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2024年1月追記
あれから10ヶ月経ち、前作にはずいぶんお世話になりました。
昨年7月の記事「0906 :電池式ファンタム小箱の製作」 http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10293808197.html
卓をセットするまでもなく、オーディオインターフェース出すまでもなく、ちょっとファンタムがほしい時に重宝です、こういう小物は「有れば便利というだけ」・・・かと思いきや、一括ファンタムの卓などでダイナミック混在時や湿気によるファンタムリークによるトラブル防止にはマイク直近に置くだけで事故も防げる。
Shinさんの手作りマシンたちはファンタム動作モノが多いので、つくづくと・・・
(L)(R)ステレオ用としても思わぬところで便利して来ました。
今回は前作、昨年7月の記事「0906 :電池式ファンタム小箱」の改良版です。
とはいっても、外観そのまま、GNDまわりの回路を変更改良しました。
こういった外付けファンタムBOXの必須条件として卓へのファンタム電源逆流防止が大切です。
そのためマイクロホンと卓との間のどこかに直流(DC)カットの仕掛けが必要です。
この直流(DC)カットの方法が前作では入出力双方1番の間に小容量のフィルムコンを入れて直流的結合を防止しておりましたが、条件次第でGND電位の揺さぶられによる誘導ノイズを引く場合がありました。
これは金属ケースにしたら解決する問題ではなく、そこは原理原則、ツボを押さえた「プラスチックケース」なら何ら問題なく、反対に金属ケースである為にノイズトラブルを起こす場合がある。
肝心なのは装置全体と周囲環境との関係を高周波的等価回路で描いた時、問題ない回路・実装かどうかに尽きる。
これを見極めたり改善する技術をEMC(電磁環境両立性)技術と呼ぶ。
【改良点】
これは図面で見たほうが早いですね
旧では卓との直流的カットを0.0047μF1個使いGND部分でおこなっていました。
信号系ループに入らない部分の為、こういう値でOKでした。
今回、入出力のGND間は直結し、出力の各2番・3番にケミコンを入れてノーマルに直流(DC)カットする方法をとりました。
この為、卓から見た信号源インピーダンスを低く抑えねばならず、コンデンサ容量を大きくする必要があります。
音質に直接影響する部分であり良質なものを使いたい。使用したのはニチコンのGold KZシリーズ 50V 10μFです。
(スペースさえあれば良質のフィルムコンをパラに入れたい)
だいぶキズだらけですが改造して現在使用中のものをそのまま撮りました。
中身も見た目は去年と変わりません、コンデンサは左側の出力コネクタの配線部分に全部隠れています。
右側コネクタには抵抗6.8KΩが4本接続、配線されて隠れている。
【考察】
①ふと思ったのは、こんなものなら数千円で買える、安いのは3,000円以下だ。
ただ、ワケのわからないメーカーモノだったら手作りの方がずっと安心出来る、作りたい人は作ればいいだけ。
②旧型では条件により誘導を受けることが有ったが改造後はそのような条件でも完全にノイズレスとなり、対策が出来た。
③シリーズ抵抗を4.7KΩから定番の6.8KΩに変更した。
④電源スイッチはなくても良いが使い勝手上これで正解でした。
⑤電池式ファンタム装置はコンシュマー用レコーダの外録でも活躍出来、(L・R)の2ch用としてピッタリです。
不安定なミニプラグ・ミニジャックによる「プラグインパワー」とは雲泥の差であります。
(あれはだれが始めたのか実にヤクザな手法、不安定で怖い)
ミニXLRと低電圧ファンタムが一般化すればかなり様子が変わるのだが。
【感ずること】
①「電池BOX」を使った従来型パナ改・・・(SiegfriedLinkwitz氏提唱)と、このファンタムBOXを使用した「ファンタム式パナ改 fetⅡ」(もちろんLinkwitz-Modである)で同一録音(ステレオ)を試みた。
基本的構成を考えれば一般パナ改が優位のはずだが、その音質は予想に反して「fetⅡ」のほうに軍配が上がる、ナゼだろう?
②Webを含めたあらゆる場で「ファンタム電源」と「プラグインパワー」とのメチャクチャな混同が見られます。
その後の「電池式ファンタム」記事
以上
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