せたカフェ「家庭医に聞く在宅で看取りについて」 | ほっこり 知恵袋

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第15回介護家族の為の実践介護講座は、「在宅で看取りについて」。
ゲストは、桜新町アーバンクリニックの院長 遠矢純一郎先生。
在宅での看取りについては、在宅医の普及に伴い、今後は増加すると思われる。地域差に左右される為、適正な情報を素早くキャッチし、備えておきたい。


私は、昨年9月に義父を亡くした。胆管がんだった。5か月の在宅介護の末、在宅で看取りした。最初から在宅で看取りを選択したわけではなかった。在宅医療についても、がんの場合、看取りまでできることを家族は知らなかった。以下、家族の経験を書いてみました。(参考までに)

在宅看取りまでの準備
1.相談。
信用のおける情報をキャッチする。知り合いのNPO 法人「CANnet 」かんコンシェルジェに相談。そこでは、無料相談が受けることができる。家族の不安は増大するばかり。治療費をはじめ、在宅介護か緩和ケアかホスピスかと選択しなければならない。関わった方は、こちら。かかりつけの主治医と紹介先の専門医、相談した医師(がんコンシェルジェ)、地域の病院と在宅介護のつなぎ役をするNPO、在宅医、訪問看護。全て直に面談して決めた。人任せにしなかった。病院に入院中に、在宅医療が受けられる準備をした。
2.介護認定をうけるための対策
主治医から地域包括への紹介状。行政によっては方法が異なるので、各地区町村に問い合わせしておく。主治医が書く書式が決まっていることがあるため。
3.介護認定
がん場合、元気な場合が多い。主治医から地域包括への紹介状がなければ、ADLが急激に下がった時に戸惑う為、紹介状は必要。
要介護度に応じて介護保険内で受けられるサービスが全く異なってしまう。
4.在宅介護の準備
ケアマネジャーの選択。在宅介護プランをはじめ、医療とのつなぎ役のボス! (よい介護が受けられるかは、ケアマネジャーにかかっている。)
がんの場合は訪問看護師が最も適している。
急変に敏感であること、薬剤にも精通していること、医師への緊急コールが必要かどうかも見極めてくれる。迅速な判断が看護師ならばできる。因みにケアマネジャーには、介護職出身の方や薬剤師、歯科医師、歯科衛生士などがいます。
5.福祉用具、バリアフリーなどの準備
ケアマネジャーに相談して、介護保険サービスでレンタルできる福祉用具を選択する。バリアフリーも介護サービス内で認められる範囲はある。(全てではない)
6.緊急連絡先を部屋に貼る(訪問看護、ケアマネジャー)

遠矢先生のお話に在宅医療とは、「生活を支える医療だ」とあった。まさにそうだと思った。その人の生き方を支援すること。「食べたくない。」「何もしたくない。」と本人が言うならばそれでよい。無理に食べさせなくても、想い出づくりや旅行なども望まなければそれでよい。
個人の価値観であり、誰も踏み入れない領域だからだ。ただ、家族のそばにいたいと思ってるだけかもしれない。生活の延長がよいならばそれでよい。義父は多くを望まなかった。特別なことは何も望まなかった。
それでよかったのかもしれない。家族の想いと本人の想いに相違はあっても、押し付けてはいけない。尊厳とはなにか?
そんなことを思った。家族との時間の共有がとても有意義なのかもしれない。そう、受け止めた。
拝聴しながら、涙が溢れてきた。家族として、与えるのではなく共に過ごすことの重要さを知った。