1139 :5φのEB-5400使用ファンタム動作マイク(6φ)と黒染め | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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2024年1月追記

 

黒染めの安定する材料に真鍮がある。

 

テスト用に入手していた6φの真鍮パイプがあったのでこれにマイクを仕込んだ。

内径は5φの材料で、EB-5400(無指向性)がピッタリと入る。

 

EB-5400はバックエレクトレット型の無指向性、5φというECMカプセル。

カプセルのケースは半田が付くので材質は洋白?か、

 

音質はローカット傾向だが可聴域以下まで延びているWM-61Aよりかえって使いやすい場面もあるだろう。

カプセル改造は非常に簡単なのでパナ改タイプ(ソースフォロワ改造)した。

 

EB-5400使用
ShinさんのPA工作室
真鍮パイプは薬品(パティーナ・ブラックC)で「黒染め」した。

 


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このコンパクトさは見逃せない

フローティング構造に出来ない為タッチノイズはやや多めに出るようだ。

 

 

【回路図】

 

-----省略-----

これまでの「ファンタム式パナ改マイクと完全同一 でいく

 

 

 

【真鍮の黒染め】

①材料の加工部分は済ませておく

②材料の脱脂をしっかり行う(シンナー漬けや台所洗剤、石鹸などで擦って洗い落としは良し)、アルコールは不向きのようだ。

「パティーナ・ブラックC」 を小皿に少量とり、絵筆などで丁寧に塗る、(スグ黒く染まるので筆で液を丹念に塗る。)

④ドライヤーで一気に乾燥させるか、自然乾燥させる(水洗いは決して行わない)

⑤完全に乾燥すると黒色は定着するので流水で洗いを行う。

⑥ムラがある場合は「脱脂不足」「塗りこみが足りない」「水洗いの急ぎすぎ」この場合、黒化した部分をサンドペーパーではがし、最初からやり直す。

 

かくして無垢の真鍮材は自由に黒染め出来るのだ。

ShinさんのPA工作室
見てください、この光景信じられないでしょ。

 

 

 

 

 

(実はEB-5400の前にこんな事もやってみた)

ShinさんのPA工作室    ShinさんのPA工作室

WM-E13YUのケースは半田が付く        サイズ
 

WM-E13UYのパナ改をファンタム動作させるべく改造を頑張っていたらフロントの不職布が外れて写真のような顔が現れた、アルミではなく半田が付く材質(洋白か?)なので、このままフロント部にと思って期待したが2つの点で断念した。
         

①ソースフォロワ改造の成功率がきわめて低い(ソース側の切り離しを行ってもケースに落ちっぱなしになる為成功率は20%程度の模様)

②改造に成功しても感度が低く、ソースフォロワではレベルが低すぎる。

 

ソース接地ドレイン出力としては6φのマイクとしては問題なく実現するがShinとして魅力がない。


 

ファンタム式パナ改には向かないためWM-E13UYは断念。

 


かくして同一真鍮パイプにEB-5400を仕込んだ次第です。

 

 

(Shinのつぶやき)

マイクは1つ1つ固有のクセがある、また使う側にはほしい音がある。

ほしい音を得るにはほしい音の出るマイクを選ぶことだ、そうして考えると良いマイク=フラットとは限らない、これをむしかえすと、せっかく廃止されたBTS規格に前戻ってしまう。

 

BTS全盛の頃は値段と「マイク性能=いかにフラットか」は比例関係にあった。

フラットなマイクこそ「良し」とされた時代。

 

マイクの周波数特性データに定規にあてて1級・2級と分類し、そしてBTS落ちマイクはJIS等級によってそれを救済していた。

当然海外製マイクにBTS等級はない。

 

日本のマイク文化は徹底的に「音楽無視」、あまりにも物理特性にこだわるので」海外からしばし嘲笑され、どれもこれもB&K製だ、と言われた。

 

この日本特有の文化はSPも同様であり、けっきょく古今日本製SPの名機はほぼ現れた形跡がない。

 

音楽表現にとって海外製の名だたるマイクロホンが仮にフラットだったとしても、あえてフラットにしようとしてそうなったわけではない、楽器を作るのと変わらない音創りがされているから良いのだ、生産国の音楽文化と歴史、そして言語によるところが大きく、そうした背景下結果的にそうなっただけである。

 

かつてのビッグメーカーの超高級マイクも激減したとは云え、現在は明珍火箸(ひばし)を叩いた音でマイクの音管理を行っている・・・と聞くと「行く末見たり」といったところだ。

 

BTS規格は戦後日本のマイク発展の牽引者であったはずが「近代」の事情に合わなくなったことから2001年にBTS規格は崩れ去った、当然の成り行きだが遅すぎる。

 

 

ちなみにPAではフラットなマイクが有力となる機会は殆どなく「表現力の優れたマイク」こそが求められ1クセも2クセもあるツワモノが優秀であることもある。

 

音とマイクの関係は理屈では割り切れない何かがある。

 

 


 


 

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