製作難易度 ★★★
【はじめましてfetⅡBKです】
待たれていた黒色fetⅡ マイク本体
これまで2年弱、このブログで発表した「ファンタム式パナ改マイク」 はSiegfried Linkwitz 氏 提唱のLinkwits-Mod(通称パナ改)の素晴らしさを「業務用マイクとして転用」できないかという想いが実現したものです。
Shinは「パナ改」をベースに2009年11月に発表した1号機からファンタム動作のトランスレス出力業務用コンデンサマイクとして試行錯誤の試作を繰り返し、2010年2月にFET差動AMP搭載マイクとしてfetⅠが完成、百戦錬磨の音響技術者の前でグランドピアノのSR比較テスト、結果、超高級マイクと肩を並べる事に驚かされました。
開発・評価では舞台・音響・放送・建築音響・測定の専門家の方々に関わっていただいた大変幸せな珍しい手作りマイクです。
「中域にややクセ」の指摘を後日受け、使用フィルムコンデンサ「AVX製」の「鳴き」(約700HZ)を確認。
各種コンデンサをヒアリングテストし、最終的に「WIMAのMKS-2型」に決定、コンデンサによる音の違いには驚いた。
テストに難しいことはやっていない、回路上に入れてコンデンサを叩けば電気的になにがしかの音が出る、「カンカン・キンキン」と異音(共振音)を出すものから、「ゴツゴツ」と特定の共振周波数を持たないものまでありその大きさも様々、MKS-2はもちろん後者、ショックノイズレベルもちいさい。
ちなみにMKS-4はややレベルが大きい。
この方法は音響機器すべてに云え、私がNT-1Aを敬遠するのは前者だからです。
かくしてコンデンサの見直しと同時にECM電源生成法の見直しを同時に行ったものは現場評価も2重丸! このようにして完成させたのが「fetⅡ」です。
またfetⅡ は以降予想以上の方々によって実際に製作され、手にされ、プロ・アマ問わず驚きと期待以上の結果をもって使用されている事をご報告します。
「とにかく黒だ!」
という多くのご要望にこたえて、新パーツを採用し念願の超小型黒色マイク「fetⅡBK」を完成させました。
黒色化には多くのアイデアと試作の機会とご意見をくださった演奏家、ホール音響家、建築音響家の各位、これは皆様の執念の結晶です、ありがとうございます。
ファンタム式パナ改マイクの中で、セパレーツ型であるfetⅡ は楽器クリップオンのPA用途から高品位クラシック録音まで広く対応し、使い勝手が良いため、優秀な他社マイクの出番をなくしてしまう程です。
今回、「ファンタム式パナ改マイク」fetⅡ をベースに舞台機材の標準色「黒」を実現しました。
これで照明にも安心、念願の黒いfetⅡ が初登場となりました。
デザイン変更により新しいマイクハウジングには頑丈な新パーツを採用しました。
(AMPHENOL KM2PB-AU使用)
これによりfetⅡとのオプション互換性はありませんが新たなものを提案しております。
マイク本体部は5gという軽さですからあらゆるシチュエーションで活躍いたします。
【ファンタム式パナ改マイク fetⅡBK 各スペック】
形式 : 超小型コンデンサマイクロホン(ECM)
使用カプセル : パナソニックWM-61A (ソースフォロワ改造)
指向性 : 無指向性
最大音圧 : 130dB/SPL(1% THD時 )
適合ファンタム電圧 : 18~48V DC
(ご注意)非業務用のマイクアンプやオーディオI/F、格安卓など低品質のファンタム環境での動作は保障できません。
<各サイズ>
マイク部 : 長さ33mm(後部ブッシング含)
: 直径 最大部10mmφ 先端部 9mmφ
AMP部 : ノイトリック3Pオス(NC3-MXB又はNC3-MXXB)内に収容
重量 : 72g (ケーブル3m含む)
≪適合する市販アクセサリー≫
適合ウィンドスクリーン : WindTech 1500・1400
適合タイピンホルダ : AT-829Hクリップ(シルバー)、REXER L101CLIP8MM(ブラック)
楽器用クリップホルダ : AT‐8418クリップホルダ
【適合アクセサリー使用写真】
REXER L101CLIP8MM装着 ウィンドスクリーンWindtech1500装着
楽器用クリップオンにはこれ (AT8418 クリップホルダ装着)
楽器クリップオンでの使用時は卓側のATT=PAD を入れてください(Trim=Gainツマミではない)、ATTのない普及卓の場合は回路図中のコメントをご参照ください。
回路図は従来からのファンタム式パナ改マイク(FET使用)と共通です。
ブラックバージョンの追求、これは音屋のサガだ・・・・・材料さがしはまだ続く。
☆製作依頼についてはメールにてお問い合わせくださるようお願い致します。
(おしらせ)
このマイクや、fetⅡ、fetⅡi、measurement-fetⅡほか、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください Shin
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【おことわり】
★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。
★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。
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