0924: WM-61Aの最大SPLを測定してみました Ⅱ(再測定) | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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この記事は公開から14年以上経過している事をご理解下さい。 2024年1月追記

 

(この記事は2009年11月19日に1度UPしましたが測定値に疑問部分があり再測定及び再検証の上、訂正・再掲載いたしました)

 

パナ改の、あのマイクユニット(WM-61A)のスペックの中で「最大SPL」だけはメーカー発表を見たことがなく、うわさや、これを使った海外メーカーなどからの断片的情報で右往左往している状況があります。

 

そこで、Shinさんは、限られた機材と環境ですが、まずこの測定を行ってみました。不備な点はお許しください(正式にはこんなチープな環境で行いません)

 

前回測定から変えた条件

a.パワーAMPのハイパワー化(前回BOSE-1702MXⅡ・・・50W を450WクラスAMPへ切替え

b.マイクAMPの交換、I/F条件の変更で測定側のひずみを可能な限り低減。

c.マイク~SP間の距離変更・・・・(min 5~6cmまで近づけた)

d.WM-61Aノーマルはメーカー指定回路、かつ+Vsを9Vとした。

e.定番の測定器(RION NA-20)のみ用い、以前1万5千円程度で手に入れた簡易騒音計(未校正)の併用をやめた(条件によりNA-20と5dBを越える測定値の差が出てしまう)

 

 

 

合格(結論)

やっぱりWM-61Aは改造してソースフォロワにしないともったいないマイクです。

 

未改造プラグインパワーなどでガマンなさっておらずソースフォロワにすべきです。

歴然たる違いを見せるこのデータをご参考ください。

 

※この測定を行った事のある方はぜひご連絡ください


 

 

《測定の模様》

ShinさんのいたずらPA工作室

(自由空間?)に供試マイク<ノーマルWM-61A及びWM-61A(改)>を配置、

向い合わせにBOSE-101MMを配置、両者の距離は10cm程度にセット。

測定時、PCのひずみ率を見ながら「サッとSPLを計る」

 

家の窓やサッシも全部閉めての測定、シングルトーンのこの世のものとも思えない大音量が続くためだんだんと思考力を失って行きます。(終わったあと強烈な耳への圧迫感が残り、危険です)

出来る限り短時間づつの音出しで「サッと」値を読み取って近所迷惑を避けなければなりません、平和な家庭ではマネしないほうがいいです騒音オジサン」にされて警察に通報されますぞ!

 

 

ShinさんのいたずらPA工作室

測定用普通騒音計(リオンNA-20)と手前の白いモノは供試マイクです

 

 

(測定項目)

・測定は THD1% 時のマイク位置におけるSPL値を記録

・同じようにATT(10dB)を入れた時同様の測定(パナ改時)を行い記録。

 

 

《測定結果》

ShinさんのいたずらPA工作室 ShinさんのいたずらPA工作室 ←※参考データ
WM-61A(Vs=9V RL=2.2KΩ 3端子)   WM-61Aソースフォロワ(パナ改 RL=10KΩ)

※参考データについて

右側のパナ改で10dBATT使用時、1%ひずみの点を狙ったが128dB(0.4%)でSTOPしているのは、SPの耐力を見た安全性と測定者(Shin)がこれ以上耐えられない強音圧である為です。・・・・逆にこの事からもATTを入れればとてつもない高SPLまで許容してしまうのが見て取れ、身体のダメージを以って確実に感じた次第です。

 

 

いかがですか、こんなに最大音圧(SPL)の改善ができるんですね。

Shinさん この違いにあらためて納得しました。

 

≪この測定で確認出来た事≫

改造ナシのWM-61Aの最大SPLは103dB(THD1%)、これ以上の音圧で急激にひずみを増す。

 

② ソースフォロワ改造ひずみ率(THD)が改善し、最大SPLを14dB延ばして117dB/SPL(THD1%)となった。

 

ATT挿入にて飛躍的に最大SPLを延ばす事が可能であること。

 

④この種の測定は近所迷惑のため一般家庭では極めて困難、また「難聴」になりうる危険行為です。(実験から数時間経った今でも耳の抑圧を感じています)

※明夕、野外の現場ありヤバイ!

 

これによると、何もしないWM-61AではSPL103dB程度から急激にひずむのに対し、ソースフォロワー(パナ改)にする事によって最大SPLは117dBと14dB改善できた。

10dB ATTとの併用で128dB/SPL爆音までの音圧を楽に許容している。

(これ以上の音圧を与えることは機材環境上、測定環境上不可能と判断し断念した)

 

したがって、WM-61Aユニット単体のひずみ特性は使い方次第で、おそらく可聴範囲のSPLをほぼカバーする程の物であると認識しております。

 

この為、S/Nや音質を犠牲にしてまでWM-62(PC)やWM-E13UYなどの姉妹品に流れる必要はなく、堂々と爆音を取り扱いたい。

◎WM-61A(ソースフォロワ)=パナ改あきらかな優位性が確認出来ました。


 

《スペアナ画像》
ShinさんのいたずらPA工作室

観測中の波形(これ以上はスィングさせられない)

 

(測定の仕掛け紹介)
音圧計    普通騒音計(リオンNA-20)  F(Flat)ポジション使用

・MicAMP   :Roland UA-4FX(内蔵プラグインパワーは不使用)デジタルOUT

・AMP     :AMCRON XLS-402 (8Ω300W 4Ω450W)

・SP      :BOSE‐101MM

・Mic~SP間 :0.1m前後

・PC      :2台使用

PC ①     :Audacity により1000HZ 正弦波を生成

PC ② :Visual Analyser  2009 でスペアナ表示、レベル・波形・ひずみ率(THD

 

◎ここからダウンロード出来ます(フリーソフト) 

Audacity  : (定番です)
http://audacity.sourceforge.net/

 

Visual Analyser2009 :(優れモノです)
http://www.sillanumsoft.org/Italiano/scarica_programma.htm


 

 

 

(付随事項)
① 全
高調波ひずみ率(THD)は1%を越える辺りから急峻な増加を見せる。

 

THD1%をオーディオ音響上のひずみ率許容限度と仮定。

 

 

                                以上

 

 

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