1017: ファンタム式ピンクノイズ・プラグの製作 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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2024年1月追記

 

前回はツエナー・ダイオードのアバランシェ降伏を利用した「ホワイトノイズ・ジェネレータ」を製作いたしましたが、今回はお約束通り彼女ピンクノイズ・プラグ)を紹介します。

 

ピンクノイズはこのホワイトノイズを20~20,000HZの範囲で-3dB/OCTの下降カーブを描くように整えてやるだけで良いのですが・・・

 

この生成法は1つ2つではなく在りとあらゆる方法があります、 サーShinさん どんな方法で行くか?

 

どっちにしてもファンタム電源使用でXLRコネクタを棲家にする身ですから大きさ制限アリ・・・・


 

カレ(ホワイトノイズ・プラグ)と仲良く「パチリ」)
ShinさんのいたずらPA工作室
ピンク色の方がピンクノイズ・プラグ。(わかりやすいでしょ・・・・;  


 


ShinさんのいたずらPA工作室
このコネクタ、どう違うかわかりますか?

ピンクの方は安いサードパーティ・メーカーのコネクタ(金メッキ電極で200円くらい)です。金属シェルの表面仕上げとブッシングキャップが「テカテカ」しています。

構成部品はブッシングのインナー形状や材質が異なっていますが、どの部品もノイトリックと完全互換、(いいのかな?)

 


ShinさんのいたずらPA工作室
実験後ほぼそのままの状態、半田もキタナイのでモザイク入れたいところです。

恥ずかしくてミノ虫みたいに隠れちゃいました、(隠れろ・隠れろ!)


 

【回路図】
ShinさんのいたずらPA工作室

Analogってのは「類似」「相似」「似たようなもの」という意味、されば・・・と

 

・カップリング・コンデンサの容量や種類を変えたり

・安定抵抗の値を変えたり

・出力②・③間にコンデンサ入れて高域落としたり

・エミッタ抵抗いじったり・・・・・・・・・・ありとあらゆる方法を試して「似たようなもの」をこしらえた。

 

こういうのを「カット・アンド・トライ」って言いますね、「無手活流」とも言いますけど。

結局シンプルな回路・値で下のカーブが完成しました、47μF(積層セラミック・チップコン)×2が決め手になりました。

これはケミコンやタンタルコンでは全く実現しませんでした。


このノイズジェネレータのスペクトル分布(サンプリングf=48KHZ)

ShinさんのいたずらPA工作室

お行儀良く計算した結果と変わらないか、こっちの方がキレイでしょ、-3dB/OCT (20~20KHZ)のカーブです。

結果良ければすべて良し、「似たようなもの」=Analog無敵さよ・・・

 

【スペック】

内容       : XLRコネクタ一体型ピンク・ノイズジェネレータ

電源       : ファンタム電源 DC18V~50V

消費電流    : 540μA (48V時)、 260μA(27V時)、 170μA(18V時) 

出力レベル   : -39dB(20HZ)~-69dB(20,000HZ)-3dB/OCT特性 ※(48V時)

サイズ      : ノイトリックNC3-MXB同等品使用 (19φ×67mm)

重量       : 31g

 

【製作考察】

ピンクノイズは本当に各種各様の方法で造られますが、ホワイトノイズを簡単な波形整形や

C・Rをいじるだけで出来ないかな・・・とひねくり回してデッチ上げてしまった。

こういうイージーな方式でなかったら絶対にXLRコネクタの中の小さい基板には載らないし、こんなマイクロパワーでは動きませんからね。

 

しかし、しかしツエナーダイオードというやつは、ノイズを出す事にかけては天才ですね。




んで(へんな事思い出したです)

そういえば大昔、10代のころ「ゲルマニウムダイオード」・・・たしかSD-46の逆電圧特性の「その先」を知りたくて、教科書の特性図では-2V程度までしか図示されていない、そこでSTOPしているけど「その先は?」と。

 

単に「地球の一番果てはどうなっているの?」とか「水平線のずっと向こうはどうなってるの?」と同じ疑問です。

 

Shin少年不思議に思い、その先はどうなるのだろ?とおっかなビックリ電圧を上げていった。

火を吹くか爆発を覚悟して、ビクビクしながら-100Vを超えた・・・何も起きない・・・、-130V超えたあたりで突然、オシロのXY波形がガタガタを描くようになり、ラジオを近づけたら「ジャーーーーーーーー」いうノイズ。

 

ゲルマニウムダイオードが高周波発振を始めたんです、そんなこと教科書にもどこにも書いてないし・・・・・習ったこともなかったけど今、目の前でまさしくランダム発振している・・・・・・オシロ画面を写真に撮っておきたいけどカメラもない。

これに同調回路付けたら「送信機」になる、変調だってできるはず、ダイオード冷やしながらならそこそこのパワーが扱えるかも・・・などと思いながら、そのうち記憶のどこかへお出かけしてしまっていた。

 

その後も聞かないなー、ゲルマニウムダイオードのそんな使い方。

そのころからダイオードはノイズの発生源と思って、気をつけながらつかうデバイスになってしまった。

 

この-130V~数Vの範囲は「負性抵抗」を示した電圧であったようです、これはエサキダイオード同様のプロセスが逆電圧方向で起こっていたわけです。

もうちょっとお勉強出来る子だったら「ノーベル賞」もらっていたかも・・・ 馬鹿殿ヅラ(眉付き)  

                                           ムリなのだ バカボンのパパ 

 

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【おことわり】

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                             管理人(Shin)

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