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2024年1月追記
手元に「単一指向性ECMカプセル」としてホシデンのKUB-8223、KUB-7823がある（それしかない）
このECMカプセルを使ったマイクを世に問い、競合に勝つ事を目標に信じられないような大勝負に挑んだ。
この種のマイクにはAKGやＡＵＤＩＸ・RODEほか、かなりの製品があります。
それらと比較し、6φのKUB-7823、8φのKUB-8223カプセル共に音楽用途にはきびしいため別の攻め口だ。
ブログ内の「ECMカプセルのスクランブルテスト」 もご参照ください。
スピーチ拡声用途限定として、ある大きな勝負に挑戦した試作品の一部(下写真①③⑤）であるが、「ハウリングマージンの不足」のみが致命傷となり残念ながら敗退してしまった現物です。（ECMカプセルに選択肢がない結果である）
すべてのマイク共に、卓接続部分は「ファンタム式パナ改マイク」の基板を流用したＸＬＲコネクタに仕込んだスタイルです。
Ｓｈｉｎさん、本気で外観デザインに強烈こだわりました。
「手製です」という甘えなど一切通用しない世界ですが、それ以上に「美しくなければマイクじゃない」という私の根本にある想いに強く突き動かされて、かなり苦しみながら反面、職人ワザを繰り出し大いに楽しんでおりました。
（６φ・８φともにタイピンクリップのほか、各種クリップも他社の流用可能なものを多数発見、サンプルを入手した。）
（作品） 8φ単一指向性ECMカプセル使用
①
※前面部のパンチングメタル・装飾リングなどもＳｈｉｎさんオリジナル、速度孔はミニルーター 使用にて精密加工
②
このマイクは③の原型、審査対象外のサンプルです
③
黒色焼付け塗装 品
④
ポップなカラーで・・・（サンプルで作ったものですが完全に浮いてますね）
※上の４種類のマイクは全てホシデンのKUB-8223カプセル（8φ）使用、ソース接地。
（作品） 6φ単一指向性ECMカプセル使用
⑤
(KUB-7823＝6φ)カプセル使用単一指向性マイク。
fetⅡと 同一形状だが、見えない部分に速度孔が6個ある（ミニルーター使用 、0.8φ×6）
６φカプセル、KUB-7823及びWM-65a103(デジキーにてUSAより遅れて入手）・・・ソースフォロワで使用、（速度孔は写真で見えないところに6個）
（勝負に挑んだのはKUB-7823の方でWM-65aは審査に間に合わず）
電極改造にてソースフォロワー接続＝パナ改？（ホシ改？）で
（6φカプセル使用の結果）
KUB-7823・WM-65Aのどちらのカプセルもソース接地・ソースフォロワどちらにしても「指向特性」の甘さと「感度・SN比」の低さにより、「ややオフ気味のスピーチＰＡ用途」としては落第点をもらった事になる。
（8φカプセル使用の結果）
最後まで食い下がっていたのが8φ、この写真以外に鋭角度単一指向性も加えてチャレンジしたが、狭い空間でのオフマイク気味の為ハウリングマージンがどうしても足りない、残念な結果ではありましたがこの挑戦で得たものはあまりにも大きい。
【雑感】
①市販パーツとして入手可能な単一指向性ＥＣＭカプセルでダイヤフラム径１０φ未満のもので音楽用途に期待できる性能のものはない。
②突然変異的に８～１０φのカプセルで優れたものが存在するが、入手できるチャンスはまずない。
③デジキーなど個人輸入に頼っても、結果は同じだったり得体の知れないものしか入手出来ないであろう。
④とにもかくにも、現実に存在する優秀なものをいかに分けていただだき入手するかに尽きる。
今回のマイクは画期的カプセルを入手して作り直すことに決めた。
以上、手作りで「単一指向性」を求めると、例外なくこのような障壁にぶち当ると思います。
これらのバリアを破るためには大きなエネルギーが必要、常識など通用しない。
そんな、こんなの真っ只中に・・・・
※パナのWM-65a103を上回る高性能な６φカプセルほか優秀なカプセルを山形県で国内生産している某ＥＣＭメーカーを発見した。!!!
これを使ったマイクを試作させていただく機会があり、WM-65a103との比較が出来たが、それはこれまでのどんなECMカプセルも足元にも寄せ付けない別次元の高音質、これにはド肝をぬいた。
その音質は「自作マイクの常識」というセオリーなどまったく要らない上質なものである。
（全く知られていない会社だったがShinさんが尊敬する素晴らしい挑戦者達のプロ集団である）
残念ながら先方の意向もあり、まだ社名を出すことは出来ません。
もう１つ
マイクケーブルにはfetシリーズをはじめ、一貫してモガミの3031（2芯網組シールド 2.8φ）を使用してきたが、さらに細い「モガミの2901」（2芯非網組シールド 2.16φ）を入手してみました。
網組ではないものの、構造はしっかりしている為、耐久力も問題ないと思われ、必要に応じて今後使用していく予定です、これによってカントリーマンのクリップなどが楽に使用出来る。
モノ作り日本もっと元気出せ！
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