1217 :Behringer ECM8000を「使えるマイク」に改造(中編) | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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製作難易度 ★★★★ お役立ち度★★★★★

前回は 先端部の取り外しまで無事済んだ。

 

ECMの換装まで成功した方もいらっしゃいますね、お疲れ様でした。

 

※注意!ソースフォロワを既に試されたかたは「C2」の極性を逆にしてください、回路変更によるコンデンサ(タンタルコン)への電位差変化が原因、放置すると危険です。(下写真、基板裏の黄色い「C2」です)

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今回はECM8000の基板を活かして別格マイクに したい、あくまでも「基板を活かして」・・・・・・・
 

 

どうせならブラックボディという選択もある、それは来週のお楽しみ
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   (ECM8000オリジナル)              ブラックボディの改造品

 

 

これはマイク先端部外しの時、残念ながらキズつけてしまった場合のリベンジ策を兼ねて来週の特集記事としますので

 

右上の写真はブラックボディで完成したECM8000ベースのWM-61Aソースフォロワ(パナ改)マイク。

何かオリジナルよりも堂々と見えませんか、「凄み を感ずる」というかたも居ました。

 

ECMカプセル換装後、その部分で僅かでも発生するスキマは音質に大変悪影響を及ぼします。

 

《音響的処理部分》
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また、このように無指向性カプセルでは無関係と思われる背面の空間が「音響回路」(キャビティ)を構成し、それによる音質変化も確認されていますのでこの処理による改善は必須です。

 


 

《回路変更例です》

どれを実施しても音質はオリジナルのマイクとは雲泥の差、5種類用意しましたのでお好きな方法が選べます、さーどれで行きましょうか。

 

【改造パターン1】・・・ソース接地


オリジナルマイクの「この世のモノとも思えない盛大なノイズ」はかなり消えましたが
改造では最も簡単な方法でしょう。

それでも未改造品との音質差は天国と地獄ほどあるがマダマダです。

 

 

 

【改造パターン2】・・・ソース接地

改造パターン1のECM電源部からツェナーダイオードを外し、「アバランシェ降伏ノイズ」を排しさらに大きくSN比の改善を果たしました、差動平衡出力部A970のバイス回路もこの方が数段良い

 

 

【改造パターン3】・・・ソースフォロワ

やはりソースフォロワですね、WM-61Aですから「パナ改」と呼べます。

でも「ツェナーが・・・・」どうせなら下のパターン4にしましょう

 

 

【改造パターン4】・・・ソースフォロワ

ツェナーは外すに越したことない、というか元々ツェナーの必要な回路ではない。

 

ブリーダー抵抗使用の原始的回路だが決してあなどれない。

飲まずに済むなら薬だって飲まないほうがよいのはあたりまえ。





※上の回路(改造パターン4)の現物写真

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★★★これはかなりイケます。

 

(出力インピーダンス測定しました)

OUT‐Z=86.4Ω(at.1khz)、イイ感じです、ちなみにオリジナルマイクは792.0Ωでした。

同一測定法(電圧降下法) で SM58は274Ωでした (参考値)

 


 

【改造パターン5】・・・ソースフォロワ


採用されている中国製のコンデンサを高品質品に取り替えていくと、かなり大きなサイズになりそう、部品の大きさ制限はここでも悩みますね。

可能な部分から交換してみると面白いと思います。

 

 

おまけ そういえばキャノンコネクタを外したときの3本の黒ネジ、無事ですか? M1.4の精密ビスですけどShinさんの場合、1本消えまた1本と結局全部どこかへ紛失しました。

その後某ホームセンターでステンレス色を手に入れて現状復帰しました、皆様くれぐれもご注意のほどを。

 

来週はいよいよです・・・・・

 

後編へ続く

 

 

 

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