※ この記事は公開から13年以上経過していることにご留意ください。
2024年追記
製作難易度 ★★★★★++
このマイクロホンは銅メッシュハウジングを母体として、銅製・銅色で仕上げるピアノ用フリーバウンダリー・X-Yステレオマイクです。
接合する銅リングとメッシュ間でどうしても発生するのメッシュの厚み+半田付け部分の臓物、これを見えなくする方法を考えねばならない。
・写真のとおりメッシュの半田付け部分は盛り上がっている
スポンジやゴムリングも検討したがどうも納得いかない。
「そうだ、木だ」 「形状に合わせて彫刻するんだ!」
(そこで材料だ)
MDF材 (端子盤の事ではない) 使用、円形の板はマーキングの後、ノコで大体のカタチを切り出してサンドペーパー(メッシュ荒め)だけで74φ目指して寸法を出していった。
この材料は「ソリ」もなく均一な板質である、加工しやすいわりには剛性も高そうだ。
「松」を主体とした雑木を粉末にして固めたものらしい。
彫刻刀(U型・丸型で)、内周エッジは斜め刃で、決して誤って周囲の土手からはみ出さないように・・・・
最後は内のりを斜め刃を使ってそぎ落とすように約2mm程度薄くする。
※この辺は手先の器用さだけが頼り、一般木材に比較し、彫刻時ややクセがあるがダメな場合はどうにもならない。
※とにかくケガをしないように(彫刻刀は想像以上に深傷になります)
1.彫刻作業
最初は内周深く360°に斜め刃を入れ、U型刃、丸型刃で半田付けの盛り上がり部がきれいに収まるように彫刻する。
次にその内側の厚を斜め刃に持ち替えて薄くする。
銅メッシュのハウジングと何べんも合わせながら隙間がなくなるまで続ける。
2.塗装作業
①木製台座
使用するのは「染めQ」の「メッキ感覚」という塗料、 この塗料の特徴は顔料+銅粉末を配合してリアルな発色をする塗料だ。
2度のスプレイでまるで「銅メダル」のような台座が完成、何人かに見せたが誰も「木製」に気づく人はいなかった。
②半田吸い上がり、メッシュ基部
これは次の図の通りほんの部分的塗装で見違えるようになります。
(説明図)
3.銅メッシュハウジングの表面処理
①容器に銅リングが十分浸るまで「酢」を注ぐとドンドンピカピカになっていく
②絵筆などに酢を含ませ、銅メッシュを洗っていくと新しい銅色がよみがえる
③キッチン洗剤を使用して脱脂水洗を十分行い乾燥させる。
④「サビーヌ プラス」 を薄くウエスにつけてメッシュ、銅リングをムラなく擦る。
4.ハウジンクの完成
①ケーブルブッシングの装着(細ケーブル2本分)
この外観は「完成時」とほぼ変わらない予定です。
カプセルが縦2段積みになるためハウジングの高さは前作(試作品)と比較すると倍以上になった。
ケーブルは撮影のために差し込んだものです。
③ハウジング裏側のシールドは次のステップでカプセルの収容と同時に行います。
次はいよいよ回路部分の製作です。
次号までには少し間が開くと思いますが楽しみにお待ちください。
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