、テスターをあてるも異常個所は見当たらない。
もう1本試したいがサンプル・カプセルがもうないのであきらめざるを得ませんでした。
しかし無骨ながらCOS-11とほぼ同一サイズのマイクロホンとして写真のようなマイクロホンの試作ができあがった。
Shinのマイクロホンにはめずらしい「ソース接地・ドレイン出力」です。
音を聴いただけなら「ファンタム式パナ改です」と云っても分からないかもしれない、そんな音です。
ケーブルはモガミの非網組ケーブルである「2901」を使用しました。
2.http://ameblo.jp/shin-aiai/archive-201202.html
定番の「3031」の2.8φに対し1.7φで強度の高い細い優秀なケーブルです。
※ただしあまりにも細いので3φの熱収縮チューブでXLRコネクタのブッシング部分を少し太くして補強してあります。
良く見てほしいのはECMの使い方による「正相」「逆相」の関係です。
これに無頓着では通用しません。
コンパクト好きのShinさん、「軽・薄・短・小」をキーワードに相変わらず材料探しに神出鬼没ですが曽呂利新左衛門の宇宙観から学ぶことが多いと感ずる次第。
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