1027 :手作り音響機材 金属部分の黒色化(Ⅰ) | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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2024年1月追記

 

「黒色」基本の音響機材。

各制約を乗り越えてハンドメイドを成しても、最終的にはデザイン上の完成度と、ハードルのひとつに品位の高い「黒色化」がある。

 

これは業務音響機材メンテでもすぐ使えるワザです。

 

ちょっと手作りする分には何とでもなりますが、しっかりと完成度を求めると次元の異なる表面仕上げが必要となります。


 

マテリアル(素材)の表面処理(梨地・ヘアライン・地模様等など)を手作りレベルで実現するのは相当困難なことです。

 

特にボディカラーの納得できる「黒」を実現するのは難しく、これは「黒染め」 と呼ばれハンドクラフトの一ジャンルとなっています。


《使った黒染め材料》
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写真左:ブラックパティーナEX

写真右:ファインスプレー ブラッセン(つや消しタイプ)

 

【黒染め液による方法】・・・金属と化学反応させ、メッキする方法。

これは材質と溶液との関係などで思ったとおりの「黒」を出すにはノウハウと経験が必要のようで、Shinさんの例では銅メッキになってしまったり、ただサビただけと、なかなか思い通りに「黒」にはならないようです、

また、使用する薬剤(劇物)の使用制限もあります。

 

「ブラックパティーナEX」 を使用してみました、真鍮の無垢なら「ブラックパティーナ C」を使えばよかったのかも知れません。

しかし、実際にはクロームメッキやニッケルメッキされた状態で黒染めしたい場合が多いので、無垢真鍮専用のみでも、また意味を成さない。


 

写真(上)

黒染め剤「ブラックパティーナEX」を使った処理、適応金属が違うらしい・・・(この味はこれでまた使い道はあるようだが「まっさら」のキレイさとは無縁のようだ)

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写真(下)

自己流でやってみた「焼付け塗装」、ムラだらけでキタナイ。

何度やってもこすれば剥がれ、ムラもある・・・・・

結局どちらも使い物にはなりません。

 

 

「焼付け塗装」

カメラメーカーで蛍石(ほたるいし)レンズの研究開発をやっていた友人の I 氏はアルマイト処理を奨めるが金属は真鍮・亜鉛・アルミ、それに鉄・ステンレスだったりする。ほとんどニッケルやクロームメッキなど何らかのメッキが施されている。

 

一方、しっかりした黒色塗装をやろうとすれば「焼付け塗装」ということになり、友人いわく、温度と時間・脱脂に気をつければ何とかなる・・・

・・・・・ということでShinさんやってみました。


 

◎彼のレシピを参考にやってみた(彼は400℃2~30分を奨めるが、230℃40分で焼き、自然冷却)

 

出た この「黒」だ、備長炭のような風合い、しっかり定着した。

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焼付けに使ったのは、電子レンジのオーブン機能です。

 

結果はこのRCAピンプラグ元々の塗装と同じ位の定着度で、しっかりと焼付け塗装が完成した。 (400℃まで上げられるオーブンなどあればもっと良い結果が出るでしょう)

 

◎ポイントは

①塗装の上からの塗装はダメ、元の塗料はしっかりはがし、無垢の金属面を出す。


 

②素材に対し、十分なムラのない脱脂(Shinさんの場合無水アルコールでよい結果が出た)シンナーではムリだった、またここで強毒性の薬剤はやめましょう。


 

③スプレー吹き付けは時間をおいて薄く2度塗りを行う

 

十分に乾燥したあと焼き付けに入る。


 

⑤Shinさんが使った「ファインスプレー ブラッセン」トルエンなど毒有機溶剤が含まれていますので取り扱いには厳重な注意と安全管理が必要です。

換気に注意し、少なくとも音響倉庫の片隅作業では大変危険な状況が発生します。


 

たかが「黒」   永遠のテーマである「黒」   奥は深いぞ

 

◎このテーマは継続させる予定です。

 

 

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【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などはアマチュアの方、音響家の方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。
 

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

 

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                             管理人(Shin)                             
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