1032 :ひと味違う「配線ケーブル被覆剥き工法」 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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2024年1月追記

 

みなさまは配線ケーブルなどの被覆剥きにはどんな工具お使いですか

おそらくワイヤストリッパーニッパーで線剥きをなさっていると思います。

 

Shinさんの場合ラジペンニッパーを使って、両手で行います

 

現在、さまざまな線剥き工具・工法がありますからそれらを否定するものではありません、あくまでもShinさんの経験(メーカー経験)からご紹介するものです。

 

この方法は「より線」であれば小は基板のジャンパ線から大はマイクケーブルやSPケーブルなど太めの「より線」まで対応出来ます。

 

◎ワイヤストリッパーやニッパーでの問題点

①メンテ時、機器内奥の既存配線を剥く事は不可能

②微小部分の線剥きは不可能

③ニッパーでは芯線の一部がどうしても切れやすい

④線長が短い場合(1~3cm未満など)反対側の半田付けされた部分まで強制的に引っ張り、ダメージを与える。

 

◎ラジペンとニッパーを使った皮剥き

これはかつて、放送用コンソール、電電公社(現NTT)など官公庁向け機器での標準的工法として採用されていた線剥き工法です。

 

(長所)

①どんな機械の奥でも工具(ニッパー・ラジペン)さえ入れば確実に安全に被覆剥きが出来る。

②リード線がどんなに短くても線剥きが可能

③メンテ時、芯線を引っ張らないので、反対側の半田付けにダメージを与えない。

④芯線は1本として切れることがない。

 

(短所)

やや慣れが必要。

 

【工法】

※ニッパーは刃のダメになったものは寿命、きっちり研げる場合を除きあっさり捨てましょう。

刃先のダメになった状態では「ニッパーのみ」でも満足な被覆剥きは出来ないでしょう。

(でも捨てるようなニッパーならこの前ご紹介した「ミニルーター」 できれいに研げます。)

 

①ラジオペンチを左手に、ニッパーを右手に構える(左利きの場合は逆で)

②リード線は剥きシロ部分のみラジペンの刃先中央から右に出す(下図)

③ニッパーの刃とラジペンの刃と刃を合わせる

④ニッパーで線材を咥え、刃が被覆へ適切に食い込ませる(場合によりニッパーを回転させる。)

⑤ニッパーの刃先と押し当てたラジペンの接触点を「支点」としての刃先をラジペンに当て、強く握ったラジペンとニッパーとを自分に向けて扇型に開くと同時に「剥きシロ」部分からキレイに剥ける。

 


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この状態にニッパーをあて、ニッパーの刃先端とラジペンとの接触部を支点にして手前に扇型に開くとケーブルが剥ける。   


 

ShinさんのいたずらPA工作室

ニッパーは信頼あるものを使いましょう。

ちなみに刃の下部にある「線剥き穴」はあってもなくても問題ありませんが出来ればナイ方がよい。

この写真は「ビクター」の定評あるものです。(刃先の優秀さ、耐久力が決め手です)

「スタンダード・ニッパー」 SIZE・・・125を基本に、150までのもの。

(VICTOR・FUJIYAなどはお奨めです)

 

 

非常に面倒くさい工法に聞こえるがこれを基本にすれば

①自作機の配線グレードが上がります

②メンテ時のキレイさが圧倒的に違う。

③狭い場所、1発モノのココ1番の線剥きでは鮮やかにキマる。

 

※応用ワザ

①扇型に開くとき、ニッパーの刃先とラジペンの刃を向こう側に開く方法で機械奥のわずかな剥きシロへも対応出来る。

②ラジペンとニッパーとを直角に構え、ニッパーの刃横を支点にする場合、ニッパー・ラジペンを180°の関係にして剥くこともある。

 

【条件】

ニッパーは十分刃先のコンデションが良くないと無用に被覆が引っ張られてしまい、仕上がりが良くない。


 

(捨てるようなニッパーはこの前ご紹介したの「ミニルーター」 できれいに研げます。)

 

※ 電気工事用の「硬線ニッパー」はこの用途には使えません。

そのほか

精密ニッパー          (IC回路用)
エレクトロニクスニッパー   (薄刃)
斜め刃二枚合わせニッパー

プラスチックニッパー

など特殊なものの使用は除外です。

 

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【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などはアマチュアの方、音響家の方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

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                             管理人(Shin)                             
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